外反母趾の手術のお話


「外反母趾の手術ってどのような方法があるの?」
「外反母趾の手術って入院しないといけないの?」
「手術後またスポーツを出来るのか不安。」
 
外反母趾の手術に関してこのようなお悩みはないでしょうか?
この記事では手術の適応から種類、術後までの経過をまとめています。手術をお考えの方の参考になれば幸いです。
 

外反母趾は治しにくい

外反母趾の手術の方法の数はかなり多いです。
それだけ外反母趾は治しにくく手術法を確立しようといくつも考えられているのです。
外反母趾の手術で現在行われている方法は足の骨を切り取り、角度を変えてくっつけるというものが多いです。
その手術方法の中にも骨を切る場所がちがったり、プレートを入れたりと色々な方法があります。
これは外反母趾の進行が軽い、重いなど状態に応じて選択されているようです。

外反母趾はどのような場合に手術になるか

外反母趾を治療する際はまず、靴の工夫、テーピング、インソールの装着などといった「保存療法」を行います。
しかし、進行期や終末期にまで来てしまうと、保存療法では足の形が元に戻らなくなってきます。
適切な保存療法を試みても症状がなかなか改善しない場合痛みによって日常生活に著しい支障を来している際は、最終的な治療法として、手術が検討されます。

一般的な骨切り術

最も一般的な方法は、中足骨(親指の付け根から関節までの骨)の骨切り術と言われるものです。
この場合、中足骨の骨を切ることにより形を矯正していきます。
変形がどれくらい進行しているか、つまり足の形態によって切り方が異なります。
実は、現在のスタンダードな方法の骨切り術には、150種類以上の切り方があります。
変形が少ない方の場合は一部だけ骨を切れば形態の異常を修正していくことができます。
しかし重症の場合、つまり変形がひどい場合やほかの足趾の合併症を伴っている場合には、かなり精密に骨の形を修正しないと元通りにはなりません。
骨はどういう形にも切れますし、さまざまな選択肢がある一方で、正確な手術法を選択をしなければ良好な結果は得られないのです。
以下に良く行われる3つの手術法をご紹介していきます。

①シェブロン法

軽症から中程度の場合に行う術法です。
母趾中足骨の末梢部をV字型に切り取り、骨軸をずらす方法です。
必要に応じて出っ張りを削ることがあります。術後は原則入院が必要です。

②マン法

変形がひどく重度の外反母趾に対して行う手術です。
中足骨の根本を切り曲げ、軸をずらします。
シェブロン法に比べて、切開も多くなります。
こちらも必要に応じて、出っ張っている部分を削ることもあります。
こちらも4~5日の入院が必要です。

➂DLMO(デルモ法)

近年日帰り手術として増えてきている術法です。
主に軽症の外反母趾に適応される術法です。
第1中足骨頭を切開し、ずらした後、ワイヤーを入れて固定します。
日帰りで出来る手術とはいえ、体にメスを入れるので、簡単な気持ちでは受けないようしっかりと医師と相談してから決めましょう。

術後の経過

術式にもよりますが、手術の翌日からかかとで体重をかけての歩行は可能な場合もあります。
しかし、骨がくっつくまでにはおおよそ1か月半かかります。
そのため、足の指先で十分体重をかけるには2ヶ月程度かかり、立ち仕事ができるようになるまでにはおおむね3か月程度を必要とします。
一般的な日常生活は、早い段階で送れるようになりますので術後早期から関節をしっかり動かしていく必要があります。

手術のリスク

手術によって骨の出っ張りがなくなり、生活が快適になれば良いですが、手術後に再発することは度々あります。
何故かというと外反母趾の手術は「症状」に対して治療しており外反母趾になった「原因」に対しての治療ではないからです。
例えば歩き方が悪くて外反母趾になっていたのであれば、手術で外反母趾を治しても原因である歩き方を改善しないと再発してしまいます。
また、骨を削ることによって足の甲が痛くなる場合や、足のバランスが悪くなり内反小指や変形性関節症を起こすことがあります。
手術は原因の治療ではないこと、リスクも伴うという事をよく考慮した上で手術を行うか決めていきましょう。

まとめ

このように手術には多少なりともリスクも伴いますので、保存療法でダメな場合の最終手段と考えておいてください。
これが絶対という手術法はまだ確立されていませんので、外反母趾の手術の症例が多い病院や、専門の病院を調べて受診してみて下さい。
保存療法をもう少し試してみたいという方はお気軽に当院までご相談くださいね。