手術をせずに出来る!脊柱管狭窄症の治療法


「脊柱管狭窄症の治療を受けているが、あまり改善しない。」「脊柱管狭窄症の手術以外の治療法はどんなものがあるの?」「今の脊柱管狭窄症の治療を受けていて治るのか不安。」
このように脊柱管狭窄症の治療法に関するお悩みはありませんか?この記事では手術を除く脊柱管狭窄症の治療についてまとめていますので、治療法について詳しく知りたい方は参考にしていただければと思います。
 

病院で行われる治療法

脊柱管狭窄症と診断された場合、よほど重症ではない限りはまずは保存療法から開始します。保存療法とは手術以外の方法で治療を行い、経過観察を行う方法です。以下に保存療法の種類をご紹介していきます。

・薬物療法

① 消炎鎮痛剤

脊柱管狭窄症に対して行う薬物療法はまずは非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)で、痛みと炎症を抑える働きがあります。この薬は胃腸障害をおこしやすいという副作用がありますので、胃薬も同時に処方されます。

② 神経性疼痛(とうつう)緩和薬

消炎鎮痛剤を数種類試しても効果が見られない場合、神経性疼痛緩和薬と呼ばれる種類の薬を使うことがあります。もともと神経痛を抑えるために開発された薬で、消炎鎮痛剤とは作用機序が異なるため、消炎鎮痛剤の次の選択肢として使用されることがあります。

③ プロスタグランジンE1製剤

血液を固まりにくくし、血管を広げ血流を改善する薬です。もともとは血管の病気に使われる薬ですが、脊柱管狭窄症に対しても神経の血流を改善することで、足のしびれや痛み、間欠性跛行が改善が期待できます。

・物理療法

① 温熱療法

多くはホットパックを使用して行います。患部の血行を促進させることで、痛みを和らげることを目的としています。ただし、温熱療法だけで治ることはありませんので、一時的な痛みの緩和方法であると思っておいてください。

② 電気療法

低周波、高周波の電極を肌に貼り、筋肉を収縮させることで痛みの軽減や筋力トレーニングを行います。マイクロ波などの超音波を当て、その刺激によって、神経の血流を増加させることで、痛みやしびれを軽減する方法もあります。ただし、こちらも根本改善ではなく一時的な効果です。

③ 牽引療法

腰椎を引き延ばして、筋肉の緊張をほぐしたり、神経への圧迫を改善します。この方法は脊柱管狭窄症の症状が強い時には使えず、ある程度の治療が進み、痛みが治まってきた時期に使用されます。専門医師の診断のもと、計画的に行っていきます。しかし最近では無理な腰椎の牽引では変化しない、もしくは悪化するという報告もあり、実施しない病院も多数あります。

・ブロック注射療法

 ブロック注射には2種類あります。

① 硬膜外ブロック

馬尾や神経根を包む硬膜の周りの空間に、局所麻酔剤や炎症を抑える効果のあるステロイドを注入して知覚神経を麻酔をすることで脊柱管狭窄症の症状を緩和させることが出来ます。

② 神経根ブロック

X線透視下で神経根に局所麻酔剤やステロイド剤を注入するもので、神経根の圧迫で下肢痛が生じる神経根型の脊柱管狭窄症に効果があります。
どちらの方法にしても、麻酔によって一時的に痛みを改善させる方法です。これで痛みが治まっても根本の改善にはなっていませんのでご注意ください。
 

・運動療法

脊柱管狭窄症の好発年齢は50〜60代で、長年の姿勢不良も原因の1つであると言われています。人間の背骨は自然にS字カーブになっていますが、この背骨のS字カーブが崩れることで腰椎の1ヵ所に負担が集中し、狭窄が生じる。つまり、背骨のS字カーブを取り戻すことが出来れば、脊柱管狭窄症の悪化を防ぎ、症状の改善を促せる。そのために、体幹の背骨と骨盤の周囲にある深層筋(インナーマッスル)や背中を鍛えるということです。しかし、脊柱管狭窄症に対する運動療法については科学的検証がなされておらず、その効果については明らかではありません。行うことで実際に効果を実感できたという方も多数いらっしゃいますので、やり方を病院の主治医や腰痛を得意としている整骨院などで教えてもらった上でやってみてご自身に合うかどうかを試してみてください。
 

まとめ

脊柱管狭窄症は痛みの度合いも高く、日常生活の支障も出てくる厄介な症状です。現在行なっている治療法で効果が見られない場合には他の治療法を試してみることも良い方法でしょう。リスクのある治療や根本改善には繋がらない治療法など様々なものが存在しますので、どのように治療を進めていきたいかということをご自身でも考えておいた方が良いかもしれません。また、脊柱管狭窄症の患者さんは当院にも多く通院されています。もう病院でやれることはやったなど病院以外での治療をご希望の際にはご相談くださいね。