肩こりからくる頭痛の原因~対処法

「肩こりからくる頭痛で毎日苦しんでいる人っている?」
「肩こりから頭痛が頻繁に起こる。どのように対処すれば良いのか知りたい。」
「長時間のパソコン仕事をすると必ず肩こりと頭痛に悩まされる。」
 
このように肩こりからの頭痛の症状でお悩みではないでしょうか?
今や肩こりは日本人の国民病であるとされています。
肩こりと頭痛には密接な関係があるため、肩こりと同時に頭痛があるという方は非常にたくさんいらっしゃいます。
肩こりだけでも辛いのに、頭痛までしてきたらもう仕事どころじゃない!なんて方も多いのではないでしょうか?
何とかしてこの肩こり頭痛から解放されたい・・というあなたのために、この記事では肩こりから起こる頭痛の原因から対処法までをご紹介します。
お悩みの方は参考にしてみてください。

肩こりから頭痛が起きる仕組み

肩こりになると肩の筋肉が緊張状態となり、脳に血液を送っている首の血管を圧迫します。この状態になると、脳に十分な血液が送られない、もしくは頭にたまった血液が戻らず循環不良を起こします。その結果、脳は酸素不足となり、頭痛を起こしていると考えられています。

脳が酸素不足を起こす原因には

①頭の位置
②栄養不足 

血行不良を起こす原因には

①首の問題
②内臓疲労
③自律神経の乱れ
④姿勢不良 

このようなものがあります。
以下にひとつずつ詳しく解説していきますので、参考にしてみてください。 

脳が酸素不足になって起こる肩こりと頭痛

肩こり頭痛の原因となる脳の酸素不足の原因は大きく分けて2つあります。

① 頭の位置が悪い

頭の位置が悪いとは頭が本来の重心線よりも前に出てしまっている状態を指します。
ずっと頭の位置が悪い状態のままでいるとストレートネックと呼ばれる状態になります。
ストレートネックはその名の通り、本来は自然にカーブしている頚椎がまっすぐになってしまう事。
このようにまっすぐになってしまうと、そのまま頚椎周囲を通っている神経や血管を挟んで圧迫する場合があるのです。
これが頭の位置が悪くなる事で肩こり頭痛が起こる原因となります。
また、頭の位置が悪い状態では胸を張る姿勢が取りづらくなり、体に十分に酸素を取り込めなくなります。
(対処法)
日常から顎を引くように意識しておくことが重要です。
天井から糸で頭を引っ張られているようなイメージで頭がきちんと骨盤に乗っている感覚を持ちましょう。
また、顎の不調があるせいで頭の位置が悪くなっている場合も多くあります。
顎関節症がある場合、歯科医で治療することで解消する肩こり頭痛もあります。 

② 栄養不足

いくら姿勢が良く、体の中には酸素があっても酸素を身体中に運んでいく栄養がないと意味がありません。
身体中に酸素を運ぶ働きをしているのはヘモグロビンという物質で、鉄分との関連性が深い物質です。
他にもカルシウムやマグネシウムが不足したり、反対に多すぎたりすると神経や筋肉が正常に働かなくなり、肩こり頭痛を引き起こす場合もあります。 
(対処法)
食生活で意識して鉄分を取るようにしましょう。
鉄分を含む食べ物にはマグロや牡蠣、野菜であればほうれん草や枝豆に多く含まれています。
野菜から取る場合には一緒にビタミンCやクエン酸を摂ると鉄分が体内に吸収されやすくなります。
カルシウムとマグネシウムは互いに密接に関わり合っており、カルシウムが減少するとマグネシウムも同時に減少します。
牛乳や乳製品・大豆製品をきちんと摂って、カルシウムが不足しないように心がけましょう。 

血流不足からくる肩こり頭痛

① 首に問題がある場合

先ほどご紹介しました頭の位置の悪さと似ている原因で、このタイプの肩こり頭痛は頚椎椎間板ヘルニアやストレートネックなど首の骨に構造的な異常がある場合に出てくるものです。
首の骨の変形による血管・神経の圧迫が生じ、血流不足となり肩こり頭痛を引き起こします。
(対処法)
この場合、まずは病院で今のご自身の症状の状態をきちんと把握しておくことが重要です。
その上で保存療法を行う場合には血流不足を起こしている肩・首周りの血流を良くするために肩を回すなどの軽い体操を行うと良いでしょう。
もちろん元となる疾患の治療が必要な場合には並行して行うようにしてください。
頚椎椎間板ヘルニアなど治療が必要な疾患があるか不安な場合にはまずは整形外科を受診してみてください。 

② 内臓疲労がある場合

内臓に疾患がある場合や、疲労がたまると血管やリンパなど体の循環機能が低下し、血流不足から肩こり頭痛を起こします。
この場合の症状にはじっとしていても全身がだるい、左右差のはっきりとした肩こりが出るというような特徴があります。
(対処法)
内臓疲労の一番の原因は食生活をメインとする生活習慣に問題があることが多いです。
暴飲暴食はもちろん、糖分の多い食事や油物の多い食事、寝不足などは胃酸の分泌を増やし、消化にも時間を要するため胃腸の大きな負担となります。 
心当たりのある方は気をつけてみてはいかがでしょうか。

③ 自律神経の乱れがある場合

自律神経とは興奮状態とリラックス状態に働く2種類の神経のことです。
この2つのバランスが乱れることで脳の血管は細くなり、血流不足に陥ります。
自律神経はストレスがかかった際に乱れることが多いとされています。
一般的にストレスというと精神的なストレスのイメージが強いかと思いますが、ここで言うストレスには身体的なストレスも含みます。
外気温や湿度・気圧、運動不足や暴飲暴食も身体的なストレスに含まれます。
このようなことが関係して自律神経のバランスが乱れ、血流不足になると肩こり頭痛が起こるとされています。 
自律神経の乱れによる肩こり頭痛の場合には他にも眠れない、動悸がする、どうしてもやる気が出ないなどの症状を伴う場合があります。
(対処法)
先述のように自律神経の乱れには生活習慣やストレスが影響している場合が多く見られます。
この場合でのストレスは発散出来ずに溜め込んでしまっていることが多いので、何でもいいので、ストレスを発散させる方法を探して見ましょう。
例えば、
・体のケアを行う
・食生活を改善する
・軽い運動を行う
・朝起きた際に太陽の光を浴びるようにする
・普段よりも水分を摂るように心がける
 

簡単そうですが、意外と出来ていないことも多いかも知れません。
心療内科などの精神科を受診することも良い方法です。

④ 姿勢不良

肩こりの場合に1番よく言われる原因ですね。
ここから頭痛が起こるということももちろんあります。
しかし、ご自身で姿勢が悪いのは分かっているけどなかなか治せない・・という方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
なかなか治らない姿勢の悪さは上記3つの症状と絡み合って起こっている場合もあります。
この場合、ご自身で猫背にならないように気をつけるだけでは改善されない場合もあります。
(対処法)
姿勢不良の場合には気をつけることも重要ですが、そうなってしまわないような環境づくりを行うことも必要です。
例えば、パソコンの位置と椅子の高さを調整する、こまめに席を立って体操をする、日頃から軽い運動をするといった工夫をして見ましょう。

スマートフォンの使いすぎで起こる肩こり頭痛

今や国民の半数以上、若い世代に限ると60%以上がスマートフォンを使用しているという時代です。
そんなスマートフォンの使いすぎが肩こり頭痛の原因となっています。
スマートフォン症候群と呼ばれる症状で、その中に肩こり頭痛も含まれています。 

・1日に1時間以上スマートフォンを使用する
・眼精疲労がある
・猫背
・スマホやパソコンの使用中に肩こり頭痛を感じる
 

スマートフォンの使いすぎで症状が出ている方は同時に上記のような症状が出ている方が多いとされています。
使用中にこまめに休憩をとって少し体を動かす、うつむいた姿勢のまま使用しないように注意するなどの工夫をしてみましょう。  

症状を把握しておこう!

ここまでご紹介しましたように肩こり頭痛には様々な起因があります。
肩こりがしてから頭痛がする場合があれば、頭痛が起きてから肩こりが起こるという場合もあるかと思います。
何をした時に肩こり頭痛が起こるのか、痛み方はどのような痛み方か、マシになる方法はあるか、それを知っているだけでも原因を特定することが出来る場合があるかも知れません。
対処法や解消法を実践する際にはむやみに頭痛薬を飲んだりマッサージに通うのではなく、ご自身の肩こり頭痛の症状を把握した上で改善に向けて工夫してみると良いでしょう。 

まとめ

肩こりと頭痛に悩んでいる方はたくさんいらっしゃいます。
こんなにたくさん悩んでいる人がいるにも関わらず、特効薬は存在しません。
それだけ原因は複雑に絡んでおり、難しい症状なのです。
まずはご自身の肩こり頭痛の特性を知り、原因を知ることで生活習慣の見直しを行なってみてくださいね。
中には何かの病気のサインであるという場合もありますので、あまりに長引く場合や症状が悪化してきているという場合には1度病院で診察を受けてみてください。 
当院には肩こり頭痛に悩まれている方も多数来院されています。
どう対処すれば良いか分からずにお悩みの方はお気軽にご相談くださいね。