男女別、不妊症の原因について

「婦人科へ行っても異常はないと言われる。子宮以外に原因があるの?」
「内診だけでは不妊症の原因は分からない?」
「原因が分かったところで妊娠出来るのか不安。」

不妊症と聞くと子どもが出来ない事だということは何となく分かるけど、詳しいことはよく分からない・・という方は少なくないのではないでしょうか?
実は不妊症は今の時代、6組に1組の夫婦が悩んでいると言われるほどに身近な問題になってきています。
この記事では不妊症についての概要をご説明した上で、特に原因についてを詳しくご説明していきます。
ご自身が不妊症で悩んでいる・もしかすると不妊症かも知れないと不安に思っている方の参考になれば幸いです。

不妊症の定義

不妊症とは
「妊娠を希望して、少なくとも1年間性生活を送っているにも関わらず妊娠の成立がない」
という状況を指します。
一般的には結婚し、普通の性生活を送っている場合には結婚から1年で約8割の夫婦が子どもを授かることが出来るとされています。
このようなデータから妊娠を希望してから1年という期間が一般的となっているのです。

不妊症の原因4パターン

次に不妊の原因についてです。
不妊の原因となるのは大きく4パターンで
・女性側の問題
・男性側の問題
・男女ともの問題
・原因不明
このようになっています。
ひと昔前まで、不妊は女性の問題であるとされていましたが近年では男性に原因のあるケースも多くあるということが明らかになってきています。
割合としては
女性側の問題である場合は4割
男性側の問題である場合は2割
男女ともの問題である場合は2割
残りの2割は原因不明であるとされていますが、実際には検査を行っていない場合もあるので、もっと多い可能性もあります。
検査に行く際には女性のみではなく、男性も一緒に行って検査を行ってもらった方が原因が分かる確率も上がるということです。
次に、実際にどのようなことが原因で不妊症になるのかということを具体的にご説明していきます。

女性側の考えられる原因

・排卵の問題

月経があるからと言って必ずしも排卵があるとは限りません。
排卵の問題は極端な肥満や痩せすぎホルモンバランスの異常など様々なことが考えられます。
そもそも月経がないという場合にもホルモン異常や早期閉経の可能性も考えられます。
妊娠を考えている方であれば、基礎体温をきちんと付けることで排卵があるのかをご自身でチェックしておく事も重要となってきます。
基礎体温のデータは婦人科を受診する際にも良い資料となります。

・卵管の問題

卵管に問題があると精子が通る道が無くなり、卵子と受精出来なくなります。
性器クラミジア子宮内膜症を患っている方は卵管に癒着や閉塞が起こっている場合があります。
クラミジアは無症状であることが多いため、検査をして初めて感染が見つかるという場合がほとんどです。

・子宮頸管の問題

通常、子宮頸管は排卵が近づくと精子が通りやすいように頸管粘液の状態が変化します。
しかしこの粘液量が少なくなると精子が卵管を上手く通過出来ず、子宮まで来ることが出来ないという状況になります。

・免疫の問題

免疫の問題とは精子を体にとって異物なものであると判断してしまい、攻撃してしまう事です。
他にも免疫の問題によって精子の運動を妨げてしまうために、精子が子宮までたどり着かないという状態も考えられます。

・子宮の問題

子宮筋腫子宮内膜症などは着床障害を引き起こすため、不妊症となります。
また、子宮にポリープなどが出来ているという場合にも精子が卵子まで到達することを妨げてしまいます。
子宮に問題のある場合には着床の問題が起こる事が多くなります。

男性側の考えられる原因

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男性側で考えられる不妊の原因は大きく分けて
1・射精が上手くいかない状態
2・射精される精液の中の精子の数や運動率が悪くなっている場合
この2つです。
以下に詳しくご紹介していきます。

・精子を作る(造精)機能や精子運動率の問題

精子は精巣の中で作られますが、そこでの精子形成や運動能獲得過程に問題があると精子に問題が出てきます。
精巣静脈瘤などの病気で精巣内の温度が上がってしまっている場合や特に原因が見当たらないのに精子の形成に問題が出ているという場合もあります。

・精路の問題

射精が出来ても精子が出てこられないという場合があります。
この時考えられるのは過去の炎症などによって精管が詰まっているという可能性です。
鼠径ヘルニアの手術によって精管が閉塞しているという場合もあります。

・性交時の問題

ストレスによって勃起出来ない場合や性行為は出来ても射精が上手くいかず妊娠が成立しないという事もあります。
不妊治療でタイミングを気にしすることによるストレスや、加齢による勃起不全も考えられます。
動脈硬化や糖尿病といった疾患によっても勃起不全は起こるとされており、治療が必要となります。

まとめ

いかがでしょうか?
この記事では不妊症の原因について詳しくご紹介しました。
男性が原因の場合も多々あるということに驚かれた方も多いのではないでしょうか?
不妊症が疑われた場合、婦人科で詳しい検査をしてもらい、異常が見当たればまずはそこに対する治療が行われることとなります。
原因不明のものもたくさんあるので検査をしたからといって必ずしも異常が見つかるとは限りません。
ですが、今の体の状態をきちんと知っておくという意味でも少しでも気になった場合には検査を受けるようにしましょう。