「親指のつけ根が痛い…」「指がカクッと引っかかる感じがする…」
そんな症状が出てきたとき、あなたは「ばね指?腱鞘炎?」と迷ったことはありませんか?
実は、ばね指も腱鞘炎も腱の炎症が関係する症状ですが、原因・対処法・進行パターンには明確な違いがあります。
そして、その違いを正しく理解していないと、間違ったケアで症状を悪化させてしまうことも。
本記事では、整骨院の専門家が「ばね指と腱鞘炎の違い」について、セルフチェック方法や対処法も含めて、わかりやすく解説します。
まず一言で定義|ばね指と腱鞘炎の違いとは?
ばね指とは?
ばね指とは、指の腱が腱鞘(けんしょう)というトンネル状の組織を通るときに引っかかる現象で、医学的には「狭窄性腱鞘炎(きょうさくせいけんしょうえん)」と呼ばれます。
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指の曲げ伸ばしで「カクン」「パチン」と弾くような引っかかり感
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ひどくなると、指が伸びない・曲がらないことも
特徴的な症状が弾発現象(ばね現象)
腱鞘炎とは?
一方、腱鞘炎はもっと広い概念で、腱と腱鞘が擦れて炎症を起こし、痛みや腫れが出る状態の総称です。
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指や手首を使うと痛む
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腫れ・熱感・動かしにくさがある
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引っかかりはない(※ばね指を除く)
腱鞘炎には「ばね指」や「ドケルバン病(親指の腱鞘炎)」など、複数の種類が含まれます。
まとめ:2つの違いを一言で言うと?
| 症状 | 一言定義 |
|---|---|
| ばね指 | 指の腱が引っかかってカクッと動く「狭窄性腱鞘炎」 |
| 腱鞘炎 | 腱と腱鞘がこすれて炎症を起こす、広い意味での痛み症状 |
症状で比較|ばね指・一般的腱鞘炎・ドケルバン病の違い
「腱鞘炎にもいろいろあるけど、どう違うの?」
そんな疑問をお持ちの方のために、代表的な3つの腱鞘炎を症状・部位・動作の違いで比較してみましょう。
3つの腱鞘炎の比較表
| 疾患名 | 痛む部位 | 特徴的な症状 | よくある原因動作 |
|---|---|---|---|
| ばね指 | 指の付け根(特に親指・中指) | カクンと引っかかる/指が伸びにくい | 物を握る・ペットボトルの開閉・育児 |
| 一般的な腱鞘炎 | 指・手首全体 | 動かすとズキズキ痛む/炎症・熱感 | スマホ・PC・料理・重いものを持つ |
| ドケルバン病 | 手首の親指側(橈側) | 親指を動かすと痛い/腫れる | 抱っこ・スマホのフリック・雑巾絞り |
それぞれの特徴まとめ
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ばね指は「引っかかり感」があるのが最大の特徴
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腱鞘炎は「痛みや炎症」が中心で、引っかかりはない
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ドケルバン病は「親指を動かすと手首が痛い」+親指側が腫れる
補足:ドケルバン病は親指の腱鞘炎の一種
親指の使いすぎによる腱鞘炎=「ドケルバン病」です。
腱の種類や通る場所が違うため、ばね指とは別の症状として区別されます。
どの動きで痛む?5つのチェックで見分ける(セルフチェック)
「ばね指か腱鞘炎か、病院に行く前に自分で見分けられたら…」
そんな方のために、痛みの出方や動きの特徴から、自分の状態を見極める簡単な5つのセルフチェックをご紹介します。
チェック①|指の曲げ伸ばしで引っかかりがある?
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指を曲げて伸ばしたときに「カクッ」となる
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無理に伸ばすと「パチン」と音がすることも
ばね指の典型的な症状です。
炎症によって腱鞘が狭くなり、腱の動きが妨げられています。
チェック②|手首の親指側がズキッと痛む?
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親指を広げる・反らす・持ち上げると手首が痛む
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親指の付け根〜手首の側面が腫れている
この場合はドケルバン病(親指の腱鞘炎)の可能性大。
家事や抱っこなど親指の酷使が主な原因です。
チェック③|何もしていなくても痛む?熱感がある?
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動かしていないのにズキズキ痛む
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指や手首に軽い腫れ・熱を感じる
これは炎症期の腱鞘炎の特徴。
急性期はストレッチやマッサージを避け、まずは安静第一です。
チェック④|特定の動作だけが痛む?日常動作と照らし合わせてみる
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フライパンを持つときに親指が痛む
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子どもの抱っこで手首が辛い
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パソコン操作で小指〜薬指が疲れる
痛みの出る動作によって、どの腱に負担がかかっているかが分かります。
動作と症状をセットで考えることが、正しい対処の第一歩です。
チェック⑤|フィンケルシュタインテストで確認
親指を内側に握り、手首を小指側に倒す動きをしてみましょう。
ズキッとした痛みが出たら、ドケルバン病の可能性が高いです。
※強い痛みが出た場合は無理せず中止してください。
これらのチェックで当てはまる項目が多い場合、セルフケアでは限界があるかもしれません。
よくある勘違い5選|放置・自己流ケアで悪化する理由
「少し痛いだけだし、しばらく様子を見よう…」
「ネットで見たストレッチを試してみようかな…」
そんなよかれと思った行動が、逆に悪化の引き金になるケースは少なくありません。
ここでは、多くの患者さんがしてしまいがちな勘違い5つをご紹介します。
勘違い①|ばね指と腱鞘炎は同じもの?
→ 似て非なる症状です。
腱鞘炎は炎症全般を指しますが、ばね指は「指が引っかかる狭窄性腱鞘炎」。
対処法や重症度の見極め方も違います。
勘違い②|痛みはストレッチすれば改善する?
→ 急性期にストレッチは逆効果。
炎症が強い段階で無理に伸ばすと、腱や腱鞘がさらに傷つき悪化します。
まずは安静と負担の見直しが優先です。
勘違い③|サポーターを長時間つけっぱなし
→ 安定はしても、回復はしません。
サポーターは一時的な保護には有効ですが、常用すると関節や筋肉の動きが弱まり、回復を妨げることも。
勘違い④|痛いところ=原因の場所と思っている
→ 実際には使い方や他の部位の負担が原因であることが多い。
みゅう整骨院では、FJA理論に基づき、前腕・肘・肩・姿勢まで評価して本当の原因を探ります。
勘違い⑤|とりあえず放っておけばそのうち治る
→ 炎症性の腱鞘炎は慢性化しやすく、進行すると治療期間も長引きます。
特にばね指は、放置すると「指が完全に伸びない」状態に進行することもあります。
もし当てはまるものがあるなら、早めに対処することが、痛みの長期化・再発の予防につながります。
症状別・安全なセルフケアとやってはいけない動き
ばね指や腱鞘炎に悩む方の多くが、「今の痛みにはストレッチしてもいいの?」「何かしないと悪化する気がする…」と不安を感じています。
ここでは、症状の強さに応じた安全なセルフケアと、悪化を招くやってはいけない動きを分かりやすく整理しました。
軽度(違和感〜軽い痛み)ならOKなセルフケア
ポイント:炎症が落ち着いていて、引っかかりがない場合のみ
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前腕〜手首のやさしいストレッチ
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指を使わないよう意識した動作の工夫(例:スマホの持ち方)
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就寝時にテーピングや保護パッドで関節を中間位に保つ
「気持ちいい」「軽くなる」感覚があればOK。痛みを感じたら中止。
中等度以上(痛みがズキズキ・引っかかりあり)はNGな行動
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強く指を反らす・押し込むストレッチ
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無理に腱を動かすマッサージやツボ押し
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一日中サポーターで固定しっぱなし
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引っかかる指を「勢いで戻す」動き
特に弾発現象(ばね指)があるときに指を無理に伸ばすのは、悪化リスクが非常に高いです。
回復を助ける痛くない工夫
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家事のときに利き手を変える/グリップ補助具を使う
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スマホは机に置いて操作、親指操作を控える
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PC作業は「手首を浮かせない」環境づくり
「どう休ませるか」+「どう使わないか」の工夫が、最も効果的なセルフケアです。
いつどの専門家へ?病院・整骨院・物理療法の使い分け
「病院に行くべきか、それとも整骨院でいいのか…」
ばね指や腱鞘炎に悩む多くの方が、どこに相談するかで迷っています。
ここでは、症状の進行度・痛みのタイプ別に、適切な相談先と使い分けを解説します。
整形外科(病院)に行くべきケース
✅ 痛みが強くて日常生活に支障がある
✅ 指が完全に曲がらない・伸びない
✅ 腫れや熱感が強く、動かすのも辛い
✅ しびれを伴う/神経症状の疑いがある
画像検査(レントゲン・超音波)や、手術が必要なケースを含めた診断・処方は病院の役割です。
整骨院・整体院が対応できるケース
✅ 痛みはあるが、日常生活は送れている
✅ 引っかかりはあるが、まだ動かせる
✅ ストレッチやセルフケアで悪化がない
✅ 姿勢・使い方のクセが気になる
✅ 痛む部位だけでなく、全身の動きや筋膜のバランスから原因を探りたい
みゅう整骨院ではFJA理論に基づき、手だけでなく全身の使い方からアプローチします。
リハビリ・物理療法の位置づけ
病院での保存療法では「安静・湿布・痛み止め」が基本になることが多く、それだけでは改善しにくい慢性症状の場合は、整骨院での「動かしながら治す」ケアが有効です。
まとめ:こんな風に使い分けましょう!
| 症状レベル | 行動の目安 |
|---|---|
| 急性期/強い痛み | まず整形外科で診断・検査を受ける |
| 慢性期/軽度〜中度の痛み | 整骨院での評価・ケアを並行的に活用 |
| 再発予防・使い方の改善 | 整骨院で体の使い方や習慣を見直す |
みゅう整骨院のばね指・腱鞘炎アプローチ
「整骨院って、どんなことをしてくれるの?」
「手だけ見てもらっても治らないのでは…?」
そんな不安を感じている方へ。
みゅう整骨院では、ばね指・腱鞘炎に対して痛いところだけを見るのではなく、全身の使い方・滑走性の評価を重視した根本的なアプローチを行っています。
痛い手だけを施術しない理由
ばね指や腱鞘炎の多くは、手の酷使よりも使い方の偏りが原因です。
特に、前腕・肘・肩・肩甲骨・姿勢などの連動が悪くなることで、手首や指に過剰な負担が集中している状態になっていることが多いのです。
例:
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肘が硬いと、指を動かすたびに前腕に無理がかかる
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巻き肩・猫背姿勢が手首の動作制限を生む
FJA理論に基づく全体評価と施術
FJA(ファシアティック・ジョイント・アプローチ)とは、筋膜・関節・動作の滑走性(すべり)に注目した評価法です。
みゅう整骨院ではこの理論に基づき、
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前腕の筋膜の硬さ
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肘〜肩の可動性と使い方
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腱や腱鞘の動き方(滑走障害)
などをチェックし、原因の原因まで探ります。
そして、必要に応じて
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筋膜リリース
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関節モビライゼーション
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姿勢や使い方の調整
などを組み合わせた施術を行います。
セルフケアまで含めた再発予防
施術後には、再発防止のための
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生活動作の見直しポイント
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ストレッチのタイミングとやり方
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症状に合ったセルフケアメニュー
をわかりやすくお伝えします。
「もう何度も繰り返したくない」という方こそ、その場しのぎではなく根本からの改善を目指したケアが必要です。
まとめ|正しい診断と対処で再発しない体へ
ばね指も腱鞘炎も、早期の見極めと適切な対処ができれば、手術に至る前に回復するケースがほとんどです。
しかし一方で、
「放置して悪化した」
「間違ったストレッチで痛みが強くなった」
という方も少なくありません。
本記事のポイントおさらい
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ばね指は引っかかる動きがある狭窄性腱鞘炎
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腱鞘炎は広義で、炎症が主症状(ばね指も含む)
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自己判断でのストレッチは要注意、炎症期は安静が最優先
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使い方や姿勢も含めた全体評価が根本改善のカギ
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整骨院では再発しない体づくりをサポートできる
迷ったら、専門家に相談してみましょう
「自分の症状がどの段階か分からない」
「ストレッチをしていいのか不安」
そんな時は、お気軽にみゅう整骨院へご相談ください。
腱鞘炎・ばね指の改善をサポートする専門家として、あなたの体の状態に合わせた最適なケアをご提案します。













