右腕のしびれの主な原因
右腕のしびれには、日常生活の姿勢や使い方に起因するものから、疾患に伴うものまでさまざまな原因があります。ここでは、代表的な原因を5つ紹介します。
首や肩の神経の圧迫
デスクワークやスマホ操作などで長時間うつむいた姿勢が続くと、首や肩に過度な負担がかかり、頸椎から出る神経が圧迫されることがあります。
とくに頚椎の変形や筋肉の緊張により神経の通り道が狭くなると、右腕のしびれとして現れやすくなります。
症状は首から肩、腕、手先にかけて広がり、場合によっては痛みや感覚の鈍さを伴うこともあります。
血行不良
寒さや長時間の同一姿勢、ストレスなどが原因で血流が悪くなると、神経への酸素供給が低下し、腕にしびれを感じることがあります。
特に冷え性の方や運動不足の方は、腕の末端まで血液が届きにくくなり、ピリピリとした違和感や感覚の鈍さが現れやすくなります。
手足が冷えやすい、肩こりが慢性的にある方は注意が必要です。
外傷や圧迫による一時的なしびれ
重たい荷物を長時間持つ、寝返りで腕を下にしていたなど、外からの圧力で神経が一時的に圧迫されると、しびれが起きることがあります。
多くの場合は数分~数時間で改善しますが、繰り返す場合や症状が長引く場合は、神経や筋肉への慢性的なダメージの可能性もあるため、早めのチェックが必要です。
心的ストレス
心身のストレスが自律神経に影響し、筋肉の緊張や血行不良を引き起こすことで、しびれとして感じることがあります。
特に心配ごとや過労が続いているときは、交感神経が優位となり、身体の回復モードが働きにくくなります。
これは、はっきりとした原因が見当たらないのに、しびれだけが続くケースに多く見られます。
脳や神経の病気
しびれの原因として見逃せないのが、脳や中枢神経の病気です。脳梗塞や脳出血の前兆として、片方の手足にしびれが出ることがあります。
特に、突然のしびれ、言葉が出づらい、視野の異常、片側だけ力が入らないなどの症状を伴う場合は、緊急性が高く、すぐに病院を受診する必要があります。
右腕のしびれから考えられる病気【首・肩に原因がある場合】
首や肩の構造に異常がある場合、神経の通り道が圧迫されてしびれが出やすくなります。
ここでは代表的な疾患を紹介します。
変形性頚椎症
加齢や姿勢不良により、頚椎の骨や椎間板がすり減って変形し、神経が圧迫される病気です。初期は首のこりや軽い違和感から始まり、進行すると腕や手指にかけてしびれや筋力低下が出現します。
長時間のデスクワークやうつむいた姿勢が多い方に見られ、動かすと痛みが悪化することも。症状が進行すると手の細かい作業が困難になることもあるため、早めの対応が重要です。
頸椎椎間板ヘルニア
椎間板が飛び出し、神経を圧迫することで強いしびれや痛みを伴う疾患です。
咳やくしゃみなどで症状が悪化しやすく、首を動かすと腕にビリビリとした電撃様のしびれが走ることもあります。
放置すると感覚異常や筋力低下が進行することがあるため、適切な評価と治療が必要です。
▶︎関連記事:【頚椎ヘルニアによる手のしびれ…危険度セルフチェック10項目】
頸肩腕症候群
首・肩・腕の筋肉の緊張や姿勢不良により神経が圧迫され、しびれやだるさが現れる状態です。パソコン作業やスマホ操作が多く、姿勢が崩れがちな方に多く、症状は慢性化しやすい傾向にあります。
特徴としては、特定の動作で悪化せず、広範囲にわたる違和感やこり感があること。
筋膜の滑走性低下や血行不良も関与しています。
胸郭出口症候群
首から腕に伸びる神経や血管が、鎖骨周囲で圧迫されることで起こる疾患です。
特に腕を上げたり、荷物を持ったりすると症状が増悪しやすく、腕のだるさやしびれ、握力低下を伴います。
猫背やなで肩、重いカバンを長時間持つ習慣のある方に多く見られ、女性にやや多い傾向があります。
右腕のしびれから考えられる病気【腕やひじに原因がある場合】
腕やひじ周辺に起因するしびれの症状は、神経の走行や関節周辺の炎症によって現れます。
以下のような疾患が代表的です。
肘部管症候群
肘の内側を通る尺骨神経が圧迫されることで、小指と薬指にしびれや違和感が出現します。
長時間の肘の曲げ伸ばしや、デスクワークで肘をつく姿勢、野球やテニスなど反復動作が多い方に見られる疾患です。
進行すると指の巧緻動作(細かい動き)が困難になり、握力も低下することがあります。
夜間や朝方に症状が強く出るのも特徴です。
橈骨神経麻痺
腕の外側を走る橈骨神経が圧迫されることで、手首から親指・人差し指にかけてしびれや感覚異常が起こります。
長時間腕を圧迫したり、上腕を下にして寝ると発症しやすく、「土曜日の夜麻痺」と呼ばれることも。
症状が強い場合、手首を上にあげられない「下垂手」になることもあり、一時的なものであっても注意が必要です。
上腕骨外側上顆炎(テニス肘)
テニス肘は、肘の外側にある腱の炎症で、正式には「上腕骨外側上顆炎」と呼ばれます。
物を持つ・握るなどの日常動作で肘の外側に痛みが出ることが多く、しびれというよりは「鋭い痛み」や「響く感じ」が特徴ですが、慢性化すると神経にも影響し、指先に違和感やしびれが広がるケースもあります。
パソコン作業や育児、重い荷物を扱う方によく見られます。
右腕のしびれから考えられる病気【手首・手のひらに原因がある場合】
手首や手のひらに問題がある場合、末梢神経の圧迫によってしびれが起こることがあります。以下の疾患が代表的です。
手根管症候群
手首の手のひら側にある「手根管」というトンネル状の構造内で、正中神経が圧迫されることで発症します。
親指から薬指の半分にかけてのしびれや、朝方の手のこわばりが特徴です。更年期の女性や妊娠中の方、パソコン作業が多い方に多く見られます。
症状が進むと、親指の付け根がやせ、物をつかみにくくなることも。早期の対応で進行を防ぐことができます。
ギヨン管症候群
手首の小指側にある「ギヨン管」で、尺骨神経が圧迫されることで発症します。
小指と薬指のしびれ、筋力の低下が主な症状で、自転車の長時間のハンドル操作や、手を多く使う仕事の方に多く見られます。
症状が進むと、手のひらの筋肉がやせたり、細かい作業が難しくなったりします。
手根管症候群と症状が似ているため、専門的な評価が必要です。
右腕のしびれから考えられる病気【脳・神経疾患が原因の場合】
脳や中枢神経の異常により、片側の腕にしびれが生じることがあります。
命に関わる可能性もあるため注意が必要です。
脳梗塞・脳出血(脳血管障害)
脳の血管が詰まる「脳梗塞」や、破れて出血する「脳出血」では、突然のしびれや麻痺が現れることがあります。
特に片側だけのしびれ、言葉が出ない、視野の異常、ろれつが回らないなどの症状を伴う場合は、一刻も早い対応が必要です。
右腕のしびれが急に現れた場合、ただの疲労と判断せず、まずは医療機関で脳の状態を確認することが重要です。
神経疾患(多発性硬化症・ギラン・バレー症候群など)
中枢神経や末梢神経に異常をきたす疾患でも、しびれの症状は見られます。
多発性硬化症は自己免疫による神経障害で、視覚異常や歩行障害とともにしびれが出現。
ギラン・バレー症候群は急激な筋力低下とともに手足のしびれが進行する疾患です。
どちらも早期診断と治療が重要で、進行すると生活に大きな支障をきたすことがあります。
糖尿病性神経障害
糖尿病により高血糖状態が続くと、神経が徐々に障害され、しびれや感覚異常が現れることがあります。
特に手足の末端から始まり、「手袋や靴下を着けているような」感覚になるのが特徴です。しびれは夜間に悪化しやすく、気づかないうちにやけどやけがを負うことも。
糖尿病の管理と並行して、神経障害のケアが必要です。
末梢神経障害
原因が特定できない末梢神経の障害(特発性末梢神経障害)や、薬剤・アルコール・栄養不足(ビタミンB群の欠乏)などにより神経が傷つくと、しびれや感覚鈍麻が生じます。
徐々に症状が悪化することが多く、早期の対応が症状進行を防ぐ鍵となります。
診断には血液検査や神経伝導検査などの精査が必要です。
右腕のしびれがあるときは何科に行けばいい?
どの診療科を受診すべきか迷ったら
右腕のしびれが現れたとき、どの診療科を受診すればよいか迷う方は多いのではないでしょうか。
基本的には、まずは「整形外科」で骨や神経の圧迫がないかを確認することが一般的です。
しびれが突然現れたり、言葉のもつれ・視覚異常などを伴う場合は「脳神経外科」や「脳神経内科」を優先して受診してください。
生活習慣病やストレスが背景にある場合
しびれが糖尿病などの生活習慣病に関連している場合は「内科」や「糖尿病内科」、ストレスや自律神経の乱れが関係していそうな場合は「心療内科」や「精神科」も選択肢になります。受診科が判断しにくい場合は、まずは整骨院で相談し、身体の状態を確認してから専門医への紹介を受けるという流れもひとつの方法です。
右腕のしびれを悪化させないためにできるセルフケア
姿勢と日常動作の見直し
右腕のしびれが軽度で一時的なものであれば、自宅でできるセルフケアで緩和することも可能です。
ただし、症状が強く出ている場合や長引いている場合は、早めの専門的な対応が必要です。以下のケアはあくまで「軽症のケース」に限った対策です。
まず、デスクワーク中や家事の合間には「姿勢の見直し」を心がけましょう。
特に肩が前に出ている猫背姿勢は神経や血流を圧迫しやすく、しびれの原因になりやすいため、背筋を伸ばして肩甲骨を意識した姿勢に整えることが大切です。
ストレッチと血行改善の工夫
また、肩や腕をゆっくりと回す「簡単なストレッチ」や、首を左右に倒したり回したりする体操も、筋肉の緊張緩和や血流改善に有効です。さらに、冷えによって血流が滞るとしびれが悪化しやすくなるため、手首や肘、肩まわりを冷やさないよう意識して保温することも重要なポイントです。
入浴や蒸しタオルなどで首・肩を温めるのもおすすめです。定期的に体を動かし、緊張をほぐすことで、しびれの悪化を防ぎやすくなります。
右腕のしびれが続くとどうなる?放置することによるリスク
神経ダメージの進行と日常生活への影響
右腕のしびれが続くにもかかわらず放置してしまうと、神経へのダメージが徐々に進行し、取り返しのつかない状態に陥る可能性があります。
特に、神経の圧迫や血行不良が長期間続いた場合、感覚の鈍化や筋力の低下が進行し、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。
例えば、ペンを持つ・パソコンを操作する・スマホを使うといった細かい動作が困難になったり、荷物を持ち上げる・服を着替えるといった動作にも不便さを感じるようになることがあります。
早期対処の重要性
進行した神経障害は改善までに時間がかかり、元の状態に戻らないケースもあるため注意が必要です。
さらに、しびれが脳血管障害や糖尿病性神経障害など重篤な疾患のサインである場合は、放置によって生命に関わるリスクを高めてしまうことにもつながります。
違和感を感じた時点で早めに対処することが、予後を良くする第一歩です。
右腕のしびれがあるときに整骨院でできること
整形外科との違いと整骨院の強み
整骨院では、レントゲンやMRIといった画像診断は行えない一方で、姿勢や筋肉・関節の動き、生活習慣に着目した「根本的な原因の評価と改善」に力を入れています。
とくにみゅう整骨院では、FJA理論(ファシアティックジョイントアプローチ)に基づいた施術を行っており、筋膜や関節、神経の滑走障害など、一般的な医療機関では見逃されがちな“動き”の問題に着目しています。
FJA理論に基づく評価と施術内容
例えば、「頚椎には異常がない」と診断されても、実際には肩甲骨周囲の筋膜の滑走不全によって神経が引っ張られていたケースや、肘や手首の関節可動域が狭く、しびれを引き起こしていたケースもあります。
こうした場合、FJA理論に基づいた徒手検査で動きの評価を行い、適切な手技でアプローチすることで、症状の改善が期待できます。
また、姿勢指導やストレッチの提案、仕事や家事中の体の使い方のアドバイスも積極的に行っています。
整形外科では「異常なし」と言われた方や、薬・湿布だけでは改善しない方にとって、整骨院は“原因の見える化”と“根本改善”の両方が期待できる選択肢となります。
みゅう整骨院では、国家資格を持つ施術者がすべての患者さまに対して評価・施術を担当しており、安心してご相談いただける体制を整えています。
箕面市・みゅう整骨院で右腕のしびれが改善した方の体験談
50代女性:「ペットボトルのフタも開けられなかった親指の痛みが改善!」
症状 | ペットボトルのフタが開けられないほどの親指の痛みとしびれ |
来院前の困りごと | 家事に支障が出て、包丁やペンを持つのもつらい状態 |
診断名 | 手根管症候群 |
改善内容 | 5回の施術でしびれが軽減、現在はフタも開けられるように |
※指先のしびれが続く方はこちらの記事も参考になります →
家事や仕事に支障をきたす手根管症候群の原因と治し方
40代男性:「朝起きると腕がしびれていたのが、今はすっきり!」
症状 | 朝方に右腕がビリビリとしびれる |
来院前の困りごと | 睡眠の質が悪く、仕事に集中できなかった |
診断名 | 頚椎椎間板ヘルニア |
改善内容 | 3回目の施術後からしびれが減少し、1か月後には消失 |
「朝起きたときの腕のしびれ」が気になる方はこちら →
首の異常が原因かも?頚椎ヘルニアによる手のしびれセルフチェック
60代女性:「スマホの操作すらつらかった指のしびれが改善!」
来院前の困りごと | スマホの操作、ボタンを留めるのがつらい |
診断名 | 肘部管症候群 |
改善内容 | 手技とストレッチ指導により、2か月で症状が大幅に改善 |
右腕のしびれが続く場合は専門機関や整骨院へ
右腕のしびれが続く場合、それは身体からの重要なサインかもしれません。
「少し気になるけれど、我慢できるから」と放置することで、神経へのダメージが進行し、日常生活に深刻な支障をきたすこともあります。
原因がはっきりしないしびれであっても、みゅう整骨院ではFJA理論に基づいた評価を通じて、“本当の原因”にアプローチすることができます。レントゲンやMRIに異常がなくても、筋膜や関節、滑走障害が症状を引き起こしているケースは少なくありません。
「これって整骨院で診てもらえるの?」「病院に行く前に相談だけでもしてみたい」そんなお悩みをお持ちの方は、まずはお気軽にご相談ください。
※ただし、自己判断は禁物です。痛みが強い場合や、症状が改善しない場合は、必ず医療機関を受診し、医師の指示に従ってください。
※ 免責事項
- 本記事の内容は、一般的な情報提供を目的としており、特定の治療法を推奨するものではありません。
- 個々の症状や状態に最適な治療法は、必ず医師の診断と指示に従ってください。
- 本記事の内容に基づいて行動し、万が一何らかの問題が発生した場合でも、当方では一切の責任を負いかねますのでご了承ください。