「鼻水が喉へ流れてくるような感覚がある。」
「鼻水が流れてきて喉の部分が臭う。」
「風邪を引いた後に鼻と喉の症状だけがなかなか取れない。」
鼻水は健康な方で1日に2~6ℓが作られています。
ですので、この範囲内であれば問題はありません。
問題となるのはこの量が異常に多い場合や、粘度が高く病的な状態になっている場合です。
このような状態で治療方法を誤ると症状が悪化していくこともありますので、正しい治療を受けるために必要な情報をご紹介していきます。
喉に鼻水が落ちてくる・・?
後鼻漏は本来鼻から出てくるはずの鼻水が喉の方へ落ちてしまう症状を指します。
経験したことがないという方には分かりにくいかも知れませんが、常に痰が絡んでいるような状態で、重症になると日常生活にも支障を来たす様になってきます。
痰が切れないために食事をしている最中にむせやすくなったり、人と話をしている時にも喉の痰が絡んで話しづらくなるといった風に生活に影響が出てきます。
原因となっている鼻水を止めるための治療が重要!
後鼻漏は喉の違和感を感じるため、喉の問題かと思われがちですが、改善しなければいけないのは鼻です。
後鼻漏の原因となる鼻の疾患としては、
・副鼻腔炎
・アレルギー性鼻炎・上咽頭炎
・慢性鼻炎
・鼻中隔弯曲症
などが挙げられます。
また原因不明のものも多くあり、副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎とともに原因の多くを占めています。
治療はどのように行われる?
治療を行う際に重要となるのは正しい診断です。
先ほどご紹介したように、どうして鼻水が出ているのかという原因を突き止め、それを止めるための治療が最優先されます。
具体的な治療法としては薬物療法や局所療法、手術となります。
薬物療法では、消炎酵素薬や粘液溶解薬、抗炎症薬、抗アレルギー薬などが用いられます。
特に、マクロライド系抗生剤を少量、長期に渡って服用するという方法が一般的です。
局所療法とは、鼻の中に薬剤を噴射したりネブライザーという機械を使って薬剤を吸入して炎症を抑える方法です。
手術では慢性副鼻腔炎や鼻中隔の弯曲、下鼻甲介など原因となっている鼻の疾患に対しての治療が行われます。
以下に各疾患ごとの治療法を詳しくご紹介していきます。
原因となる各疾患ごとの治療法
・副鼻腔炎
マクロライド系抗生剤少量長期服用が一般的な治療法です。
鼻の状態が正常になり、慢性化している炎症が治れば後鼻漏の症状も寛解します。
それでも改善しない、鼻茸がある、鼻中隔に強い弯曲があるなどの場合には手術が検討される場合があります。
・アレルギー性鼻炎
原因となっている抗原を少量ずつ投与する免疫療法が体質改善に対して有効な唯一の方法であるされています。
薬では抗ヒスタミン薬やステロイドの点鼻薬が使用されます。
これらの薬によって鼻の症状を緩和させることが可能となれ後鼻漏の症状を緩和させることが可能となります。
手術ではレーザーなどで粘膜を焼く方法が代表的な方法です。
・上咽頭炎
上咽頭炎の一般的な治療法はEAT(Epipharyngeal Abrasion Therapy:上咽頭擦過療法)です。
Bスポット治療とも呼ばれています。
この治療は口や鼻から綿棒や綿花を差し込み、上咽頭に希釈した塩化亜鉛(クロールチンク)を塗布するという方法です。
1度で劇的な変化が得られる治療法ではありませんので、長期に渡る治療を要します。
ですが、上咽頭炎によって生じる後鼻漏に対しては非常に効果的な治療法です。
・鼻中隔弯曲
鼻中隔弯曲はここまでに紹介したようなアレルギーや細菌感染によるものではなく、解剖学的な要因が元となっています。
先天的なものではなく、成長の過程で他の骨と軟骨の成長スピードの違いによって起こります。
よって、治療を行うには手術が必要となります。
手術は前述のような鼻中隔の弯曲を矯正するための手術や下鼻甲介を切除するような方法で行われます。
まとめ
後鼻漏の治療にはまずは原因となっている鼻の不調を改善させることが重要です。
その原因を改善し、鼻水の量が減れば必然的に後鼻漏の症状は寛解します。
後鼻漏で悩んでいるという方は諦めずに治療を考えて見てくださいね。
ちなみに、鼻をすすることは症状を悪化させることに繋がります。
こまめに鼻はかむように心がけて見てくださいね。