「ツボ押しって肩こり解消になる?」
「聞いたことはあるけどよく分からない・・」
「肩こり解消に効くツボが知りたい!」
肩こりに悩んでいる方であれば“ツボ”って何となく聞いたことがある方も多く、実際に試したことがある!という方も少なくないかと思います。
ある調査では、ツボ押しを受けたことのある方は6割にものぼるとされています。
しかし、じゃあ「ツボって何?」「ツボはただ押していればいいの?」など詳しい事が分からないために、うまく効果を発揮できない・・というお話もよく耳にします。
そんな経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
この記事ではそのような“ツボ”と“肩こり解消”のために役立つお話をご紹介していきます。
読んで頂いた方に、もっと詳しくツボについて知って頂き、肩こり解消にお役立て頂ければと思います。
ツボって何なの?
“ツボ“とは東洋医学の考えに基づくものです。
東洋医学では全身を気(エネルギー)と血(体液)が流れており、それらが循環することで体のバランスが保たれているとされています。
そして、気と血の通り道が「経絡(けいらく)」と呼ばれるものです。
この「経絡」が電車でいう線路であるとすれば、駅にあたるものが「ツボ」(別名:経穴(けいけつ))なのです。
東洋医学では経絡が何らかの滞ってしまうと病気になると考えられており、ツボは滞りを解消するために利用されます。
そうすることで気血の流れをスムーズにして体のバランスを正常に戻すことが出来れば、症状が改善するということです。
ツボの効果が知りたい!
ツボが働きかけることで得られる一番の効果は「自律神経」の調節作用です。
自律神経は血圧や呼吸、体温などを調節する人体の生命維持に欠かせないもので、自律神経が乱れてしまうと内臓の働きが悪くなってしまいます。
ツボを刺激することで肩こりの原因となる血行不良や内臓疲労の改善が期待でき、肩こり解消の手助けが出来るのです。
また、自律神経は睡眠にも大きく関係してきます。
睡眠の質が悪くなると体の疲れが抜けず何を行ってもなかなか肩こりが解消しないという悪循環に陥ってしまいます。
ツボを刺激して自律神経を調節することが出来れば良質な睡眠を取ることが出来るようになり、肩こり解消につなげることが出来るのです。
ツボで肩こり解消って科学的根拠があるものなの?
実際に現場で働いていると「肩こり解消にツボが有効だというけれど、東洋医学は科学的根拠がないと聞くし、なんだか怪しい・・」というように感じている方も少なからずいらっしゃいます。
その気持ちは私にも分かります。私も勉強するまではそう感じることもありました。
確かに今現在、東洋医学に科学的な根拠はありません。
しかし、根拠があればそれが正しい、根拠がなければ間違っているということではありません。
例えば、様々なデータを集めて治験を繰り返した薬がありますよね。
それらの研究から科学的根拠はあるのですが、効く人と効かない人がいます。
反対にただの小麦粉でも「よく効く薬だよ」と言われて飲むと病気が治るという場合もあるのです。
これはプラセボ(プラシーボ)効果と呼ばれていますが、科学的根拠はありません。
肩こり解消に対するツボの位置付けもこのようなものと考えて頂いて、敬遠せずにぜひお試し頂ければと思います。
正しいセルフツボ押しの方法!
ツボはただ適当に押していれば肩こりが解消するというわけではありません。
ここでは実際にツボ押しを行う際に覚えておいて頂きたいポイントをご紹介しますので
ご自身で行う際には注意してみてください。
・何を使う?
ツボ押しを行う際に使うのは親指の腹が一般的です。
強く押したい場合にはペンのおしりなどを使用しても良いですが、押しすぎには注意しましょう。
肩の部分など自分で押すことが難しい場合には撫でるだけでもOKです。
人差し指・中指・薬指の3本を使って優しく撫でましょう。
他にも押したい部位によって、つまようじのおしりを利用したり、市販のツボ押しグッズなどを利用するという方法もあります。
・押し方
1回につき3〜5秒をかけて押します。
これを5〜7回ほど繰り返すというのが基本の方法です。
呼吸にもコツがあり、押すときは吐きながら、離すときは吸いながら行うようにすると筋肉が緩んでいる時にうまく刺激を入れることが出来ます。
もうひとつ、大事なことは意識を集中させるということです。
ツボ押しを行うことで肩こりが解消していくようなイメージをしながら行う事でツボ押し効果が高まります。
・禁忌
飲酒時や食後はツボ押しは避けた方が良いとされています。
飲酒時はツボ押しを行うことで血流が良くなりすぎてお酒が回りやすくなり、食後には胃の消化機能が落ちるためです。
また、妊娠中のツボ押しにも注意が必要です。
妊娠中のつわりなどの症状を和らげてくれるなどの効果がある一方で子宮を収縮させるなど悪影響を及ぼす可能性があるとの報告もあるからです。
妊娠中にツボ押しを行う際には注意してください。
ここを押してみましょう!とっておきの5つのツボ
・肩井(けんせい)
乳頭から肩の方へ辿っていき、肩の1番高い部分にあるのが「肩井」です。
押すと痛みがある部分があればそこを押してみましょう。
・中府(ちゅうふ)
鎖骨外側の端の下部分にくぼみがあります。そこから親指1本分下に中府はあります。
その周囲で痛い部分にあたればそこが中府です。
・合谷(ごうこく)
手の甲の親指と人差し指の骨が交わる手前の人差し指側にあります。
合谷は肩こり以外にも様々な効果が期待できる万能なツボです。
・手三里(てさんり)
肩こりに効く代表的なツボです。
手三里は肘を曲げた際に出来るしわの最終から指2本分下の部分にあります。
・頭部のツボ
頭部には沢山のツボがありますので、両手の指先を使用して生え際から後頭部へ軽くさするように刺激してあげましょう。
頭部の経絡は全て首や肩を経由して流れていますので、頭部のツボを刺激することは肩こり解消に効果的なのです。
買ってよかったツボ押しグッズ!
市販のツボ押しグッズで皆さんが使用して良かった!というものをまとめてご紹介します。
・肩甲骨の間をグリグリ出来る定番グッズ!
傘の柄のような部分で肩甲骨の間のツボを刺激出来る商品です。
持ち手がラバーになっていたり、先端に玉が付いているもの、金属製でしっかり押せるものなどそれぞれに工夫が凝らされています。
可能であれば試してみたり、インターネットの口コミなどを参考にして購入してみてください。
・首を両側から挟んで押圧出来るグッズ!
U字型になっており、カーブ部分に突起が付いています。
テレビを見ながらや寝る前にグーッと挟んでツボを刺激することで肩こりが解消された!という方が多くいらっしゃいます。
押すかくどを変えることで押圧の強さや当たり方を変えることが出来ます。
・まくら型ツボ押しグッズ!
寝た状態で首や肩の部分に突起が当たるように設計されており、寝るだけの自重でツボ押しが出来るというグッズです。
寝たままで行える手軽さと力を入れずに行うことが出来るという点から人気のあるグッズです。
まくらの高さや突起の場所、素材の柔らかさなどこちらも様々な種類のものが販売されていますので、実際に見たり他の方の評価も参考にして見てください。
ツボ押しグッズは何気なく使用しがちですが、自分の手で行う時と同じように集中して肩こりが解消していくようなイメージを持ちながら行って見てくださいね。
行いすぎは反対に肩こりが悪化する可能性がありますので注意してください。
ツボで解消しない肩こりは何?
ここまでツボの効果や押し方コツについてご紹介しましたが、それを行っても解消しない肩こりに悩んでいる方もいらっしゃいます。
そのような場合に考えられることは
・ツボ押しで解消される範囲を超えて肩に疲労が溜まっている
・そもそもの姿勢が悪く、解消されない
・他に肩こりの原因となる疾患が隠れている
このようなことです。
ツボは万能なものですが、全ての肩こりがツボ押しだけを行うだけで解消するとは限りません。
ツボ押しのみで解消しない肩こりの場合には他にも生活習慣に改善の余地はないか、自分で対処する以外にも病院で診察を受けてみる、整骨院や鍼灸院など肩こりを得意としている専門の施術所へ行ってみるなど工夫をしてみてください。
意外な肩こり解消への近道が見つかるかもしれません。
まとめ
いかがでしょうか?
ツボをはじめとする鍼灸には2000年以上の歴史がありますが、近年になって統合医療の重要な位置付けとして世界的に注目され始めています。
ツボを利用して肩こりを解消させるには「正しい方法で行う」「集中して行う」といったポイントが重要となってきます。
せっかく行うのであれば、最大限に効果を出せるようにしてみてくださいね。
いくら行っても解消されない肩こりは他に病気が隠れている可能性もありますので、一度きちんと病院で検査を受けてみることも良いかもしれません。
何をやっても解消されない肩こりにお悩みの方で整体を試してみたい!という方はお気軽に当院までご相談くださいね。