女性特有の腰痛3つの原因【腰痛に悩む女性必見】

生理不順やホルモンバランスの乱れは腰痛の原因になる?
妊娠中や産後の腰痛はずっと続くのか不安・・
このように腰痛でお悩みの女性は多いのではないでしょうか?
この記事では女性ならではの腰痛について詳しくご紹介します。
腰痛に悩んでいる女性の方の参考になれば幸いです。

<女性に多い腰痛の3つの原因>

1 女性ホルモンの変化
2 女性特有の病気
3 生活習慣
 
大きく分けるとこれら3つの原因が女性の腰痛には関係しているとされています。
以下に1つずつ詳しく説明していきますので参考にしてみてください。

1 女性ホルモンの変化によるもの

・生理中や生理前の腰痛

この時期の腰痛には排卵前から生理前に分泌が増えるプロゲステロンというホルモンが関係しています。
プロゲステロンには経血を体外へ押し出すために子宮を収縮させる作用があります。
この子宮収縮時の痛みが腰痛のように感じるのです。

・妊娠中、出産後の腰痛

妊娠中にはリラキシンという関節や靭帯を緩める作用があるホルモンが分泌されます。
もちろん骨盤にも作用しますので、今まで以上に腰の筋肉に負担がかかり、腰痛の原因となります。
妊娠中の腰痛をケアするためには出来る範囲で骨盤や周囲の筋肉をほぐしてあげることが有効です。
産後は赤ちゃんのお世話などで前かがみになる姿勢が多いことが大きな要因ですが、産後半年間はリラキシンが出るので、その影響もあるとされています。
また、産褥期と呼ばれる産後1か月の間にゆっくりと休息をとれなかったという方も体の疲労が抜けにくく、腰痛が起こりやすいということも考えられます。
動けるからと言って無理をせず、家族のため、自分のためにも産後はできる限りスローペースでご自身の体調の回復に努めましょう。

・更年期の腰痛

女性ホルモンのひとつであるエストロゲンには自律神経を整えたり、代謝機能の維持、肌や髪の毛の調子を整える効果があります。
更年期に差し掛かり、卵巣機能が低下してこのエストロゲンを始めとする女性ホルモンが減少することによって腰痛が起こります
また、エストロゲンは骨の密度を保つ作用も担っています。
女性ホルモンが低下して骨密度が低くなってしまうと骨粗鬆症になる危険性も高くなります。
誰でも年齢を重ねると腰回りの筋肉が加齢により弱くなることも考えられ、使われない筋肉が硬くなることで痛みを発症します。
昔は腰痛を感じなかったのに年齢を重ねてから腰痛が起こるようになったという方は注意が必要です。

・月経前症候群(PMS)

月経前症候群とはその名の通り、月経前に身体のみではなく精神的にも不調が出る症状で
身体症状:腰痛の他に頭痛や下腹部痛、にきび、食欲亢進、便秘や下痢など
精神症状:疲れやすい、怒りっぽくなる、不眠、孤独感、涙もろくなるなど
このような症状が現れます。
月経前症候群は排卵を境に起こることが多いとされていますので、排卵から月経までの時期に腰痛が出ていればその腰痛の原因は月経前症候群かも知れません。

2女性特有の病気

・子宮筋腫
・子宮内膜症
・卵巣嚢腫
・子宮がん

このような病気が原因で腰痛が出ている可能性もあります。
以下にそれぞれの病気について詳しく説明していきます。

・子宮筋腫

子宮筋腫とは子宮に良性のこぶのようなものが出来る症状を指します。
このこぶがだんだん大きくなると数十cmにもなり、この大きくなったこぶが腰の筋肉や神経を圧迫して腰痛の症状を出している可能性があります。
ただし筋腫が小さいうちは問題にはならず、気づかない方も多くいらっしゃいます。
大きい場合には手術によって摘出しなければいけない場合もあります。
筋腫が出来る部位によって3つのタイプに分けられており、
1・内側の子宮内膜に向かって発育したもの=粘膜下筋腫
2・子宮の筋層の中で大きくなったもの=筋層内筋腫
3・子宮の外側に向かって発育したもの=漿膜下筋腫
と分類されています。
この3つのタイプの中で一番症状を感じやすいものは粘膜下筋腫であるとされています。

・子宮内膜症

子宮内膜症とは本来子宮の内側を守っている子宮内膜が卵管や卵巣、腹膜、腸など本来あるべき場所以外に子宮内膜が増殖し、子宮内膜と同様の働きをしてしまう病気です。
最近は月経のある女性のなかで10人に1人が発症していると言われるほど多い疾患です。
子宮内膜の出来やすい部位として「卵巣」があります。
卵巣に子宮内膜が出来てしまって血液がたまっている状態をチョコレート嚢腫と言います。
チョコレート嚢腫は症状が進むと月経時以外にも腰痛の症状を感じるようになります。
もうひとつ出来やすい部位に「卵管」があります。
卵管に子宮内膜が出来てしまうと卵管を塞いでしまうことで妊娠しにくくなったり、子宮外妊娠の可能性も出てきます。
子宮内膜症は自分自身の自覚症状ではなかなか気が付きにくい症状ではありますが、腰痛の他に下腹部の痛みや違和感があれば子宮内膜症を疑って婦人科を受診してみても良いかもしれません。
そのまま放っておくと悪化して不妊の原因になることもあります。

・卵巣嚢腫

卵巣嚢腫の初期は痛みや症状はほとんどありません。
ですが、症状が進行し、嚢腫がこぶし大になると近くの部位を圧迫して症状が出るようになります。
腰痛の他には膀胱や腸の圧迫によって頻尿や便秘・むくみなどの症状が出る場合があります。
卵巣嚢腫が5~7㎝の大きさになると、卵巣の根元が回転してしまう「茎捻転」が起こることがあります。
茎捻転を起こすと激痛を伴い、放っておくと卵巣が壊死してしまう怖い状態ですので、緊急手術が必要となります。

・子宮がん

子宮がんには子宮頸がんと子宮体がんの2種類があり、前者は妊娠可能年齢の女性、後者は閉経後の女性に多いとされています。
子宮頸がんは初期症状としては性交時の出血・不正出血・おりものの異変が出てきます。
はじめは浅くても最終的には骨盤からのリンパ節や血管を通して子宮以外の場所へ転移する可能性があります。
子宮体がんは発見されにくいがんのひとつで、最終的には腹部の全体にまで広がってしまうと言われています。
はっきりとした症状が出てきた場合にはがんが浸潤している可能性があります。
腰痛の症状以外にも不正出血がある・おりものに異常がある・性交時に出血があるなどといった症状がある場合には一度病院で検査をしてもらいましょう。

内臓が原因となっている場合には安静にしていても痛みがある、月経時の痛みや出血が今までと違う、腹部の膨満感があるなど今までとは違う症状が出ることがあります。
心当たりのある方は放って置かずに産婦人科を受診するようにしてください。

3 ヒールの高い靴

女性であれば仕事やプライベートでヒールのある靴を履かなければいけないということもあるかと思います。
ヒールで腰痛が出るという方の場合、姿勢や歩き方の問題で腰や骨盤を支えるための筋肉や膝、足首を安定させる筋肉が弱くなっている可能性があります。
ヒールで歩いている女性を見るとどうしても前かがみになっていたり、膝が曲がってしまっている方を多くお見かけします。
このような姿勢になってしまうと前にいった体をまっすぐに戻そうとして常に腰に負担のかかった状態になってしまいます。
そのような状態で長時間続くと腰痛の原因となってしまいます。
また、上記のように腰に負担のかかった状態が続くと体のバランスが乱れてしまいます。
足を組む・猫背になっているという方は体のバランスが乱れてしまっていますので、腰痛以外の症状も起きてしまう可能性があります。

冷え性も関係している

女性は男性に比べて冷え性の方が多いですが、それも腰痛には関係しています。
そもそも女性に冷え性が多いのは男性に比べて筋力が少なく、エネルギーを作り出す能力が低いこと。
それに加えて子宮や卵巣への血液供給があるので血液量が少なく、冷えやすいことなどが考えられます。
筋肉の収縮・弛緩や血管の収縮・拡張は自律神経によってコントロールされていますが、体が冷えると、自律神経のうちの交感神経が活発になり、筋肉や血管を収縮させて体温が下がらないように働きます。
子宮や卵巣は位置的にも腰の近くになるので、血液不足に陥り冷えてしまうと腰痛の症状が出ることが考えられます。
冷え性があって腰痛に悩んでいるという女性の方はまず食生活などの生活習慣を見直してみましょう。

女性ならではのストレスも腰痛原因のひとつ

ここでいうストレスは精神的なものだけではなく、身体的なストレスも含みます。
例えば、毎月やってくる生理によるホルモンバランスの変化・加齢による体の変化・ダイエット思考による栄養や食生活の乱れなど。
このようなストレスが積み重なり、慢性的な腰痛も何年も抱えているとストレス耐性も弱くなり、以前にも増して腰痛がひどくなる。。なんてこともあり得るのです。
ストレスからくる腰痛には
 
・検査をしても原因がはっきりと分からない
・痛みが慢性的にある
・痛みの場所は一定ではなく変化する
・その日の気分によって痛み方にばらつきがある
 
このような特徴があります。
ストレスからくる腰痛の治療には整形外科での治療などに加えて心療内科や精神科での治療を勧められる場合があります。
腰痛の症状は体からの何らかのSOSです。
その原因となっていることは何なのか、という事も少し考えてみると本当の腰痛の原因が見えてくるかもしれません。

まとめ

腰痛の発症率に男女差はありませんが、発生の原因にはそれぞれ違いがあります。
腰痛の8割が原因不明であるとされている中で必要なことはご自身の体をよく知って変化に気づいてあげる事です。
それに気づくことが出来れば、ご自身の腰痛の原因を知って対処出来るかもしれません。