原因の分からない腰痛にお悩みの方であれば一度は耳にしたことがあるかもしれない“内臓が原因となる腰痛”。
このようにご自身の腰痛の原因がもしかすると内臓にあるのではないかと不安になっていませんか?
この記事では”腰痛”と”内臓疾患”の関係性についてご紹介します。
具体的にどのような症状があれば内臓が原因の腰痛を疑うのか、そもそも内臓と腰痛にどのような関係性があるのかなどのお話を詳しくご紹介していきます。
お困りの方は参考にしてみてくださいね。
どうして内臓疾患が原因で腰痛になるの?
内臓で異常が起きて痛みが発生しているという情報は背骨の中心を通っている脊髄を介して脳へと伝達されます。
その途中で内臓での痛みの情報が腰で起きてしまっていると脳が感じてしまうことで内臓疾患の場合でも腰に痛みを感じる場合があるということです。
このように内臓の痛みなのに腰に痛みが起こっているように感じることを関連痛と呼び、内臓が原因の腰痛が起こる仕組みとなっているのです。
普通の腰痛とどう違う?
内臓疾患由来の腰痛で見られる症状の特徴をご紹介します。
- じっとしていても痛みがある。楽な体勢がない。
- お腹が空いたら、食事をとったらなど食事のタイミングと関連して腰痛が起こる。
- 血尿が出ることがある。
- 急に出てきた症状、もしくは悪化していっている。
- 女性の場合、生理の際などに痛みが悪化する。
一般的にはこのような特徴が見られれば内臓疾患由来の腰痛である可能性があるとされています。
次に腰痛以外に出る特徴を各内臓ごとにご紹介します。
1番多いのは腎臓の不調からの腰痛
ですので、腎臓に不調がある場合には腰痛の他にも全身のむくみや高血圧といった症状が出ます。
病名で言うと“腎盂腎炎(じんうじんえん)”“尿路結石”などが腎臓の病気に当たります。
・腎盂腎炎
若い女性や子どもに多く見られる疾患で、高熱を伴うことが多いです。
腰痛は左右のどちらか、炎症を起こしている腎臓側が痛む場合がほとんどです。
血液検査や尿検査で確定診断され、軽症であれば抗生物質の内服で症状が緩解します。
・尿路結石
“尿路結石”は小さな石が腎臓から尿管を通過中に詰まってしまうものです。
若い男性に起こることが多く、深夜や早朝に突然腰の辺りに強い痛みが出現します。
こちらも詰まっている左右どちらかの尿管部分に症状が出る場合がほとんどです。
強い鎮痛剤が必要となりますが、1度症状が治まると何事もなかったかのように腰痛の症状もなくなり、その後は放置されているということが多いようです。
また、このように腎臓と関わりが深い泌尿器系にトラブルがある場合には血尿など尿の色に変化が出ることもありますので注意が必要です。
動作においても先程はお伝えしましたようにじっとしていても痛みはあり、体の中の方に響くような鈍痛がある場合が多いです。
腎臓は非常に我慢強い臓器です。
ですので、見つかった時には慢性化しているという場合も少なくありません。
怪我をした記憶がないのに上記のような症状に心当たりがある腰痛は早期に病院で検査を行ってもらいましょう
その他で腰痛の原因となり得る内臓疾患
◯肝臓疾患
腰痛の他には
・顔色が悪い
・倦怠感
・食欲の低下
を伴うことが多いですが、肝臓はなかなか症状が出にくい臓器です。
もともと腰痛がある方にとっては気付きにくい部分です。
◯血管疾患
大動脈とは体内で最も太い血管で、胸部〜腰部まで続いています。
この血管にコブが出来、それが破裂してしまうとほとんどの確率で死に至ります。
大動脈の腰部の部分に異変があれば腰痛が出る可能性がありますが、症状が出た際には破裂する可能性が高い状態になっていて緊急を要する段階であることが多いとされています。
女性特有の腰痛を伴う内臓疾患にも注意!
主な疾患名としては子宮筋腫・子宮内膜症・卵巣嚢腫などがあります。
これらも関連痛で、子宮などの部位の痛みを腰部に感じることで起こる腰痛です。
これらの疾患は若い方にも多く見られ、ホルモンバランスの乱れから生理の期間などに痛みが悪化するという傾向があります。
生理痛も1度の鎮痛薬でおさまる程度の腰痛であれば問題ないのですが、日常生活に支障に来たすような腰痛であれば注意しておきましょう。
注意が必要なものとしては
・痛みが徐々に強くなっている
・寝込むほどの腰痛を含む生理痛
・鎮痛剤の量の増加
このようなことに心当たりがあれば1度病院で検査をしてもらいましょう。
また、子宮外妊娠のような妊娠期の異常や臓器のガンによって腰痛の症状が現れるということも考えられます。
この場合には不正出血など腰痛以外の自覚症状があることも多いので、気になることがあれば早めに医療機関を受診するようにしましょう。
内臓に原因のある腰痛は見逃されやすい!
患者さんも腰痛と高血圧など一見関係のなさそうな症状であれば気にすることはなく、ドクターもそこまで細かく聞かない場合もあります。
総合診療科では、様々な症状を聞いた上で患者さんに合った診療科を紹介してくれるでしょう。
内臓が原因の腰痛・・予防策は?
ここまでお読み頂いて何となく感じている方もいらっしゃるかと思いますが、内臓が原因の腰痛はどの臓器が原因となっているかに関わらず、“気付きにくい”という特徴があります。
ですので、重要なポイントは“予防”なのです。
ここでは内臓が原因の腰痛を予防するための方法を3つ、ご紹介します。
1・適度な運動を行う
急に激しい運動を行わなくても大丈夫です。
むしろウォーキングのような有酸素運動を行った方が体の血流量が増え、内臓の負担も軽くなると考えられています。
また、脳の血流量が増えることで痛みの抑制物質の分泌量も増えるとされています。
2・ストレスを溜めない工夫をする
「ストレスがかかると胃が痛くなる・・」といった経験、ありませんか?
実はあの現象も胃が疲労し、腰痛を引き起こす原因となっているのです。
生活の中で少しでもリラックス出来る時間を作るように心がけてみてください。
3・食生活に注意する
私が担当している腰痛患者さんで食事は3食インスタントという方がいらっしゃいました。
これを可能な限りやめて頂くことで腰痛の症状がみるみる良くなったのです。
患者さんもそこまで変わるとは思っていなかったらしく、非常に驚いておられました。
それほど食生活というのは内臓と深い関わりがあり、腰痛の原因にもなり得るのです。
「内臓が原因の腰痛に悩まされるのが嫌だ」という方は日々の食生活でバランスの良い食事を心がけてみてくださいね。
ここに挙げた例は腰痛予防にはもちろん有効ですが、それ以外にもあなたの体にとって良い影響を及ぼすことばかりです。
そして、「すでに内臓が原因の腰痛に悩まされている」という方にも効果があることですので、ぜひ日々意識してみてくださいね。
病院で異常が見つかるとは限らない!
先ほど胃の疲労のお話でご紹介しましたように、内臓の疲労から腰痛が起こるということも珍しくありません。
このような内臓の疲労から起こっている腰痛の場合には病院で検査を行っても異常は見つからず、“原因不明”や“ストレス”という言葉で片付けられてしまうのです。
腰痛の8割が原因不明と言われている中で、薬や病院での診断名に頼らずにご自身の生活習慣などから内臓に負担をかけるようなことがないか、改善点がないかということを考えてみるというのも大切なことです。
心当たりのある方は意識してみてくださいね。
まとめ
1番危険な事は痛み止めを服用する事で騙し騙し日常生活を送る事です。
痛みは体からの重要なSOSのサインです。
普段と違う腰痛がある場合には病院に行く、まずは何かご自身で対処をしてみるなど何か行動を起こしてみてください。
もともと内臓が原因の場合には症状に気付きにく場合が多いので、大事なことはそのサインを見逃さないようにすることです。
病院で検査をしても分からない、なんとなく腰も内臓の調子も悪い気がするけど病院に行くまででもない・・という方は整体でも対処出来ることがありますので、お気軽にお問い合わせくださいね。