頚椎椎間板ヘルニアは首や肩の痛みだけでなく、めまいやふらつきといった症状を引き起こすことがあります。
本記事では、なぜめまいが起こるのか、その原因や症状の特徴を解説し、整体でできる改善アプローチについてもわかりやすく紹介します。
頚椎椎間板ヘルニアとは
頚椎椎間板ヘルニアとは、首の骨と骨の間にある「椎間板」というクッションが飛び出してしまい、神経を圧迫する状態をいいます。
椎間板は本来、衝撃を吸収しスムーズに首を動かすための役割を持っています。しかし、加齢や姿勢の崩れ、長時間のデスクワークなどで負担が続くと椎間板が変性し、飛び出した部分が神経や血管を圧迫します。その結果、首や肩の痛み、しびれに加えて「めまい」といった症状を引き起こすことがあります。
頚椎椎間板ヘルニアでめまいが起こるメカニズム
頚椎椎間板ヘルニアによるめまいは、主に2つの仕組みで起こります。ひとつは神経圧迫による自律神経の乱れ、もうひとつは首の血管(椎骨動脈)の圧迫による血流障害です。ひとつずつくわしく解説します。
神経圧迫による自律神経の乱れ
首の神経は自律神経ともつながっており、圧迫や炎症が起こると全身のバランス調整機能に影響します。自律神経が乱れると「フワフワする感覚」や「地に足がつかない感じ」といった非回転性のめまいが出やすくなります。特に長時間同じ姿勢を続けたあとや、ストレスが強いときに症状が悪化しやすい傾向があります。
血流障害による脳への影響
首の後ろを通る椎骨動脈は、脳幹や小脳に血液を送る重要な血管です。椎間板の突出や首の角度によってこの動脈が圧迫されると、一時的に血流が滞り、めまいやふらつきが生じます。下を向いたときや急に立ち上がったときに「クラッ」とする症状は、この血流障害が関与していることがあります。
頚椎椎間板ヘルニアでめまい以外に併発しやすい症状
頚椎椎間板ヘルニアでは、めまいだけでなく首・肩・腕にかけて多様な症状が現れることがあります。放置すると日常生活に大きな支障をきたすため、併発しやすい症状を理解しておくことが大切です。ここでは、めまい以外に併発しやすい症状について解説します。
首・肩・腕の痛みやしびれ
首から腕にかけて走る神経が圧迫されることで、首や肩のコリ、腕や手指のしびれが出やすくなります。
特に親指から人差し指にかけてのしびれは典型的な症状です。
吐き気・耳鳴り・ふらつき
自律神経の乱れが強い場合、めまいと一緒に吐き気や耳鳴り、ふらつきが現れることがあります。
これらの症状が続くと、日常生活や仕事に大きな支障をきたすこともあります。
頚椎椎間板ヘルニアでめまいが起こるときの医療機関での診断方法
頚椎椎間板ヘルニアによるめまいが疑われる場合、医療機関では画像検査や神経学的検査を組み合わせて行います。
画像検査
MRIやCTは、椎間板の状態や神経・血管への圧迫の有無を確認するために欠かせません。
- MRI:椎間板の変性や突出の程度、神経圧迫の有無を詳しく把握できます。めまいの原因が神経や血流の問題なのかを確認する際に有効です。
- CT:骨の変形や骨棘(こつきょく:骨のトゲのような変化)の有無を調べるのに適しています。
画像検査によって、めまいが頚椎由来なのか、それとも耳や脳に原因があるのかを切り分けることが可能になります。
神経学的検査
医師が直接手で触って行う基本的な検査です。
- 腱反射のチェック
- 上肢や下肢の筋力テスト
- しびれや感覚の低下がないかを確認
これらにより、どの神経に障害が出ているのかを把握できます。特に「手足の力が入りにくい」「感覚が鈍い」といった症状は進行度を判断する重要な材料です。
頚椎椎間板ヘルニアでめまいが起こるときの一般的な治療法
整形外科で行われる治療は、症状の程度によって段階的に選択されます。
ここでは、「保存療法」「薬物療法」「手術が必要なケース」に分けてひとつずつ解説します。
保存療法
多くの場合、まずは保存療法が選択されます。
- 安静:急性期は無理な動作を避ける
- 頚椎カラー:首を固定し、椎間板への負担を減らす牽引療法:神経圧迫を軽減し、血流を促す
- 温熱療法や電気療法:筋肉の緊張を緩和し、血流改善を図る
症状が軽度から中等度であれば、この保存療法で改善するケースが多くあります。
薬物療法
薬物療法は、症状の緩和を目的とした治療法です。
- 消炎鎮痛薬(NSAIDs)で炎症や痛みを抑える
- 筋弛緩薬で筋肉の緊張を和らげる
- ビタミンB12製剤で神経の修復を助ける
薬は根本治療ではありませんが、急な痛みやしびれ、めまいの辛さを軽減する役割を担います。
手術が必要なケース
次のような症状がある場合は、外科的治療が検討されます。
- 手足の力が極端に入りにくい(筋力低下)
- 歩行困難や排尿障害がある
- 強いめまいやしびれが続き、日常生活に大きな支障がある
手術は突出した椎間板を取り除き、神経や血管への圧迫を解放するのが目的です。
頚椎椎間板ヘルニアでめまいが起こるときのセルフケア
頚椎椎間板ヘルニアによるめまいは、生活習慣や体の使い方を見直すことで軽減できる場合があります。 ここでは、日常生活の中で取り入れやすいセルフケア方法を紹介し、症状悪化を防ぎながら回復をサポートするポイントを解説します。
姿勢改善
スマホ首や猫背は、頚椎に大きな負担をかけます。そのため、下記のような姿勢改善を積み重ねることで、首の負担が軽くなり、めまいの症状緩和にもつながっていきます。
- スマホは顔の高さに上げて見る
- デスクワークはモニターを目線の高さに調整
- 背もたれに深く座り、骨盤を立てる意識を持つ
小さな習慣の積み重ねで、頚椎への圧力を軽減できます。
首のストレッチ・体操
軽めのストレッチは血流改善に有効です。
- タオルを首の後ろにかけて、軽く前に引きながらあごを引く(頚椎の安定をサポート)
- 肩をすくめてからストンと落とす運動(肩の緊張を解消)
- 肩甲骨を寄せる体操(背中の血流改善)
※痛みが強いときは無理をせず、必ず医師・専門家に相談しましょう。
サポーターなどのグッズ系
サポーターなどのグッズは、首や肩の負担を一時的に和らげる補助的な役割を果たします。
- 頚椎カラー:一時的に首を安定させ、動きを制御する
- 枕の調整:高すぎる枕は首を圧迫するため、低めで自然な姿勢を保てるものを選ぶ
- インソールや姿勢サポートグッズ:全身のバランスを整えることで首の負担も軽減
こうした工夫で、首にかかるストレスを減らすことが可能です。
頚椎ヘルニアのセルフチェック
症状チェックポイント
次のような項目に当てはまる方は、頚椎ヘルニアによるめまいの可能性が考えられます。
✅ 朝起きた直後にふらつきを感じる
✅ 首を動かすと頭がグラつく
✅ 肩や腕にしびれやだるさがある
✅ 頭痛や後頭部の重さが頻繁にある
✅ スマホやPCを長時間使ったあとに気分が悪くなる
2つ以上当てはまる方は、早めの対処が必要です。
医療機関に相談すべき症状
以下のような症状がある場合は、整骨院だけでの対応では不十分な場合があります。
- 手足の力が入りにくい(筋力低下)
- 排尿障害や歩行困難
- 吐き気をともなう激しいめまい
- 顔のしびれや構音障害(呂律が回らない)
早期に医療機関へ相談しましょう。
みゅう整骨院で行う手技療法とアプローチ
筋緊張と自律神経のバランスを整える
頚椎ヘルニアによるめまいの多くは、筋肉の過緊張と神経の過敏状態が原因です。
当院では、以下のようなアプローチを行います:
- 頚部・肩・背中の筋膜リリース
- 背骨や骨盤のバランス調整
- 自律神経の安定を促す手技療法
体全体の緊張を緩めることで、首への圧力を減らし、神経や血流の流れを改善します。
血流改善と神経圧迫の緩和
当院の施術では、特に椎骨動脈の圧迫解除と脳への血流回復に重点を置いています。
- 首の角度を調整しながらの手技
- 肩甲骨まわりの可動域を広げる調整
- 呼吸と連動させたリズム整体
これにより、フワフワ感やふらつきの軽減を早期に実感いただけるケースも多くあります。
頚椎に負担をかけない全身調整
首だけを施術しても、根本的な改善にはつながりません。
そのため当院では、
- 姿勢バランス(猫背・骨盤の傾き)
- 足元の安定(インソール・足首調整)
- 内臓の働き・循環系への配慮
など、全身のコンディションを整えることで頚椎への負担を減らすことを大切にしています。
頚椎ヘルニアによるめまいの症例紹介と患者様の声
めまいに悩んだ患者様の改善例
◆ 40代女性|看護師
「毎朝のふらつきが辛く、病院でも異常なしと言われて不安でした。こちらで3回目の施術後、朝のめまいがほとんどなくなりました。」
◆ 60代男性|元建設業
「首の痛みと一緒に、下を向くとクラッとする症状が続いていました。5回ほどの施術で、首が軽くなり、めまいも消失。仕事も再開できました。」
よくある質問
Q. ボキボキ鳴らす矯正はしますか?
A. 当院では行っておりません。筋肉と関節に優しいソフトな施術です。
Q. 病院と併用しても大丈夫?
A. もちろん可能です。画像診断結果を参考に、施術プランを立てることもあります。
Q. どのくらいで改善しますか?
A. 早い方は初回で変化を感じますが、根本改善には継続施術が必要です。
頚椎ヘルニアによるめまいが不安な方は早めに相談を
「めまいが続いているけれど病院では異常なし」と言われ、不安を抱えている方は少なくありません。
しかし、頚椎や筋肉のバランスを整えることで改善が期待できるケースは多くあります。
症状を放置すると悪化することもあるため、気になる方は早めに専門家へ相談することが大切です。
※ただし、自己判断は禁物です。痛みが強い場合や、症状が改善しない場合は、必ず医療機関を受診し、医師の指示に従ってください。
※ 免責事項
- 本記事の内容は、一般的な情報提供を目的としており、特定の治療法を推奨するものではありません。
- 個々の症状や状態に最適な治療法は、必ず医師の診断と指示に従ってください。
- 本記事の内容に基づいて行動し、万が一何らかの問題が発生した場合でも、当方では一切の責任を負いかねますのでご了承ください。