「産後の骨盤ベルトはどのようなものがおススメ?」
「そもそも産後の骨盤ベルトは使った方がいいの?」
「産後の骨盤ベルトは何のために必要?」
このように産後の骨盤ベルトのことでお悩みではないでしょうか?
産後の骨盤ベルトに関しては賛否両論があり、調べれば調べるほどわからなくなる・・ということもあるかと思います。
この記事ではそんな産後の骨盤ベルトに関して、種類や骨盤ベルトの使用に関しての情報をご紹介します。
骨盤ベルトのことでお悩みの方の参考になれば幸いです。
産後の骨盤ってどんな状態?
まずは産後の骨盤の状態を知っておきましょう。
妊娠中〜産後の約半年間は「リラキシン」というホルモンが出ます。
このホルモンには靭帯を緩ませる作用があり、出産後はほかのホルモンの作用によって靭帯は少しずつ元に戻っていきます。
骨盤は産後半年以内に締めて!と言われているのはこのリラキシンの影響です。
ちなみによく骨盤が開くと言いますが、骨盤はとても頑丈な靭帯で構成されているので、骨盤自体はあまり開きません。
ここで言う開くというのは主に恥骨の間の靭帯が緩む状態を指します。
それによって、骨盤の安定性が低下します。
産後の骨盤ベルト、どのような効果がある?
骨盤ベルトの1番の効果は骨盤を安定させることにあるとされています。
産後の開いた骨盤を支えるために使用しますので、普通の腰痛の際に使用するコルセットとは異なるものになります。
骨盤を安定させることは産後の体にとっては良いことで、次のような効果も期待できます。
①腰痛の予防
②代謝を上げる
③体型の改善
産後のベルトを使用して骨盤がしっかり締まり、本来の位置に戻ることによってこれらの効果が得られます。
また、骨盤が締まることで内臓の位置が元に戻ると内臓の負担も軽減し、産後の体の回復も早めることが出来るということも言われています。
ただし、骨盤ベルトを使用したからと言って必ずしもこれらの効果が期待できるというわけではありませんし、骨盤ベルトに頼ってばかりでもいけません。
この点に関しては後程ご説明していきます。
骨盤ベルトを巻く位置も大切!
骨盤ベルトを巻く位置を間違えている方が多くいらっしゃいます。
巻く位置を間違えて骨盤の上側で巻いてしまうと骨盤の開きを助長してしまうということもあり得ますので注意が必要です。
骨盤ベルトを巻く正しい位置は
・恥骨の真上
・太もも側面の出っ張り部分(大転子と呼ばれる部分)
ここを通る位置です。
もしも正しい位置を教わったことがなければ産科の先生や助産師さんに教えてもらうようにしましょう。
骨盤ベルトを巻く際の2つのコツと注意点
まずは骨盤ベルトを巻く際のコツについてです。
①巻くときはお尻を持ち上げて!
出来れば骨盤ベルトを巻く際には仰向けに寝転び、お尻を上げた状態で巻くようにしてください。
これは下垂している内臓や子宮を正しい位置に戻してあげるということです。
お尻を持ち上げずに立ったままで巻いてしまうと下垂している内臓がベルトによって圧迫を受け、体がしんどくなってしまう可能性がありますので注意が必要です。
②巻く強さは少し余裕をもって!
「骨盤ベルトを巻いてから腰痛がきつくなったんです・・」とおっしゃる方がいらっしゃいます。
もしかするとそのような症状のある方は骨盤ベルトを強く巻きすぎなのかもしれません。
骨盤ベルトは強く巻きすぎると本来動かなければいけない関節の運動まで止めてしまって負担がかかる場合や、血流が悪くなって痛みを引き起こしてしまいます。
目安としては寝転んだ状態で手がギリギリ入る程度が良いとされています。
そのくらいを目安に巻いてみてくださいね。
*注意点*
注意して頂きたいのは骨盤べルトがずれてきた時です。
「外出先でずれると巻きなおすのが面倒・・」「直してもすぐにずれる。」
このような理由で骨盤ベルトがずれた位置のままで放置しているとせっかくつけている骨盤ベルトの意味がなくなってしまいます。
何度やり直してもずれてきてしまうといった場合にはもしかすると着ける位置が間違っている可能性もあります。
着ける位置が正しいかどうかということも含め、ご自身の体に合う骨盤ベルトを使用してずれた位置のままで使用しないように注意してください。
産後の骨盤ベルトは必ずしないとダメ?
医療の現場では必ずしましょうというよりは、「した方がいい」という意見が多いです。
ホルモンの影響で靭帯が緩んでいる関節は安定性が悪いため、骨盤ベルトで支えてあげるといったイメージです。
近年の生活スタイルでは昔のようにしゃがむことが少なくなっていて筋肉量が少なくなっていると言われています。
そのため、靭帯が緩むと骨盤を支える筋力が耐えられないので、緩んだ靱帯の代わりに体を支えるために骨盤ベルトが推奨されるということです。
骨盤ベルトを使うデメリットもあります
実は、骨盤を支える靭帯の緩みは放っておいても勝手に戻ります。
ですが、骨盤ベルトで外から支えてしまうことで、筋力の戻りが遅くなるということが考えられます。
長期間にわたり骨盤ベルトを使用しているとベルトなしでは生活が出来なくなる、筋力がない為に体型が崩れるといったこともよくある話です。
骨盤ベルトを使用する際にはこのようなことも知っておいてください。
骨盤ベルトを選ぶ際のポイント!
① サイズが自分に合っていること
せっかくベルトを使ってもサイズが合っていないときちんと固定できません。
普段着ている服のサイズと骨盤寝るとのサイズは異なりますし、メーカーによっても変わってきます。
販売員のいる店舗で購入する場合にはサイズを測ってもらうと良いでしょう。
② 素材や伸縮性
硬い素材であれば固定力があり、ヨレにくいですが、分厚い。
柔らかい素材であればその反対であるように素材によって特性も変わってきます。
がっつり固定したいのか、補助的に使うのかなどといった日常生活での用途も骨盤ベルトの種類を決める基準となります。
産後の骨盤ベルト人気はこの3種類!
・1番人気はトコちゃんベルト
トコちゃんベルトは妊娠中〜産後、その後も使えるとして人気のある骨盤ベルトです。
少しお値段は高めで付け方もすこしコツがいりますが、耐久性、固定感はたくさんの方が実証済です。
市販はあまりされておらず、契約している産院などでのみ取り扱いがあります。
4種類のサイズがありますので、購入を考えている方は試着をして付け方を教えてもらいましょう。
・ワコールの骨盤サポートベルト
下着メーカーのワコールと日本助産師会の共同開発によって出来た商品で装着しやすく、使用感もよいのが特徴です。
お店やインターネットなどでも手軽に購入出来ますが、試着が出来る機会が少ないので、使用感をご自身で確かめることは難しいようです。
・犬印のマタニティベルト
妊娠初期〜産後までのインナーウェアを扱っているブランドです。
こちらもお店で手軽に購入が可能なものです。
他のベルトと比べて着脱が簡単といった意見が多いようです。
どれも使用感や効果に関しては実感しておられる方が多いものです。
あとはご自身で使ってみてぴったりフィットするものを使ってみてください。
骨盤ベルト以外の骨盤矯正方法
骨盤ベルトに関してはある程度お分かり頂けたかと思いますが、骨盤ベルト以外に骨盤のケアを行う方法はいろいろあります。
ここからはそれらの骨盤ベルト以外の骨盤のケア方法についてご紹介しますので、ケア方法を選ぶ際の参考にしてみてください。
・ウエストニッパー・ガードル
これらは基本的に骨盤矯正の効果もありますが、たるんだ皮膚をもとに戻すという作用があります。
ウエストニッパーやガードルを使用することでおなか周りのお肉が太ももや背中へ流れて皮膚がたるむことを防ぎます。
・骨盤体操
体操と聞くとなんだかしんどそうなイメージがあるかも知れませんが、産褥体操といって、産後すぐからでも始められるような簡単な体操があります。
産褥体操はベッドに寝たまま行うことが出来る体操で、産後の体の回復を早める目的があります。
すぐに目に見えて分かるような変化が期待される体操ではありませんが、その後の体の土台作りにもなりますので、ご自身の体調に合わせてゆっくりと行ってみてください。
・整体院やサロン
最近では産後の骨盤矯正に力を入れている整体やサロンがあります。
このような施設には託児サービスがある所もあり、お子様連れでも通いやすいように工夫されています。
骨盤の不安のみではなく、実際に妊娠中から腰痛がある方や、産後の尿漏れが気になるという方は骨盤のみではなく全体的に体を整えなければならないという場合もあります。
そのような場合やご自身で判断がつかないという場合には産後を専門にしている整体やサロンを利用するという方も多くいらっしゃいます。
・ヨガ・ピラティス
ヨガとピラティスは呼吸法や動作など様々な違いがありますが、基本的には体の使い方を再獲得するために有効とされています。
「産前よりも機能的で美しい体づくり」というような魅力的なキャッチコピーがあるように見た目の体型のみではなく、実際に動ける体づくりをすることが出来ます。
こちらも赤ちゃんと一緒に参加できるプログラムや託児施設が用意されていることも多いので、事前に調べてから受講してみるのも良いでしょう。
まとめ
いかがでしょうか?
産後の骨盤ベルトの使用には賛否両論があり、正解はありません。
産後の体の状態も人それぞれです。
みんながしているからする、ということではなく、状態を知った上でご自身が何のために骨盤のケアをしたいのか。
それを基準にしておくとよいかも知れませんね。
骨盤ベルトの使用に悩んでいるなど産後の骨盤に関して不明点があればお気軽に当院までご相談くださいね。