「自分の症状は産後うつではないかと不安に思っている。」
「産後うつに対して漢方薬は有効?」
「薬と漢方薬は何が違うの?」
産後うつは実は7人に1人の女性が経験しているとされています。
思ったよりも多いという印象ではありませんか?
症状を自覚していても、みんなこんなものだろう・・と我慢している方が多いことがその原因になっていると考えられます。
この記事では、産後うつに使用される漢方薬について焦点を当ててお話していきます。
授乳中だし、薬で治療をするのはちょっと嫌だな・・と悩んでいる方の参考にもなれば幸いです。
産後うつってどのような状態?
出産を終えた女性が産後の特に数か月間、ぐったりと疲れ切ってしまうのは普通の事です。
ただし、その症状が深刻であればあるほどに、産後うつの可能性は高いと考えられます。
具体的な症状としては
・気分の浮き沈みが激しくなる
・自分の赤ちゃんを可愛いと思うことが出来なくなる
・以前楽しかったことが楽しめなくなる
・自分はいいお母さんではないと不安になる
・不安に陥ってパニック発作が起きたような状態になる
・自分自身や赤ちゃんを傷つけるような行動に出る
このようなことが挙げられます。
そして、症状が2週間以上続いていることや育児をすることが難しくなっている状態であれば治療が必要となります。
これらの症状は一般的には1~3週間後に発症することが多いとされていますが、数か月後や1年後に発症する場合もあります。
産後うつに対する東洋医学の考え方
漢方は主に東洋医学の考え方で、その治療に用いられることの多いものです。
東洋医学では、体の健康は「気」「血」「水」の3つのバランスが上手く取れている状態とされています。
出産を終えた体はかなり疲弊し、「気」や「血」の不足、「水」の滞りが起こりやすい状態となっています。
特に「気」「血」の不足は気血両虚と言われ、元気がない・不安感や不眠が現れるなど産後うつで現れる諸症状を網羅していると言える状態となります。
このように3つのバランスが崩れて情緒不安定に陥り、放っておくと不妊や更年期障害にも繋がってくると考えられています。
漢方薬はこのようなもの
漢方薬とは生薬と呼ばれる植物や動物、鉱物の2種類以上を使用して作られているものです。
そして漢方薬の基本は体の一部分にスポットを当てるのではなく体全体の状態を整える点です。
この考え方は漢方薬や鍼灸、食養生などを含めた漢方全体の考え方となっています。
産後におけるホルモンバランスの乱れや慣れない育児の疲れ・生活環境の変化など様々な要因が重なって起こる産後うつ。
それ症状をその場での変化ではなく体質から変えることが出来るのが漢方薬です。
漢方薬はどのような場合に使用される?
漢方薬は妊娠出産によって崩れてしまったホルモンバランスをじっくりと根本的に整えたい場合に効果を発揮します。
使われる漢方薬としては不足した気を補うものや、滞っている気を巡らせるものが使われます。
また、のぼせやめまい・肩こりや頭痛などの症状がある場合にも使用されます。
この場合、気と同時に血を補い巡らせる漢方が使用されます。
副作用は・・?
漢方薬による副作用は少ないとされていますが、やはり注意が必要なものもあります。
特に基礎疾患としてアレルギーを患っている方や生薬の成分が強い場合には注意が必要です。
他にも副作用に注意が必要なのは
・数種類の漢方薬を合わせて服用している方
・身長が低い方や体重が軽い方
・インスリン治療を受けている方
・ 女性
です。
医師の処方を受けて服用する場合には他に飲んでいる薬があれば申告しましょう。
また、市販薬を飲む場合にはたくさんの種類を一度に飲まない注意が必要です。
産後うつに使用される漢方薬
・抑肝散加陳皮半夏
感情を抑えられずに物に当たる・・といった行動をしてしまう場合に使用されます。
自律神経に働きかけながら「血」や「気」を補います。
・加味逍遙散
情緒不安定や怒りっぽさ、イライラなどの精神的症状に使用されます。
・女神散
主に産前産後の神経症に対して使用されます。
気分が塞いで人と会いたくないような時にも適応となります。
まとめ
いかがでしょうか。
産後うつに悩んでいるが、薬は嫌だし病院にも行きづらい・・という方は実はとても多いです。
そのような場合はぜひ漢方を試してみてくださいね。
また、食事やストレス発散でも症状が寛解する場合もあります。
なかなか自分の時間を作ることが難しい時期ですが、意識してご自身の体に目を向ける時間も作ってみてくださいね。