「薬を飲んでも治らない頭痛の原因は何?」
「風邪以外に頭痛の原因はある?」
「頭痛の原因に肩こりや眼精疲労は関係している?」
頭痛に悩んでおられる方は多数いらっしゃいますが、ご自身の頭痛の原因をきちんと知っている方は意外と少ないのではないでしょうか。
この記事では頭痛に対して考えられる原因をご紹介します。
原因別の予防法と対処法もお伝えしますので、お悩みの方は参考にしてみてください。
痛みの種類を知ろう
原因を知るためにはご自身の頭痛のタイプをよく知ることが重要です。
頭痛には大きく分けて3種類のものがあります。
以下に表にしていますので、普段の頭痛がどのようなものか当てはめて見てください。
カテゴリー1
- 痛い時にじっとしていると楽になる。
- 頭痛が出る前に目がチカチカする気がする。
- 光や音に敏感になる。
- 吐き気や嘔吐を伴う。
→それぞれの頭痛の「偏頭痛」へ。
カテゴリー2
- 動いていないと辛い。
- 目の奥に耐え難い痛みがある。
- 涙や鼻水が頭痛のある側から出てくる。
- 出やすい周期や季節が決まっている。
- 市販の薬が効かない。
→それぞれの頭痛の「群発性頭痛」へ
カテゴリー3
- 痛みがある時に入浴したり、アルコールを少し飲むと症状が緩和される。
- 他のカテゴリーのような症状が見られない、またはその時によって違ったりする。
→それぞれの頭痛の「緊張型頭痛」へ
それぞれの頭痛の原因
偏頭痛の原因
1・三叉神経の問題
脳の血管が拡張することによって脳の1番大きな三叉神経という神経が圧迫・刺激を受けます。
それにより、血管の周りに炎症が起きてさらに痛みが増幅して頭痛を引き起こします。
この三叉神経が圧迫を受けることが光や音に敏感になることや吐き気・嘔吐の原因となります。
2・ストレスの問題
集中、緊張している状態になっている時には血管は交感神経の作用によって収縮しています。
このような状態から解放された際に一気に副交感神経が優位になり血管が拡張します。
その結果として血管が三叉神経を圧迫して頭痛を引き起こします。
休日に頭痛が多い方の頭痛の原因もこのようなストレスの場合が多いです。
3・月経周期によるもの
生理前の月経周期でエストロゲンという女性ホルモンが減少する時期があります。
このエストロゲンには血管を収縮させる物質の放出も減少させる作用があります。
そのため、本来適度に収縮している血管が収縮物質の低下により一気に拡張してしまいます。
これが三叉神経を圧迫することになり、偏頭痛を引き起こす原因となります。
偏頭痛の予防法
1・予防療法
偏頭痛には月に2回以上(6日間以上)出ている場合、もしくは市販の痛み止めの効果がない場合に行われる予防療法というものがあります。
偏頭痛の予防療法は予防薬を毎日服用することで、頭痛の頻度を減らしたり痛みの程度を緩和させるという効果が期待できます。
効果が出るかは数ヶ月間、薬を服用しなければ分かりません。
途中で自己判断で服用をやめないようにしましょう。
2・ストレスを溜め込まない
先ほどご紹介しましたように偏頭痛は過労やストレスによっても引き起こされるとされています。
仕事や学校から帰っての少しの時間でも自分がリラックスできる時間を作れるように工夫しましょう。
3・規則正しい生活を送る
寝不足や寝すぎなど生活リズムの乱れも偏頭痛を起こすきっかけとなります。
出来るだけ毎日同じリズムを心がけることが偏頭痛の予防となります。
偏頭痛の対処法
①暗くて静かな場所で休む
②痛みが出ている部分を冷やす
③カフェインを摂る
偏頭痛が起きてしまったという場合にはこのような対処法を行いましょう。
きつい頭痛でなければ2~3時間で頭痛の症状が治る場合があります。
群発性頭痛の原因
群発性頭痛の原因ははっきりとは分かっていませんので、可能性があるものについてご紹介します。
1・血管の拡張
群発性頭痛の原因となっている血管の拡張は偏頭痛での血管とは違っており、目の奥の血管の問題です。
頭痛なのに目や鼻の症状が伴う原因はこの血管にあるとされています。
2・たばこ・アルコールの摂取
この頭痛の出ている時期にアルコールを摂取するとほぼ100%の確率で頭痛を誘発する原因になると言われています。
どんなにお酒が好きな人でも控えるほどです。
血管の拡張の原因となるアルコール摂取は控えるようにしましょう。
3・気圧の変化
気圧が下がることによって目の奥の血管が拡張し、頭痛の原因となるというものです。
飛行機や天候の悪化によって頭痛が起こる場合は気圧が原因となっている可能性がああります。
4・体内時計が狂う
1日のうちのほぼ決まった時間に毎日定期的に起こるのと、発作の持続時間がほぼ同じである事から脳の体内時計と関係があるとされています。
そのため、不規則な生活や季節の変わり目などのタイミング体内時計が狂うことで頭痛が起こることがあるようです。
群発性頭痛の予防法
1・たばこやアルコールを控える
先述のようにたばこやアルコールは群発性頭痛が起こっている時期には頭痛の誘発率はかなり上がります。
血管の拡張の原因となるアルコール摂取は控えるようにしましょう。
2・飛行機は極力控える
先ほどの繰り返しになりますが、飛行機もかなりの確率で群発性頭痛の発作が誘発されます。
頭痛が起きている周期にどうしても飛行機に乗らなければいけないという場合には事前に医師に相談してみてください。
群発性頭痛の対処法
1・薬物療法
エルゴタミン製剤やトリプタン製剤といった薬を夜に飲んでおくことで朝方の頭痛の症状を軽減させることが出来ます。
発作が起きている時期には使ってみると良いでしょう。
2・注射
イミグラン注射という注射で、痛みが出ている際には即効性があります。
病院ではもちろんですが2008年より自宅で患者さん自身でも注射を打つことが出来るようになっています。
3・痛みが出ている部分を冷やす。
緊張型頭痛の原因
筋肉の緊張
頭の側面や首や肩の筋肉の緊張が原因で起こることがあります。
これは筋肉の緊張で血流が悪くなった結果、筋肉内に老廃物がたまり、その周囲の神経が刺激されて起きるという仕組みです。
精神的ストレスの問題
緊張型頭痛はストレス頭痛と言われています。
長時間同じ作業を続けている方や、うつ病などの心の病気も原因となります。
精神的ストレスは交感神経を優位にして筋肉の緊張を起こします。
このことが神経を刺激することとなり、痛みの原因となります。
緊張型頭痛の予防法
頭痛の中でも一番多いと言われている緊張型頭痛の予防はやはり生活習慣の改善が重要となってきます。
- こまめに休憩をとって筋肉をほぐす
- 軽い運動を日常生活の習慣にする
- リラックスできる時間を作る
- 悪い姿勢を改善する
このように日常生活で日々意識することが緊張型頭痛の予防には必要です。
緊張型頭痛の対処法
緊張型頭痛が起きてしまった際にはアスピリンやイブプロフェン、アセトアミノフェンのような非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を使用することが一般的です。
これらは市販の風邪薬にも使用されていますが、常用はさらなる頭痛を生む原因となり兼ねませんので注意が必要です。
それに関しては次に詳しくご紹介します。
薬物乱用頭痛
薬物乱用頭痛とはもともと頭痛の症状のある方が頭痛薬を毎日のように飲むことによって引き起こされる頭痛のことです。
頭痛が起きる不安から鎮痛薬を服用するようになり、飲む回数や量が増えていきます。
これを繰り返していると脳が痛みに敏感になり、頭痛の回数が増え、薬も効きにくくなってくるという悪循環に陥ってしまうのです。
・月に10日以上頭痛薬を飲んでいる
・月に15日以上頭痛がある
・今まで効果のあった鎮痛薬の効果を感じなくなってきた
・もともと偏頭痛持ちだった
このような項目の症状に当てはまるという方の頭痛の原因は鎮痛薬の飲み過ぎかもしれません。
治療はその薬をやめることです。
はじめは離脱症状が出ることがあるので、原因となっている薬以外の薬を使用しながら治療を行います。
薬をやめることができれば、もともとあった偏頭痛の治療が行われます。
このような頭痛の際には病院へ!
ここに当てはまらないような頭痛や、耐え難い頭痛・けいれんを伴う頭痛の場合には危険な頭痛の場合もあります。
早急に医師の診察を受けるようにしてください。
頭痛日記を活用してみましょう!
頭痛日記は主に頭痛を専門に診ている病院で使われている方法で、目的は自分の頭痛の症状や特徴をよく知ることにあります。
自分の頭痛をよく知ることによって
・どのような種類の頭痛なのか
・どのような時に症状が出やすいのか
・対処法にはどのようなものがあるのか
このような頭痛の原因を知って対処をしたり、頭痛を誘引する行動を避けることが出来るようになります。
以下に頭痛日記の付け方をご紹介します。
1・いつ、どの辺りが、どのように、どのくらいの時間痛んで、痛みの程度はどのくらいか。
2・頭痛が起きる前後の自身の行動や体調の変化(予兆があった、お酒を飲んでいた、疲労が溜まっていた、など。)
3・薬は効いたか(どのタイミングで飲んだかも分かればベスト!)
ここまでにご紹介しましたように頭痛には種類や症状、それに対する対処の方法が様々あります。
病院にかかっていなくても自分で日記を付けておくことで客観的に自分の頭痛がどのようなものなのかを知ることが出来ます。
もちろん病院を受診する際にも診察の手助けになる情報です。
まずはご自身の頭痛がどのようなものなのかをよく知っておきましょう。
まとめ
頭痛の原因は見つかりましたでしょうか?
頭痛の原因を把握することで頭痛が起こることを防ぐことができたり、頭痛が起こった際に対処をすることが可能になります。
辛い頭痛と上手に付き合っていくためにこの記事が少しでも参考になれば幸いです。
頭痛に関してご相談がございましたら一度当院までご連絡くださいね。