脊柱管狭窄症の「馬尾型」と「神経根型」|症状の違いと治療の考え方

「脊柱管狭窄症には種類があります。」

整形外科でそう説明されても、

「馬尾型?」

「神経根型?」

と聞き慣れない言葉に戸惑う方は少なくありません。

実は脊柱管狭窄症は、

どの神経が圧迫されているかによって症状や治療の考え方が変わります。

例えば、

片足だけがしびれる方もいれば、

両足にしびれが出る方もいます。

また、

排尿障害がある場合は早急な医療機関での対応が必要になることもあります。

この記事では、

  • 神経根型とは何か
  • 馬尾型とは何か
  • それぞれの違い
  • 治療の考え方
  • 整骨院で対応できる範囲

について分かりやすく解説します。

脊柱管狭窄症の2大タイプ——何が違うのか

片足に症状が出やすい神経根型と、両足に症状が出やすい馬尾型の違いを比較したイラスト

脊柱管狭窄症は、

神経が圧迫される場所によって大きく2つに分けられます。

  • 神経根型
  • 馬尾型

さらに、

両方の特徴を持つ混合型もあります。

まずは違いを一覧で見てみましょう。

項目

神経根型

馬尾型

圧迫される場所

神経根

馬尾神経

症状

片足が多い

両足が多い

しびれ

片側中心

両側中心

歩行

間欠性跛行

間欠性跛行

排尿障害

ほとんどない

起こることがある

緊急度

低〜中

脊柱管の中には、

脊髄から伸びる神経が束になって通っています。

この束が馬尾神経です。

そこから左右へ枝分かれした神経を神経根といいます。

つまり、

一本の神経が圧迫されると神経根型、

神経の束全体が圧迫されると馬尾型になります。

図で見ると理解しやすいため、ここには「正常な脊柱管」と「神経根」「馬尾神経」の模式図を挿入することをおすすめします。

神経根型——片足に症状が出るタイプ

神経根型は、

脊柱管狭窄症の中でも比較的多くみられるタイプです。

「神経根型の脊柱管狭窄症で片足だけにしびれや痛みが出る様子を表現したイメージ

神経根型の特徴

神経根型では、

一本の神経だけが圧迫されます。

そのため、

症状は片側に集中することが多いのが特徴です。

例えば、

  • 右のお尻だけ痛い
  • 左足だけしびれる
  • 片足だけ力が入りにくい

などです。

坐骨神経痛と似た症状が出るため、

最初は「坐骨神経痛だと思っていた」という方も少なくありません。

神経根型の症状チェックリスト

次のような症状がある場合は、神経根型の可能性があります。

  • 片側のお尻が痛い
  • 太ももの裏やふくらはぎがしびれる
  • 足先まで電気が走るような痛みがある
  • 立っていると症状が強くなる
  • 腰を反らすと痛みが増す
  • 少し歩くと脚が痛くなる
  • 前かがみになると楽になる
  • 反対側の脚にはほとんど症状がない

このような症状は、坐骨神経痛と非常によく似ています。

しかし、

原因が脊柱管狭窄症なのか、

腰椎ヘルニアなのか、

梨状筋症候群なのかによって治療方針は変わります。

そのため、自己判断せず専門医による診断を受けることが重要です。

神経根型の治療の考え方

神経根型では、

保存療法で症状の改善を目指せる方が多くいます。

主な治療法には、

  • 痛み止め
  • 神経障害性疼痛治療薬
  • リハビリ
  • 神経ブロック注射

などがあります。

さらに、

身体全体のバランスを整えることで、

神経への負担を減らすことを目的とした整骨院での施術が役立つ場合もあります。

ただし、

筋力低下が急速に進む場合や、

症状が悪化している場合には、

再度整形外科での評価が必要です。

馬尾型——両足・排尿障害が出るタイプ

馬尾型の脊柱管狭窄症で両足にしびれや痛みが出る様子を表現したイメージ

馬尾型は、

神経根型よりも注意が必要なタイプです。

馬尾とは、

腰の中で束になっている神経の集まりを指します。

この神経の束全体が圧迫されることで、

複数の神経へ影響が及びます。

そのため、

片足ではなく、

両足へ症状が現れやすくなります。

馬尾型の特徴

馬尾型では、

次のような特徴があります。

  • 両足のしびれ
  • 両足の脱力感
  • 長く歩けない
  • 歩く距離が徐々に短くなる
  • 会陰部(股の間)の感覚が鈍い

さらに重要なのが、

排尿や排便に関する症状です。

馬尾型の症状チェックリスト

以下の症状がある場合は、

馬尾型の可能性があります。

  • 両足にしびれがある
  • 両足に力が入りにくい
  • 歩行距離が急に短くなった
  • 排尿しづらい
  • 尿が出にくい
  • 尿漏れが増えた
  • 残尿感がある
  • 排便しづらい
  • 肛門周囲がしびれる
  • 性機能の変化を感じる

特に、

排尿障害がある場合は注意が必要です。

馬尾型は緊急度が高い

排尿障害や排便障害が現れている場合は、

馬尾症候群へ進行している可能性があります。

馬尾症候群では、

神経の圧迫が長時間続くことで、

神経の機能が回復しにくくなることがあります。

その結果、

  • 排尿障害
  • 尿失禁
  • 排便障害
  • 下肢の麻痺

などが残る可能性があります。

そのため、

排尿障害がある場合は、

整骨院よりも先に整形外科や脳神経外科を受診してください。

これは非常に重要なポイントです。

みゅう整骨院でも、

このような症状がある方には、

まず医療機関での診察をお願いしています。

安全を最優先に考えることが大切だからです。

混合型——両方の特徴を持つタイプ

混合型の脊柱管狭窄症でMRI画像を見ながら医師と治療方針を相談する患者のイメージ

実際には、

神経根型だけ、

馬尾型だけ、

とはっきり分かれないケースもあります。

これを

混合型

と呼びます。

混合型では、

例えば、

  • 最初は片足だけしびれていた
  • 徐々に反対側にも症状が出てきた
  • 排尿しづらさも加わってきた

というように、

両方の特徴がみられることがあります。

複数の場所で脊柱管が狭くなっている場合や、

狭窄が進行している場合に起こりやすいタイプです。

この場合は、

MRIなどの画像検査と神経学的検査を組み合わせながら、

慎重に治療方針を決めていきます。

タイプ別の治療方針の違い

整骨院で丁寧なカウンセリングを受ける女性

脊柱管狭窄症では、

神経根型・馬尾型・混合型によって治療の考え方が異なります。

項目

神経根型

馬尾型

混合型

緊急度

低〜中

中〜高

症状

片足中心

両足中心

両足または複雑

排尿障害

ほとんどない

起こることがある

起こることがある

保存療法

比較的有効

症状による

慎重に判断

手術適応

保存療法3〜6か月で改善しない場合

排尿障害・急速な悪化では早期手術を検討

状態による

整骨院

活用しやすい

排尿障害がなければ補助的に活用

整形外科と併用しながら判断

神経根型の治療

神経根型では、

多くの場合、

まず保存療法から開始します。

例えば、

  • 薬物療法
  • リハビリ
  • 神経ブロック注射
  • 運動療法

などを行いながら経過をみます。

痛みやしびれの改善と並行して、

身体全体のバランスを整えることで、

神経への負担を減らすことも重要です。

整骨院では、

姿勢や筋肉の状態を確認しながら、

日常生活で負担が集中しにくい身体づくりを目指します。

馬尾型の治療

馬尾型では、

排尿障害や排便障害の有無が最も重要です。

これらの症状がある場合には、

手術が必要になるケースもあります。

そのため、

自己判断で様子を見ることはおすすめできません。

まずは整形外科や脳神経外科で詳しい検査を受けましょう。

排尿障害がなく、

保存療法が適応となる場合には、

整形外科での治療と並行しながら、

整骨院で身体のバランスを整えることも選択肢の一つです。

混合型の治療

混合型では、

症状が複雑になるため、

一人ひとりで治療方針が異なります。

画像所見だけでなく、

筋力、

歩行状態、

排尿機能、

生活への影響などを総合的に評価しながら進めます。

自分のタイプを確認する方法

脊柱管狭窄症のタイプをセルフチェックしている男性のイメージ

「自分は神経根型なのか、それとも馬尾型なのか。」

気になる方も多いでしょう。

ただし、症状だけで正確に判断することはできません。

ここでは、受診前の参考としてセルフチェックをご紹介します。

セルフチェックシート

□ 症状は片足だけに出ている

□ 両足にしびれがある

□ 歩くと症状が強くなる

□ 前かがみになると楽になる

□ 排尿しづらい

□ 尿漏れが増えた

□ 残尿感がある

□ 肛門周囲の感覚がおかしい

□ 足に力が入りにくい

□ 歩ける距離が急激に短くなった

片足だけの症状が中心であれば、

神経根型の可能性があります。

一方、

両足のしびれや排尿障害がある場合には、

馬尾型を疑う必要があります。

ただし、

最終的な診断はMRIなどの画像検査や神経学的検査によって行われます。

セルフチェックだけで判断することは避けましょう。

よくある質問(FAQ)

Q. 馬尾型と神経根型では、どちらが治りにくいですか?

一般的には、

馬尾型の方が重症化しやすく、

治療にも時間がかかる傾向があります。

特に排尿障害がある場合は、

早期の対応が重要です。

Q. 神経根型から馬尾型へ進行することはありますか?

あります。

狭窄が進行すると、

神経根だけでなく馬尾全体が圧迫される場合があります。

歩ける距離が急に短くなったり、

排尿障害が出たりした場合は早めに受診してください。

Q. 馬尾型でも整骨院へ通えますか?

排尿障害など緊急性がある症状では、

まず整形外科での診察が優先です。

その後、

医師と相談しながら整骨院を併用することは可能です。

Q. 排尿障害は突然起こりますか?

急に起こることもあれば、

少しずつ進行することもあります。

「尿が出にくい」

「残尿感がある」

と感じた時点で早めに受診することをおすすめします。

まとめ

脊柱管狭窄症は、

同じ病名でも神経が圧迫される場所によって、

神経根型、

馬尾型、

混合型に分けられます。

神経根型は、

片足を中心としたしびれや痛みが特徴で、

保存療法や整骨院での対応が有効なケースも多くあります。

一方、

馬尾型では、

両足の症状に加えて排尿障害や排便障害が現れることがあります。

このような症状がある場合は、

早急に整形外科や脳神経外科を受診してください。

みゅう整骨院では、

医療機関との役割を大切にしながら、

身体全体のバランスを整える施術を行っています。

「自分はどのタイプなのか分からない」
「歩ける距離が短くなってきた」
「保存療法を続けているが改善しない」

そのようなお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。

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この記事の監修・執筆者:平井 大樹(箕面市の整体 みゅう整骨院 代表)

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平井大樹(TAIKI HIRAI
箕面市の整体 みゅう整骨院の代表
柔道整復師・スポーツトレーナー。臨床歴20年・10万人以上の施術実績。治療家のための平井塾主宰。

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