「手術を考えてもいい時期ですね。」
整形外科でこのように言われると、多くの方が不安になります。
「本当に手術しか方法はないの?」
「できれば手術は避けたい。」
「保存療法で改善する可能性はないの?」
このような疑問を持つのは自然なことです。
実際、脊柱管狭窄症と診断されたすべての方が手術を受けるわけではありません。
一方で、手術を先延ばしにしてはいけないケースもあります。
大切なのは、
「今の自分がどの段階にいるのか」を正しく知ることです。
この記事では、
脊柱管狭窄症の手術が必要になるケースと保存療法で経過をみられるケース、それぞれの特徴を分かりやすく解説します。
脊柱管狭窄症の手術が必要なケースは限られる
「脊柱管狭窄症=手術」
というイメージを持たれる方もいますが、
実際には保存療法から始めるケースが多くあります。
まずは、
どのような場合に手術が勧められるのかを理解しておきましょう。
絶対的手術適応(迷わず手術を検討すべきケース)
次のような症状がある場合は、
早めに整形外科や脊椎専門医へ相談することが重要です。
排尿・排便障害(馬尾症候群)
- 尿が出にくい
- 尿漏れがある
- 便失禁
- 残尿感が強い
これらは馬尾神経が強く圧迫されている可能性があります。
放置すると、
神経障害が後遺症として残る恐れがあるため、
早期の手術が検討されます。
急速に進行する下肢麻痺
- 足に力が入らない
- つまずきやすくなった
- 急に歩けなくなった
このような症状も、
神経障害が進行している可能性があります。
早めの医療機関受診が必要です。
相対的手術適応(保存療法を試したうえで検討するケース)
次のような場合には、
保存療法を十分行ったあとに手術が検討されることがあります。
- 保存療法を3〜6か月続けても改善しない
- 日常生活に大きな支障がある
- 歩ける距離が著しく短くなっている
- 痛みやしびれで外出できない
例えば、
以前は500m歩けていた方が、
現在は50〜100mで休憩が必要になるような場合は、
手術を含めた治療方針について医師と相談する時期かもしれません。
手術を急がなくてもよいケース
一方で、
次のような場合は保存療法が選択されることが一般的です。
- 排尿障害がない
- 症状が軽度〜中等度
- 保存療法をまだ十分試していない
- 日常生活への影響が比較的小さい
このようなケースでは、
薬やリハビリ、
セルフケア、
整骨院で身体全体のバランスを整えることによって、
症状が安定する方も少なくありません。
「すぐに手術を受けないと歩けなくなる」
というわけではないため、
主治医と相談しながら治療方針を決めることが大切です。
実際に手術を受ける人はどれくらい?
脊柱管狭窄症と診断された方のすべてが手術を受けるわけではありません。
多くの方は、
まず保存療法から開始し、
症状の経過をみながら治療を進めます。
保存療法で日常生活に支障がない程度まで改善する方も多く、
手術は症状や生活への影響、画像検査の結果などを総合的に判断して選択されます。
つまり、
「脊柱管狭窄症=すぐ手術」ではありません。
現在の症状や生活の困りごとを踏まえ、
自分に合った治療法を選択することが重要です。
保存療法の種類と効果
脊柱管狭窄症の保存療法には、さまざまな方法があります。
それぞれ役割が異なるため、
「どれか一つだけが正解」
というわけではありません。
症状や生活状況に合わせて組み合わせることが大切です。
保存療法の比較
| 治療法 | 主な目的 | 向いている方 |
|---|---|---|
| 薬物療法 | 痛みやしびれの緩和 | 発症初期・症状が強い方 |
| 神経ブロック注射 | 強い神経痛を一時的に抑える | 薬だけでは改善しない方 |
| 装具療法(コルセット) | 腰への負担軽減 | 日常生活で痛みが強い方 |
| 理学療法(リハビリ) | 筋力・柔軟性・姿勢改善 | 保存療法全般 |
| 整骨院 | 身体全体のバランス改善・再発予防 | 慢性化・繰り返す症状の方 |
薬物療法
脊柱管狭窄症では、
神経への負担や炎症を抑える目的で薬が処方されます。
代表的なものは次のとおりです。
血流改善薬
代表例
- リマプロストアルファデクス
神経周囲の血流を改善し、
しびれや歩行障害の改善を目的として使用されます。
神経障害性疼痛治療薬
代表例
- プレガバリン(リリカ)
- ミロガバリン(タリージェ)
神経そのものの痛みやしびれを和らげる薬です。
眠気やふらつきなどの副作用が出る場合があるため、
医師の指示に従って服用しましょう。
消炎鎮痛薬(NSAIDs)
炎症や痛みを抑える目的で処方されます。
急性期には有効ですが、
長期間の服用では胃腸障害などに注意が必要です。
神経ブロック注射
保存療法の中でも、
比較的即効性が期待できる治療法です。
神経の周囲へ局所麻酔薬やステロイドを注射し、
痛みを和らげます。
代表的な方法には、
- 硬膜外ブロック
- 神経根ブロック
があります。
痛みが一時的に軽減することで、
リハビリや運動療法へ取り組みやすくなることがあります。
ただし、
神経の通り道そのものが広がるわけではないため、
根本的な治療ではありません。
装具療法(コルセット)
コルセットは、
腰椎を安定させ、
過度な反りや負担を軽減する目的で使用されます。
特に、
立ち仕事や外出時など、
腰へ負担がかかる場面では役立つことがあります。
一方で、
長期間着け続けると、
体幹の筋力が低下する可能性があります。
そのため、
必要な場面だけ使用し、
徐々に身体の筋力で支えられる状態を目指すことが理想です。
理学療法(リハビリ)
リハビリでは、
身体を支える筋力や柔軟性を改善し、
歩きやすい身体づくりを目指します。
主な内容は、
- ストレッチ
- 体幹トレーニング
- 歩行訓練
- 姿勢指導
- バランス訓練
などです。
一人ひとりの症状に合わせて進めることが重要です。
無理な運動は逆効果になることもあるため、
専門家の指導を受けながら行いましょう。
整骨院という第3の選択肢
「薬を飲んでいる。」
「リハビリにも通っている。」
「それでも歩ける距離が変わらない。」
このような方は少なくありません。
みゅう整骨院では、
腰だけではなく、
身体全体の動きを確認しながら施術を行っています。
例えば、
- 骨盤の傾き
- 股関節の動き
- 胸椎の柔軟性
- 呼吸の浅さ
- 筋膜の滑走不全
などを確認し、
神経へ負担が集中しにくい身体づくりを目指します。
FJA理論による考え方
当院では、
画像検査では確認しにくい
「滑走不全」
にも着目しています。
筋肉や筋膜が滑らかに動かなくなると、
歩くたびに同じ場所へ負担が集中し、
症状が出やすくなることがあります。
身体全体のバランスを整えることで、
歩きやすい身体づくりをサポートしています。
保存療法のメリット・デメリット
保存療法には多くのメリットがありますが、
すべての方に十分な効果が得られるわけではありません。
メリット
- 身体への負担が少ない
- 入院が不要
- 日常生活を続けながら治療できる
- 手術による合併症リスクがない
- 複数の治療法を組み合わせられる
デメリット
- 改善まで時間がかかることがある
- 神経の圧迫自体がなくなるわけではない
- 症状によっては十分な改善が得られない
- 継続的なセルフケアが必要になる
保存療法は、
「何もしない」
という意味ではありません。
薬やリハビリ、
セルフケア、
必要に応じて整骨院なども活用しながら、
症状の改善と生活の質の維持を目指していく治療法です。
手術の種類と特徴
保存療法を続けても、
日常生活に大きな支障がある場合や、
神経障害が進行している場合には、
手術が選択肢になることがあります。
現在の脊柱管狭窄症の手術は以前より身体への負担が少なくなっていますが、
それぞれ特徴や適応が異なります。
主な手術方法の比較
| 手術方法 | 特徴 | 向いているケース |
|---|---|---|
| 脊柱管拡大術(除圧術) | 神経の通り道を広げる | 神経の圧迫が主な原因 |
| 腰椎固定術 | 不安定な腰椎を固定する | すべり症や不安定性を伴う場合 |
| 内視鏡手術 | 傷口が小さく身体への負担が少ない | 限られた範囲の狭窄 |
手術方法は、
画像検査だけでなく、
症状や年齢、
生活背景などを総合的に判断して選択されます。
脊柱管拡大術(除圧術)
もっとも一般的に行われている手術です。
神経を圧迫している骨や靭帯の一部を取り除き、
神経の通り道を広げます。
メリット
- 神経への圧迫を直接取り除ける
- 間欠性跛行の改善が期待できる
- 多くの施設で行われている
注意点
神経の圧迫は改善しても、
筋力や姿勢、
身体の使い方まで改善するわけではありません。
そのため、
術後のリハビリが非常に重要になります。
腰椎固定術
腰椎が不安定になっている場合には、
スクリューやロッドを用いて固定する手術が行われます。
特に、
腰椎すべり症を合併しているケースでは選択されることがあります。
メリット
- 腰椎の安定性が高まる
- 神経への負担を減らしやすい
注意点
固定した部分は動かなくなるため、
隣接する椎間へ負担が集中することがあります。
これを
隣接椎間障害
と呼びます。
長期的には、
別の部位へ負担がかかる可能性も考慮する必要があります。
内視鏡手術
近年増えているのが、
内視鏡を使用した低侵襲手術です。
小さな切開で行えるため、
身体への負担が比較的少ないことが特徴です。
メリット
- 傷口が小さい
- 出血量が少ない
- 入院期間が短くなることが多い
- 術後の回復が比較的早い
注意点
すべての脊柱管狭窄症に適応できるわけではありません。
狭窄の範囲や状態によっては、
通常の除圧術や固定術が選択されます。
手術後のリスク・注意点
手術によって神経への圧迫を改善できても、
その後の生活が重要になります。
再び症状が出ることがある
神経の圧迫は改善しても、
加齢や姿勢、
身体の使い方などの影響で、
時間の経過とともに別の部位へ負担がかかることがあります。
リハビリが重要
手術はゴールではありません。
筋力や柔軟性、
歩き方、
姿勢などを改善しなければ、
身体への負担は残ったままになります。
そのため、
術後のリハビリは非常に重要です。
高齢者では合併症リスクも考慮する
高齢になるほど、
- 全身麻酔
- 感染
- 血栓
- 心疾患
- 呼吸器疾患
などのリスクも考慮する必要があります。
そのため、
年齢だけではなく、
持病や体力も含めて手術を検討することが大切です。
手術のメリット・デメリット
手術を選ぶかどうか迷ったときは、
メリットだけでなく、
デメリットも理解しておきましょう。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 神経への圧迫を直接改善できる | 手術や麻酔のリスクがある |
| 間欠性跛行の改善が期待できる | 入院・リハビリが必要 |
| 強い痛みが軽減する可能性がある | 再発や隣接椎間障害の可能性 |
| 排尿障害など重症例では有効 | 身体の使い方までは改善しない |
大切なのは、
「手術を受けること」ではなく、生活の質(QOL)を改善することです。
手術を選ぶ前に確認したいこと
手術を受けるかどうかは、
人生に関わる大きな決断です。
焦って決める必要はありません。
まずは次の点を確認してみましょう。
- セカンドオピニオンを受けたか
- 保存療法を十分に試したか
- リハビリを継続したか
- 日常生活を見直したか
- セルフケアを続けたか
- 整骨院など別の視点から身体を評価してもらったか
これらを整理したうえで、
手術が本当に必要なのかを主治医と相談することが大切です。
みゅう整骨院の考え方
当院では、
「手術は絶対にしない方がいい」
とは考えていません。
排尿障害や急速な麻痺など、
緊急性が高い場合には、
整形外科での治療を最優先にしていただきます。
一方で、
保存療法が選択されている段階であれば、
身体全体のバランスを整えることで、
症状の改善を目指せる可能性があります。
薬やリハビリだけでは改善しない方も、
一度ご相談ください。
「手術をするかどうか迷っている…」そんな方へ
みゅう整骨院では、現在のお身体の状態を丁寧に確認し、保存療法を続けられる段階なのか、医療機関での治療を優先すべき状態なのかも含めてご説明しています。
不安なことがあれば、お気軽にご相談ください。
よくある質問(FAQ)
Q. 手術をしたら必ず良くなりますか?
手術は神経への圧迫を取り除くことを目的とした治療です。
そのため、歩行時の痛みやしびれの改善が期待できるケースは多くあります。
しかし、
姿勢や筋力、身体の使い方まで改善するわけではありません。
症状の改善には個人差があり、術後もリハビリやセルフケアを続けることが重要です。
Q. 手術後に再発することはありますか?
はい、再び症状が出ることがあります。
手術した部位だけでなく、
加齢による変化や隣接する椎間への負担によって、新たな狭窄が起こることもあります。
そのため、
術後も姿勢改善や運動習慣を継続することが大切です。
Q. 手術を断ったら医師に怒られますか?
そのようなことはありません。
医師は患者さんが納得したうえで治療を選択できるよう説明を行います。
疑問や不安がある場合は、
遠慮せず相談しましょう。
必要に応じて、
セカンドオピニオンを受けることも大切です。
Q. 整骨院と整形外科は同時に通えますか?
はい、通院すること自体は可能です。
整形外科では、
診断や画像検査、薬物療法、注射などを担当します。
整骨院では、
身体全体のバランスや姿勢、筋肉・筋膜の状態を確認しながら、日常生活で動きやすい身体づくりをサポートします。
それぞれ役割が異なるため、
必要に応じて併用される方もいらっしゃいます。
Q. 手術を受けずに改善することはありますか?
症状の程度によっては、
保存療法によって日常生活へ支障が少ない状態まで改善する方もいます。
薬やリハビリ、
セルフケア、
生活習慣の改善などを組み合わせながら、
症状の安定を目指していきます。
ただし、
排尿障害や急激な筋力低下がある場合は、
手術が必要となるケースもあります。
Q. 高齢でも手術は受けられますか?
年齢だけで手術ができないわけではありません。
全身状態や持病、
体力などを総合的に評価したうえで判断されます。
一方で、
高齢になるほど手術や麻酔のリスクも高くなるため、
保存療法を十分に検討することも大切です。
Q. 保存療法はどれくらい続ければよいですか?
一般的には、
3〜6か月程度を目安に経過をみることが多いとされています。
その間に、
歩ける距離や日常生活への影響が改善するかどうかを確認します。
改善が乏しい場合は、
主治医と相談しながら治療方針を見直すことになります。
まとめ
脊柱管狭窄症と診断されても、
すぐに手術が必要になるとは限りません。
実際には、
多くの方が保存療法から治療を開始します。
一方で、
排尿・排便障害や急速な筋力低下など、
手術を急ぐべきケースもあります。
大切なのは、
「手術を受けるかどうか」ではなく、
現在の身体の状態に合った治療を選択することです。
保存療法には、
薬やリハビリだけでなく、
姿勢や身体の使い方を見直すことも含まれます。
身体全体のバランスを整えることで、
症状が出にくい状態を目指せる可能性もあります。
「手術を勧められたけれど迷っている。」
「保存療法でもう少し頑張れるのか知りたい。」
「薬やリハビリだけでは改善しない。」
そのようなお悩みがありましたら、
一人で悩まず、まずは現在のお身体の状態を確認することから始めてみませんか。
みゅう整骨院では、
整形外科で保存療法を選択されている方や、
手術を検討している方のご相談も承っています。
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この記事の監修・執筆者:平井 大樹(箕面市の整体 みゅう整骨院 代表)
平井大樹(TAIKI HIRAI)
箕面市の整体 みゅう整骨院の代表
柔道整復師・スポーツトレーナー。臨床歴20年・10万人以上の施術実績。治療家のための平井塾主宰。
臨床歴20年・10万人の施術実績を持つ「身体の専門家」
私は、これまで20年間、延べ10万人を超える患者様と向き合ってきました。その中で最も大切にしてきたのは、「痛みを取る」ことだけではなく、「患者様が心から安心して過ごせる毎日を取り戻す」ことです。
箕面市の整体「みゅう整骨院」が選ばれ続ける理由
- 長期にわたる信頼: 当院には、5年以上通われる方が120名、10年以上通われる方も80名いらっしゃいます。
- 根本的なアプローチ: 独自の手技「FJA」「姿勢循環整体」で、痛みの根本原因である身体全体の不調にアプローチします。
- 地域での実績: 代表の平井は広告を一切使わず、ご紹介だけで新規予約は6年待ちの状態です。
全国のプロ治療家を指導する技術顧問・講師として
私は、全国9社の整骨院グループで技術研修を担当しています。
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※ただし、自己判断は禁物です。痛みが強い場合や、症状が改善しない場合は、必ず医療機関を受診し、医師の指示に従ってください。
※ 免責事項
- 本記事の内容は、一般的な情報提供を目的としており、特定の治療法を推奨するものではありません。
- 個々の症状や状態に最適な治療法は、必ず医師の診断と指示に従ってください。
- 本記事の内容に基づいて行動し、万が一何らかの問題が発生した場合でも、当方では一切の責任を負いかねますのでご了承ください。














