「朝起きた時、かかとに激痛が走る…」
「足の裏が痺れて、長く歩けない…」
もしかして、それって足底筋膜炎のサインかもしれません。
足底筋膜炎は、足の裏にある「足底筋膜」という膜に炎症が起こり、かかとや土踏まずに痛みが出る症状です。
多くの場合、痛みだけが症状として現れますが、中には「痺れ」を伴うケースもあることをご存知でしょうか?
今回は、足底筋膜炎に痺れが生じる原因やメカニズム、そして効果的な対処法について、10年以上手技療法の施術に携わってきた私の経験を交えながら詳しく解説していきます。
足底筋膜炎とは?
足底筋膜は、かかと(踵骨)から足の指の付け根まで伸びている、厚い膜状の組織です。
歩く、走る、ジャンプするといった動作の際、足底筋膜はバネのように働き、衝撃を吸収したり、足のアーチを支えたりする役割を担っています。
この足底筋膜は、主に3つの部分に分けられます。
- 内側部
最も厚く、足底筋膜炎が起こりやすい部分です。 - 中央部
土踏まずを形成するのに重要な役割を果たします。 - 外側部
比較的薄く、炎症が起こりにくい部分です。
しかし、過度な負荷や使い過ぎによって足底筋膜に負担がかかり続けると、小さな断裂や炎症が起こり、足底筋膜炎を発症します。
足底筋膜炎の主な症状
足底筋膜炎の代表的な症状は以下の通りです。
- かかとや土踏まずの痛み
特に朝起きた時や、長時間座った後、運動開始時に強い痛みを感じることが多いです。
これは、睡眠中や安静時に足底筋膜が縮こまった状態になり、動き始めるときに強い牽引力がかかるためです。 - 歩行時の痛み
歩行時にかかとや土踏まずに痛みを感じ、長く歩けないことがあります。
特に、硬い地面や坂道を歩く際に痛みが強くなる傾向があります。 - 足の指の付け根の痛み
足底筋膜炎が進行すると、足の指の付け根にも痛みが出ることがあります。
これは、足底筋膜が足の指の骨にも付着しているためです。
これらの症状に加えて、「痺れ」を訴える方も少なくありません。
私の整骨院にも、「かかとの痛みと共に、足の裏に痺れを感じる」という患者さんが多く来院されます。
なぜ足底筋膜炎で痺れが起こるの?
足底筋膜炎で痺れが起こる原因は、主に以下の3つが考えられます。
1.神経の圧迫
足底筋膜の炎症が周囲の神経を圧迫することで、痺れが生じることがあります。
特に、足底筋膜に近い場所を通る「脛骨神経」が圧迫されると、足の裏や指に痺れを感じやすくなります。
脛骨神経は、足首の内側を通って足の裏に枝分かれしており、足の裏の感覚や筋肉の動きを支配しています。
足底筋膜炎によって脛骨神経が圧迫されると、神経の伝達機能が阻害され、痺れや感覚異常、筋力低下などの症状が現れることがあります。
2.血行不良
足底筋膜の炎症によって、足裏の血行が悪くなることがあります。
炎症が起こると、患部周辺の血管が収縮し、血流が滞りやすくなります。
血行不良が起こると、神経への酸素供給が不足し、痺れを引き起こす可能性があります。
また、血行不良は、足底筋膜の修復を遅らせ、症状の慢性化につながる可能性もあります。
3.関連痛
足底筋膜炎の痛みによって、脳が誤った信号を送り、痺れとして感じてしまうことがあります。
これは「関連痛」と呼ばれる現象で、実際には神経の圧迫や血行不良がなくても、痺れを感じることがあります。
関連痛は、脳が痛みを処理する過程で、本来とは異なる部位に痛みや痺れを感じてしまう現象です。
足底筋膜炎の場合、かかとの痛み刺激が脳に伝達される際に、足の裏や指の感覚を司る脳領域にも影響を与え、痺れとして認識されることがあります。
足底筋膜炎の痺れを見分けるポイント
足底筋膜炎による痺れは、他の病気による痺れと区別することが重要です。
例えば、腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛でも、足に痺れが生じることがあります。
これらの病気は、腰や臀部の神経が圧迫されることで、足に痺れや痛みを引き起こします。
足底筋膜炎による痺れの特徴としては、以下の点が挙げられます。
- かかとや土踏まずの痛みを伴う
- 朝起きた時や、長時間座った後に痺れが強い
- 運動後や長時間の歩行で痺れが悪化する
- 足の裏や指に痺れを感じることが多い
- 足首や足の甲に痺れはほとんど感じない
- 腰や臀部に痛みやしびれがない
これらの特徴に当てはまる場合は、足底筋膜炎による痺れの可能性が高いと言えるでしょう。
ただし、自己判断は危険です。痺れが強い場合や、症状が改善しない場合は、医療機関を受診して正確な診断を受けるようにしましょう。
足底筋膜炎の痺れに対する効果的な対処法
足底筋膜炎による痺れを改善するには、炎症を抑え、神経の圧迫や血行不良を解消することが重要です。
具体的な対処法としては、以下の方法が挙げられます。
1. 安静
まずは、足底筋膜への負担を減らすために、激しい運動や長時間の立ち仕事を避け、足を休ませることが大切です。
特に、ジャンプやランニングなどの衝撃の強い運動は、足底筋膜に大きな負担をかけるため、症状が悪化する可能性があります。
痛みが強い場合は、一時的に松葉杖やサポーターを使用するのも有効です。
松葉杖は、体重を足にかけることなく移動できるため、足底筋膜への負担を大幅に軽減することができます。
サポーターは、足底筋膜をサポートすることで、アーチの崩れを防ぎ、痛みを軽減する効果があります。
2. 冷却
炎症を抑えるために、患部を冷やすことも効果的です。
氷嚢や保冷剤をタオルで包み、15~20分程度、患部に当てて冷やしましょう。
冷やすことで、血管が収縮し、炎症の広がりを抑えることができます。
また、冷やすことで、痛みを和らげる効果もあります。
ただし、冷やしすぎると凍傷を起こす可能性があるため、注意が必要です。
3. ストレッチ
足底筋膜やふくらはぎの筋肉をストレッチすることで、足底筋膜の緊張を和らげ、血行を促進することができます。
アキレス腱を伸ばすストレッチは、ふくらはぎの筋肉を伸ばすことで、足底筋膜への緊張を軽減する効果があります。
タオルを使って足の裏を伸ばすストレッチは、足底筋膜を直接伸ばすことで、柔軟性を高める効果があります。
これらのストレッチは、朝起きた時や、運動の前後に行うと効果的です。
ストレッチを行う際は、痛みを感じない程度にゆっくりと行いましょう。
4. マッサージ
足裏やふくらはぎのマッサージも、血行促進や筋肉の緩和に役立ちます。
テニスボールやゴルフボールなどを足裏で転がし、刺激を与えるのも良いでしょう。
マッサージは、入浴後や寝る前など、体が温まっている時に行うと効果的です。
ただし、痛みが強い場合は、マッサージを控えるようにしましょう。
5. 薬物療法
医師の指示のもと、消炎鎮痛剤を服用することで、炎症や痛みを抑えることができます。
非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)は、炎症を抑え、痛みを軽減する効果があります。
また、外用薬として、湿布や塗り薬を使用することもあります。
湿布は、冷感タイプと温感タイプがあり、症状に合わせて使い分けましょう。
塗り薬は、消炎鎮痛成分が含まれており、患部に直接塗布することで効果を発揮します。
6. 手技療法
手技療法は、徒手療法によって関節や筋肉の動きを改善し、痛みや痺れを軽減する治療法です。
専門家による的確な施術を受けることで、より効果的に症状を改善することができます。
手技療法では、足底筋膜や筋肉、関節の調整を行い、柔軟性や可動域を改善します。
また、神経の滑走性を改善することで、神経の圧迫を解放し、痺れを軽減する効果も期待できます。
みゅう整骨院では、患者さん一人ひとりの状態に合わせて、適切な手技療法 を用いて治療を行っています。
さらに、自宅で行えるセルフケアやエクササイズ、ストレッチなども指導することで、治療効果の維持・向上を目指します。
7. インソール
足底筋膜をサポートするインソールを使用することで、足への負担を軽減し、症状の悪化を防ぐことができます。
インソールは、足底筋膜のアーチを支え、衝撃を吸収する役割を果たします。
自分に合ったインソールを選ぶことが重要です。
市販のインソールも多数販売されていますが、足の形や症状によっては、オーダーメイドのインソールが必要になることもあります。
8. 手術療法
上記の治療法で効果がない場合、まれに手術療法が行われることがあります。
手術では、足底筋膜の一部を切開ることで、痛みや痺れを軽減します。
ただし、手術は最終手段であり、ほとんどの場合は保存療法で改善が期待できます。
足底筋膜炎の痺れを予防するには?
足底筋膜炎による痺れを予防するためには、以下の点に注意することが大切です。
- 適切な靴選び
かかとの高い靴や、底の薄い靴は、足底筋膜に負担をかけるため、避けるようにしましょう。
・ かかとの高い靴は、足底筋膜を伸張させ、緊張を高めるため、足底筋膜炎のリスクを高めます。
・底の薄い靴は、衝撃吸収性が低く、足底筋膜への負担が大きくなります。
・アーチサポート機能のある靴を選ぶようにしましょう。
- ウォーミングアップ
運動前には、必ずウォーミングアップを行い、足底筋膜を柔軟にしてから運動を始めましょう。
・ウォーミングアップで足首やふくらはぎの筋肉をほぐすことで、足底筋膜への負担を軽減する
ことができます。
・軽いジョギングやストレッチなどを行いましょう。 - クーリングダウン
運動後には、クーリングダウンを行い、足底筋膜の疲労回復を促しましょう。
・クーリングダウンで筋肉の疲労を和らげることで、足底筋膜の炎症を予防することができます。
・ストレッチや軽いマッサージなどを行いましょう。 - 体重管理
肥満は足底筋膜炎のリスクを高めるため、適正体重を維持しましょう。
・体重が増加すると、足底筋膜への負担が大きくなり、炎症が起こりやすくなります。
・バランスの取れた食事と適度な運動を心掛け、体重管理を行いましょう。 - ストレッチ
日頃から、足底筋膜やふくらはぎのストレッチを行い、柔軟性を保ちましょう。
・ストレッチは、足底筋膜の柔軟性を高め、血行を促進することで、足底筋膜炎の予防に効果的です。
・テレビを見ながらやお風呂上がりなど、日常生活の中でこまめに行いましょう。
最後に
足底筋膜炎は、適切な対処を行うことで、ほとんどの場合改善する疾患です。
痺れなどの症状がある場合は、自己判断せずに、医療機関を受診するようにしましょう。
そして、日頃から予防を心掛け、健康な足を維持しましょう。
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※ただし、自己判断は禁物です。痛みが強い場合や、症状が改善しない場合は、必ず医療機関を受診し、医師の指示に従ってください。
※ 免責事項
* 本記事の内容は、一般的な情報提供を目的としており、特定の治療法を推奨するものではありません。
* 個々の症状や状態に最適な治療法は、必ず医師の診断と指示に従ってください。
* 本記事の内容に基づいて行動し、万が一何らかの問題が発生した場合でも、当方では一切の責任を負いかねますのでご了承ください。