「親指の付け根がズキッと痛む」
「瓶のフタを開けるのがつらい」
「スマホを持つだけで手首が痛い…」
そんな症状に悩んでいませんか?
それは、ドケルバン病(ド・ケルバン病)という、親指側の手首に起こる腱鞘炎の一種かもしれません。
腱鞘炎の中でも、特に親指を動かす腱のトンネル部分が炎症を起こす疾患です。
しかし、「腱鞘炎=ストレッチで治す」と考えてしまうと、かえって悪化してしまうケースも。
本記事では、ドケルバン病の正しい理解・セルフチェック方法・ストレッチの適否まで、整骨院の視点からわかりやすく解説します。
ドケルバン病を一言で定義
ドケルバン病とは、親指を動かす2本の腱(短母指伸筋腱・長母指外転筋腱)を包む腱鞘が炎症を起こす状態を指します。
わかりやすく言うと…
「親指を広げたり、ひねったときに、手首の親指側がズキッと痛む腱鞘炎」です。どこがどうなっている?
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親指を動かす筋肉は、手首の「橈骨茎状突起(とうこつけいじょうとっき)」のあたりを通ります
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この部分を包む「腱鞘」という組織が、使いすぎや負荷の集中で炎症を起こす
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結果、腱と腱鞘がこすれて痛みや腫れ・動かしにくさが生じる
ドケルバン病の特徴キーワード
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親指の付け根が痛い
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手首の親指側が腫れている
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スマホ操作や抱っこで悪化
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親指を内側に曲げて手首を倒すと痛む(フィンケルシュタインテスト陽性)
ドケルバン病と腱鞘炎の違い・似てる病気との比較
「手首が痛い=腱鞘炎」と考えていませんか?
実は一口に腱鞘炎といっても、その発生部位・症状の出方・対処法は大きく異なります。
ドケルバン病と腱鞘炎一般の違い
| 比較項目 | ドケルバン病 | 一般的な腱鞘炎 |
|---|---|---|
| 主な部位 | 手首の親指側(橈骨茎状突起付近) | 指の付け根・手のひら側など |
| 主な原因動作 | 親指の広げる・持ち上げる動作 | 指や手首の酷使全般 |
| 症状 | 親指の付け根がズキッと痛む/腫れる | 動かすと痛い・こわばり感 |
| 特徴的検査 | フィンケルシュタインテストで強い痛み | なし(動作時痛中心) |
似ているけど違う?他の疾患との比較
ばね指(弾発指)
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部位:指の付け根(掌側)
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症状:指の引っかかり・カクンと跳ねるような動き
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違い:親指以外にも起こる/「動きの異常」が主症状
TFCC損傷(手首の小指側)
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部位:手首の小指側〜尺骨頭周辺
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症状:手首をひねると痛む/クリック音がすることも
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違い:親指側ではなく小指側の痛み/回旋動作に関連
関節リウマチ・変形性関節症
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部位:手全体の関節
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症状:腫れ・こわばり・左右両方に出ることが多い
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違い:全身性疾患の一部として起こる/朝のこわばりが強い
ドケルバン病は「親指の使いすぎによる、腱と腱鞘の摩擦」が原因ですが、似たような症状でも根本原因や対処法が異なるケースが多くあります。
だからこそ、「どこが痛いのか」「どの動作で痛むのか」を正確に見極めることが、正しい判断と対処につながります。
なぜ親指の付け根が痛むのか?原因メカニズム
ドケルバン病の痛みは、ただの使いすぎでは説明できないことも多くあります。
実は、体の構造や使い方のクセによって、親指に負担が集中しやすくなっているのです。
ここでは、整骨院の視点から、親指の付け根が痛くなる本当の理由をわかりやすく解説します。
親指を動かす「2本の腱」と「腱鞘」の関係
親指を広げたり持ち上げたりするときに使われるのが:
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長母指外転筋腱(APL)
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短母指伸筋腱(EPB)
これらの腱は、手首の親指側(橈骨茎状突起のあたり)で1本の腱鞘トンネルの中を通過しています。
この腱鞘部分に炎症が起こると、腱との間で「こすれ」が生じ、動かすたびに痛みが出るようになります。
これがドケルバン病のメカニズムです。
「使いすぎ」だけではなく“使い方のクセ”が原因に
実際の臨床では、次のような動作パターンでドケルバン病を発症する方が多く見られます:
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抱っこや荷物を片手で持つ習慣(親指に力が入る)
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スマホ操作で親指を過剰に動かすクセ
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家事で手首をひねるような動作の繰り返し
これらの動きに共通するのが、「手首を固定した状態で親指を酷使する」こと。
つまり、「親指だけに負担が集中する構造・習慣」が痛みの根本原因となっているのです。
加えて注意したい「滑走障害」の視点
腱や筋膜には「滑走(=滑りながら動く)」という性質があります。
この滑走が悪くなることで、腱鞘と腱が摩擦を起こしやすくなり、炎症を繰り返すという悪循環が生まれます。
これはFJA理論(ファシアティック・ジョイント・アプローチ)でいう滑走障害の考え方です。
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筋膜の癒着や拘縮
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肩〜肘〜手首の連動性の乱れ
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姿勢不良による関節負荷の集中
こうした全身的な原因が、親指の痛みとして現れているケースも少なくありません。
セルフチェック・症状分類
「ドケルバン病かもしれないけど、まだ病院に行くほどでは…」
そう思っている方へ向けて、自分でできる簡単なチェック方法と、今の状態に合わせた対応の目安をお伝えします。
【まず試そう】フィンケルシュタインテスト
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親指を手のひらの中に折り込む
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他の4本の指で握りこぶしを作る
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その状態で手首を小指側にゆっくり曲げる(=尺屈)
この動作で、
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親指の付け根が鋭く痛む → ドケルバン病の可能性が高い
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違和感程度 or 痛みなし → 今のところ軽度の可能性
※無理にやる必要はありません。強い痛みがある場合は即中止してください。
症状レベル別チェックリスト
| 症状 | 状態 | セルフケアの目安 |
|---|---|---|
| 親指を動かすと軽く痛い/重だるい | 初期 | ストレッチ・日常の見直しで改善可能 |
| 抱っこ・スマホでズキズキ痛む | 中等度 | 安静・サポーター活用+必要に応じて相談 |
| 何もしていなくても痛む・腫れている | 重度 | 早めに専門家に相談・施術が必要 |
| 指がしびれる・力が入らない | 要注意 | 神経の関与が疑われるため受診を推奨 |
あなたの今の状態に合った次の一手は?
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「使いすぎたかな?」と思うだけなら → ストレッチ&姿勢見直し
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「痛みが続く・悪化してきた」なら → 無理せず安静&専門家相談
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「強い痛み・しびれ・腫れ」がある → 早めに整骨院や医療機関へ
状態に合わせた行動を選ぶことで、悪化を防ぎ、改善までの時間を大幅に短縮できます。
やっていいケア vs 避けるべき動き【安全基準】
ドケルバン病の対処で一番多いのが、「ストレッチしていいかどうかがわからない」という悩みです。
ここでは、症状レベル別にやっていいケアと避けるべき動きを明確に解説します。
やっていいケア(軽〜中等度の人向け)
1. 軽い前腕ストレッチ(親指を使わない)
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前腕(肘から手首)の内側と外側をゆっくり伸ばす
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親指は使わず、手のひらや手の甲を軽く引っ張る程度に留める
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痛みが出ない範囲で、呼吸を止めずに行う
2. 手首の脱力・ゆらし運動
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腕をダランと下げ、手首を小さく前後に揺らす
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親指に力が入らないよう、完全脱力で行う
3. 日常生活の工夫
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スマホは片手操作ではなく両手持ちに
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抱っこはスリングなどを使い、親指に負荷をかけない
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買い物袋は指でなく「腕にかける」スタイルに変更
避けるべき動き・ケア(悪化リスクあり)
1. 親指を強く引っ張る・伸ばす
→ 炎症がある腱と腱鞘の摩擦を強め、悪化します
2. フィンケルシュタインテストの繰り返し
→ チェック用のテストであり、毎日やると逆効果です
3. 指先だけで物を持つ・つまむ動作
→ 日常的に親指の腱に負担がかかる代表動作。「親指でつまむ」動作をなるべく避けることが重要です
まとめ:判断基準の目安
| 状態 | ストレッチ | 安静 | 専門相談 |
|---|---|---|---|
| 軽度の違和感 | ◯ | △ | △ |
| 動かすとズキッと痛む | △ | ◯ | ◯ |
| 腫れ・熱感・しびれ | × | ◎ | ◎ |
「無理せず、迷ったら専門家に確認する」
それが、ドケルバン病を悪化させない最大のポイントです。
安全にできる手首&親指周りケア
「セルフケアをしたいけど、悪化させたくない」
ドケルバン病の方にとっては、安全で効果的なセルフケアを見極めることがとても大切です。
この章では、症状の進行に合わせたステップ別のケア方法をご紹介します。
Step1|初期段階:前腕の緊張をゆるめるケア
前腕リリースストレッチ
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片腕をまっすぐ前に出す(手のひらを下向き)
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反対の手で手首を軽く下に倒し、前腕の伸びを感じるところで15秒キープ
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親指には力を入れないことがポイント
効果:前腕〜親指への負荷軽減/手首の動きを支える筋肉を整える
Step2|中等度:手首と肘をつなぐ滑走性を整えるケア
リズムスイング(脱力運動)
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腕をだらんと垂らしてリラックス
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手首を小さく左右に揺らす(5〜10回)
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親指を使わず、完全に力を抜くのがコツ
効果:滑走障害の予防/腱の摩擦を減らす
Step3|回復期:肩や肘の動きを整えて再発予防
肩甲骨まわりのストレッチ
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両手を前で組み、肩甲骨を引き離すように腕を前へ伸ばす
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深呼吸をしながら15秒キープ
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無理に背中を丸めず、肩の動きを意識
効果:上肢全体のバランス改善/親指の負担分散
ポイントまとめ
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ストレッチは「親指そのもの」より「周囲から緩める」が鉄則
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「痛みが出ない範囲」で「気持ちよさ」を感じる強度にとどめる
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朝や入浴後など、体が温まっているときに行うと効果的
治療・ケアの効果を上げる実践的ポイント
せっかくセルフケアや治療を始めたのに、「いまいち効果を感じない…」という声も少なくありません。
それはやり方が間違っているのではなく、タイミングや組み合わせが最適でない場合が多いのです。
この章では、ケアの効果を最大限引き出すための実践的なコツをお伝えします。
1. タイミングは「温まった状態」で行うのがベスト
ストレッチやマッサージは、朝起きた直後や運動後、入浴後のように、筋肉や腱が温まっているときが最適です。
逆に、
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寒い場所でいきなり行う
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就寝直前で体が冷えている
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疲労がピークのとき
こうしたタイミングでは筋肉が固く、無理に伸ばすと逆効果になることも。
2. 継続するなら「毎日5分」でもOK
ドケルバン病のケアは、短時間でも毎日続けることが重要です。
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朝の支度中に軽く前腕ストレッチ
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スマホ操作の合間にゆらし運動
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入浴後に肩周りをゆっくり動かす
「続けられるリズム」を自分なりに見つけて習慣化しましょう。
3. サポーター・テーピングの使い方にも注意
「親指が痛いからサポーターをずっとつけている」という方は要注意。
正しい活用法:
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長時間つけっぱなしにしない(筋力低下の原因に)
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痛みが出る作業時だけ装着する
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巻き方は親指を開きすぎず、軽く支えるイメージ
当院でも、症状に応じた正しい巻き方の指導を行っています。
4. 動き方を変えることが最大の再発予防
ストレッチや施術だけでなく、日常の手の使い方や姿勢のクセが改善されなければ、再発のリスクは残ります。
たとえば:
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スマホを片手で操作 → 両手持ちに
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買い物袋を指で持つ → 肘にかけるスタイルへ
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抱っこで手首を反らす → 腰ベルトなどでサポート
小さな意識の積み重ねが、回復と再発予防の決定打になります。
整骨院・整形外科・物理療法の使い分け
「この症状って、病院に行くべき? それとも整骨院?」
ドケルバン病のような親指の痛みに対して、どの専門機関に相談すればいいか分からない方も多いのではないでしょうか。
この章では、症状の段階別に「整骨院・整形外科・その他療法の使い分け方」を解説します。
整形外科|画像診断・注射・手術などが必要なケース
適している状態:
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痛みが強く、安静にしても悪化している
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親指や手首が腫れて動かせない
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しびれや感覚異常が出ている
整形外科では、レントゲンやMRIなどで他の疾患(骨折・神経症状など)との鑑別が可能です。
必要であればステロイド注射や、手術(腱鞘切開術)といった選択肢もあります。
整骨院|原因を評価し、再発予防まで対応したい方に
適している状態:
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軽度〜中等度のドケルバン病(痛みはあるが日常生活は可能)
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姿勢や腕の使い方など根本的な原因を改善したい
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セルフケアや動き方の指導を受けたい
整骨院では、レントゲンなどの画像診断はできませんが、筋膜・関節・滑走性の評価や、原因に合った施術による根本改善が可能です。
特に当院のようなFJA理論(ファシアティック・ジョイント・アプローチ)を用いる整骨院では、「なぜ親指に負担が集中したのか?」を全身から分析し、再発しにくい体づくりまでサポートします。
その他:物理療法・リハビリとの併用も有効
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超音波療法・電気療法 → 急性期の痛みや炎症を抑えるサポートに
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作業療法(OT) → 手の機能回復や動作訓練に強みあり
これらは整形外科と併設されていることが多く、複数の選択肢をうまく併用するのも一つの方法です。
迷ったときの判断基準
| 症状 | まず相談すべき場所 |
|---|---|
| 急激な痛み・腫れ・しびれ | 整形外科 |
| 慢性的な痛み・再発 | 整骨院 |
| リハビリ目的 | OT(作業療法士)または整形併設施設 |
H2-9|みゅう整骨院のドケルバンアプローチ
ドケルバン病の本当の改善には、「痛みを抑える」だけでなく、「なぜそこに負担が集中したのか?」を解消する視点が欠かせません。
みゅう整骨院では、単なるマッサージやストレッチではなく、FJA理論に基づいた全体評価と施術で根本改善を目指します。
痛い親指だけを見ない「全身アプローチ」
多くの整形外科や整体院では、親指の痛み=その部分の治療という流れになりがちです。
しかし当院では、以下のような点を初回からチェックします:
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肩や肘の動きに制限がないか?
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前腕の筋膜がねじれていないか?
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姿勢や日常動作で負担が偏っていないか?
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関節の滑走(スムーズな動き)が阻害されていないか?
これは、FJA理論(ファシアティック・ジョイント・アプローチ)という、筋膜・関節・動きの滑らかさ(滑走性)を軸にした評価法によるものです。
FJA理論による評価の流れ
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問診・視診で動作時のクセを確認
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筋膜の滑走性テストで問題部位を特定
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施術と同時に再評価・再教育を行い、日常生活での改善点まで指導
「親指の痛みだけ」ではなく、体全体で動くための設計を整えることが再発予防にもつながります。
改善事例
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40代女性・保育士
→ 抱っこやおむつ替えで親指がズキズキ。肩甲骨〜前腕の滑走改善と生活動作の見直しで、2週間後には痛みが7割軽減。 -
30代主婦
→ スマホと買い物袋の影響で発症。ストレッチ指導+テーピング指導で1ヶ月後には痛み消失、再発なし。
当院が大切にしていること
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「今の痛み」より「これからの生活」のための施術
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最小限の介入で、最大限の回復を目指す
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再発させない体の使い方まで指導する
まとめ|親指の痛みは正しい理解と判断が大切
親指の付け根が痛む「ドケルバン病」は、軽く見られがちな腱鞘炎の一つですが、適切な対処をしなければ慢性化や再発のリスクが高い症状です。
今回の記事でお伝えした重要ポイント
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ドケルバン病は、親指の腱と腱鞘の「摩擦」による炎症
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「ただの使いすぎ」ではなく、体全体の使い方が影響している
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セルフチェック・ストレッチも、やり方次第で悪化する可能性あり
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専門機関を使い分けて、早期に正しいアプローチを受けることが大切
今すぐできる「あなたに合った行動」とは?
| あなたの状態 | 今日からできる行動 |
|---|---|
| 軽い違和感がある | 前腕ストレッチ&親指の使いすぎを見直す |
| 動かすとズキッと痛む | 安静+セルフケア中止+相談を検討 |
| 痛みが続いている/再発している | 整骨院などでの滑走性評価&施術を受ける |
「この痛み、いつまで続くの?」と不安なあなたへ
みゅう整骨院では、ドケルバン病を含む腱鞘炎に対して、FJA理論をベースに、滑走性・関節の連動・生活習慣のクセまで含めた根本的な改善を行っています。
「今のケアで合っているか不安」
「痛みを繰り返さないようにしたい」
という方は、どうぞお気軽にご相談ください。
※ただし、自己判断は禁物です。 痛みが強い場合や、症状が改善しない場合は、必ず医療機関を受診し、医師の指示に従ってください。
※免責事項
- 本記事の内容は、一般的な情報提供を目的としており、特定の治療法を推奨するものではありません。
- 個々の症状や状態に最適な治療法は、必ず医師の診断と指示に従ってください。
- 本記事の内容に基づいて行動し、万が一何らかの問題が発生した場合でも、当方では一切の責任を負いかねますのでご了承ください。
















