あなたもそうかも?意外と身近な産後うつのお話


「自分の子どもが可愛く思えない。私っておかしいのかな・・」
「産後、精神的に不安定な状態が続いている。産後うつかと不安になっている。」
「ほんの些細なことでイライラしたり、悲しくなる。みんなこんな状態になる?」
産後うつギリギリの女性は8割。
そして今、日本の妊産婦さんの死因の1位は自殺だそうです。
この事実を知って意外と思う方も多いのではないでしょうか?
ですが、産後うつは正しく対処し、乗り越えることが出来れば子育てを楽しむ余裕ができます。
この記事では産後うつに関しての情報をまとめて記載しています。
産後うつの症状で今まさに悩んでいる、身近にそのような方がいるという方のお手伝いが出来れば幸いです。

産後うつはマタニティブルーとは違う

マタニティブルーとは出産直後に気分が不安定になったり涙もろくなることで、通常は産後数日で症状が現れ、2・3週間で自然に回復するものです。
一方で、産後うつは産後約1ヶ月前後で症状が現れます。
産後うつは自然に症状が消えない場合もあり、治療が必要な場合もあります。

産後うつはどんな症状が出る?

 

・気分が落ち込む。希望が持てない。
・今まで楽しかったことが楽しくない。興味が湧かない。
・眠れない。眠りが浅い。途中で目覚める。
・自分はダメ人間だと思えてしまう。罪悪感を覚える。
・仕事や家事の効率が落ちる。ミスばかりする。
・死を考える。死が頭から離れない。
 
このような症状が出ているにも関わらず、「自分はうつにならない」「頑張りが足りないんだ」と自分でも気づかずに放っておいて悪化しているケースもよくあります。

産後うつの原因は?

・環境の変化

赤ちゃんが生まれると急に生活が赤ちゃん主体のリズムに変わります。
それによって、「いままで出来ていた家事が出来ない」「お弁当も作れない・・」などとイライラや自己嫌悪がたまってくる場合があります。
また、不規則な睡眠・寝てるつもりでも緊張状態が続いており眠れていないということも産後うつの原因のひとつであると考えられています。

・体の変化

よく言われるホルモンバランスの変化は産後うつに大きく関係しているとされています。
また、体力が落ちていたり産後の体力の回復が出来ておらず、思ったように体が動かない、痩せない、といったストレスも産後うつには関係しています。

・不安、孤立感

日中赤ちゃんとずっといると話し相手もおらず、「この育児はいつまで続くのだろう」と不安を解消できず、孤立感を感じてしまうことがあります。
仕事に復帰をする予定のお母さんであれば、周りの同僚に置いていかれているような気になったり、自分がいなくてもいいんだという疎外感を感じる場合も多くあります。
妊娠中には医療機関での検診などこまめにサポートが整っているのに、産後は急に医療との関わりが少なくなるということも今は問題視されつつあります。
このような感情面もうつの症状と関連深い部分です。
 
上記のような状態が重なり合って起こることで、自分でも気づかないうちに産後うつの状態に陥ってしまいます。

対処方法

・睡眠時間を確保する

育児に追われていると、「赤ちゃんが寝ている間に家事をしよう」と思ってしまいがちですが、夜も授乳のために細切れ睡眠になりますので出来れば赤ちゃんと一緒に昼間もお昼寝をしましょう。

・完璧にやろうとしない

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責任感が強い頑張り屋さんほど、産後うつになりやすい傾向にあります。
家事や仕事は完璧にできても、子育ては自分でコントロールできない部分が多く、思ったとおりに行かないものです。
家事が思い通りに進まなくても、今は赤ちゃんとの時間を大切に。と思っておきましょう。

・育児本はあくまでも参考に

育児本は確かに参考になることも多々あるかと思いますが、成長は個人で様々です。
私の育児が間違っている?という不安は誰にでもあります。
産後1カ月の乳児健診や地域の保健師は相談窓口でもありますから、気になっていることがあったらぜひ率直に相談してみてください。

出産前の下調べ

産後うつを発症したお母さんの中には日々のお世話や家事に手一杯になり、気が付けばうつになっていたというケースが多々あります。
妊娠中から産後の生活をイメージし、サポートしてくれる家族や親族がいればお願いしておきましょう
また、追い詰められる前に頼れるような場所を事前に探しておくことも必要です。
地域の保健センターやママサークル、家事や育児のサポートを行なっている自治体もありますので、これらの情報も集めておきましょう。

周りの人に知っておいて欲しいこと

産後うつは経験していないと分からないものです。
もっと周りに頼ればいいのに、という声もありますが、それが出来ずに困っている方も多くいらっしゃいます。
自分でもどうして欲しいのかが分からないという場合もあるのです。
周りがサポートしてあげれば、産後うつは必ず良くなります。
どうしてあげれば良いか分からない時でもゆっくり話を聞く時間をもつサポートする側もひとりで悩まずに誰かに相談をするなど一緒に乗り越えてあげることがとても重要です。

まとめ

産後は責任感や本当に様々な不安がのしかかってきます。
ですが出産し、母親になったからといって最初からきちんとお世話が出来るわけではありません。
「赤ちゃんと一緒に成長していこう」と考え、おおらかな気持ちで向き合っていけるといいですね。