慢性疲労症候群はどこの病院で診てもらえばいいの?

「慢性疲労症候群に対して理解のある病院はどのような病院?」
「近くに慢性疲労症候群を診てくれる病院がない・・」
「慢性疲労症候群は病院でそのような治療を行うの?」

慢性疲労症候群という病気自体は昔からあったものですが、病気として注目され出したのは比較的最近のここ30年程の話です。
この病気は「怠けているだけ」と思われがちで、周囲も本人でさえも病気であるという事を認識していない場合があります。
ですが、単に疲れているというだけではなく、慢性疲労症候群の他にも身体的疾患や精神的疾患が潜んでいる場合があり、そのような場合にはきちんとした治療を受けることが必要となってきます。
病院へ行こうか悩んでいる、このような症状で病院に行ってもいいものなのか・・と悩んでいる方はぜひこの記事を参考にされてみてください。

慢性疲労症候群とは・・

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患者さんが訴える自覚症状としては身体・思考両方の激しい疲労とそれに伴って起こる日常生活への支障があります。
原因は不明で、通常の血液検査や全身の検査でも異常が見当たらず精神的疾患もない場合に疑われる病気です。
完治は稀ですが、治療によりある程度の改善は認められるとされています。
具体的な症状としては
・疲労感
・痛み
・思考力の低下
・微熱の継続
・睡眠障害
・精神障害
・全身症状
このような症状が出現します。
一般的にはこれらが6ヶ月以上継続することとなります。
重症化すると日中も寝たきりの生活となり、社会的な支援が必要な状態にまで陥ることもあります。

病院はどこへ行けば良い?

この病気は冒頭でもお伝えしましたように、まだ歴史の浅い病気であるために適切に診断・治療ができる医療機関は全国的に少ないとされています。
また、認知度も低く情報が少ないというのも現状です。
現段階で慢性疲労症候群を専門的に診てくれる病院
・ナカトミファティーグケアクリニック
・大阪市立大学医学部付属病院 疲労クリニカルセンター
 (上記病院の紹介状が必要)
・桑名東医療センター(桑名市総合医療センター)
・九州大学病院 心療内科
・国際医療福祉大学(準備中)
上記のような病院です。
この他にも病院はありますが、なかなか病気を理解してもらえずに辛い思いをしたという方も少なくありません。
もちろん全ての病院がそうとは限りませんが、認知度が低く、診断には専門的な知識が必要な病気であるという事を知っておいてください。
まずは近くの病院に行ってみたいという方は内科や心療内科・精神科を受診してみてください。

病院で行われる慢性疲労症候群の診断基準

日本では2015年にアメリカの研究機関が発表した新しい診断基準を元に重症度基準や鑑別診断を追加した臨床診断基準が使用されています。
元となった診断基準は
1・発症前と比べて活動レベルが50%以上低下するなどの重度の疲労が6ヶ月以上続く。
2・健康な時であれば問題のなかった軽度の労作で極度に倦怠感が増す。
3・睡眠障害がある。
以上の3つを満たしていて、かつ
・記憶力や思考力の低下
もしくは
・起立性調節障害
のいずれかを認めるものとされています。
この事からも分かるように診断には時間がかかるもので、病名が分かるまでに3~4年ほどかかる人も少なくありません。

病院で行われる慢性疲労症候群に対する検査

慢性疲労症候群が疑われる時に行われる検査をご紹介します。

・疲労度計

自律神経の機能を見ることで疲労の度合いを測ります。
数分で行うことが出来る検査で、人差し指を使って赤外線センサーや電極で測定を行います。

・酸化ストレス、抗酸化力テスト

血液検査によって体内の抗酸化力のバランスを測ります。
慢性疲労症候群になると、体内の酸化ストレスを抑えることが出来なくなり、バランスが崩れることが分かっています。

・睡眠検査

睡眠の状態が悪いと疲労がさらに抜けにくくなったり、反対に疲労が溜まることで睡眠の質が悪くなるという悪循環に陥っている可能性も考えられます。
睡眠時の状態を検査することで日中との関係性を検査することで睡眠障害の原因を考えることが出来ます。

・心理検査

基本的に臨床心理士とともにストレスの有無やストレスの度合いをチェックします。
それらの結果から慢性疲労症候群とどのように関係しているのかカウンセリングしていきます。

このように慢性疲労症候群の検査では数値で見える検査数値では測れない検査を複合して行います。
同じ病気でも検査で異常が見られない場合もあるということが慢性疲労症候群の特徴でもあります。

まとめ

いかがでしょうか。
慢性疲労症候群の発症は女性が多く、その中でも20~30代の方が65%を占めているとされています。
原因がはっきりしていない病気であるために、病院で治療を受けても効果が思うように出ない場合もありますが、治療が上手くいって社会復帰をされている方もいらっしゃいます。
まだまだ分かっていないことがたくさんある病気で、専門的に診てくれる病院も少ないですが、きちんと効果が出ている方もいらっしゃるということです。
ただし、この病気は治療に時間のかかる病気であることには間違いありません。
専門病院ももちろんいいのですが、ご自身が信頼できる医師のいる病院を探して、焦らずにゆっくり治療を行っていきましょう。