気管支喘息の病態を知って、悪化を防ぐ!

「どのような状況で気管支喘息の発作は起こる?」
「悪化を防ぐにはどうすれば良い?」
「気管支喘息は完全に治るの?」

気管支喘息は悪化すると命に関わることもある病気です。
特徴的な症状である発作は起こりやすい要因がある程度決まっています。

きちんと病態を知った上で、発作や悪化を防ぐ参考になれば幸いです。

気管支喘息とは・・

気管支喘息(以下、喘息)は突然起こる気道の狭窄によって生じる咳や呼吸困難などです。
具体的には息を吐くときにヒューヒューと高い音が聞こえる喘鳴呼気延長呼吸困難といった症状が出現します。
呼吸困難では基本的に吐くことが辛くなるのですが、症状が進行すると吸うこと・吐くことの両方が辛くなります。

このような発作は自然に治癒する場合もあれば、薬を使用して治療しなければいけない場合もあります。

喘息の病態

基本的な喘息の病態は慢性的な気道炎症と気道過敏症です。
気道の炎症は喘息発作が生じていない時でも常に起こっています。
軽度の気道炎症であったとしても発作が生じ、何度も繰り返すことで炎症が悪化し、また治って・・いったことを繰り返していると気道の組織自体が変性を引き起こします。
このように気道組織が変性を起こすことを「リモデリング」と呼びます。
リモデリングが繰り返された気道は非可逆性の気道狭窄の要因となり、喘息の重症化につながります。
 
また、リモデリングの亢進は気道過敏症も悪化させるとされています。
気道過敏症は健常者であれば反応しないようなわずかな刺激に対しても気道が反応し、喘息の発作が起こる状態です。
どのような刺激に対して反応しやすくなるのかなどは次項で詳しくご紹介します。

では、喘息発作時はどうでしょうか?
喘息発作が生じている際には気道狭窄が起こっています。
気道狭窄の原因は気道平滑筋の収縮、気道粘膜のむくみ、粘液の過剰分泌です。
これらは全て、空気の出入りが妨げられることに通じています。

いろいろと書きましたが、要するに喘息は気道の炎症です。
例えば、BBQをしている時。
火が消えかけた時にもう一度うちわなどで仰ぐとまた火が勢いよく燃え上がりますよね?
喘息の病態もそれと同じようなものです。
一度症状が治まったとしても、なかなか完全には消えにくく何らかの刺激が入ると急激に症状が悪化するのです。

悪化させる要因は・・?

では、喘息の発作を引き起こす刺激には具体的にどのようなものがあるのでしょうか?
それには
たばこの煙、排気ガス、室内のホコリやダニ、冷たい空気、疲労やストレス、気温や気圧の変化、運動
このようなものがあります。
もちろん、このようなものの中のひとつが悪化の要因になるという訳ではなく、様々な要因が関係して喘息の病態は悪化します。
喘息の発作が起こらないように注意するとともに、どのような状況下で発作が起こりやすいのかということに注意しましょう。

どのような治療を行う?

治療には“まさに発作が起きている時の治療”と“発作時以外でも日常的に行う治療”の2種類があります。

◯発作時の治療

発作を一刻も早く抑えるために短時間で効果が現れる薬を用いて治療を行います。
これは「発作治療薬(リリーバ)」と呼ばれています。
これには「短時間作用性吸入β2刺激薬(SABA)」が第一選択となります。
即効性のある治療薬ですので、何度か吸入を行っても症状が改善しない場合には病院で診察を受けましょう。
病院では点滴で全身ステロイドが投与されます。
その後の経過が順調であれば帰宅できますが、状態によっては入院治療が必要となる場合もあります。

◯日常の治療

日常では慢性的な気道炎症を抑える効果のある治療薬を用いて継続して治療を行っていきます。
これは「長期管理薬(コントローラー)」と呼ばれています。
主な長期管理薬には「吸入ステロイド薬」「ロイコトリエン拮抗薬」が挙げられます。
吸入ステロイドは薬剤を吸い込むことで気管支に直接効果を発揮してくれます。
副作用も少ないため、気管支喘息の代表的な長期管理薬です。
ロイコトリエン拮抗薬は内服薬です。
吸入ステロイドと同じく気道の炎症を抑える作用がありますが、こちらの方が効果はやや弱くなります。
比較的軽症の場合には、こちらの内服薬のみで長期管理を行っていく場合もあります。

病態から考える予防法

喘息=気道の炎症というお話は前述の通りです。
では、普段からどのようなことに注意すれば喘息の発作を防ぐことが出来るのでしょうか?
例えば、日本で悪化の要因としての割合が高い“ダニ”を例に挙げてみます。
ダニ対策で1番効果的なことはやはり“こまめな掃除”です。
掃除の基本は掃除機でほこりを吸い取った後に水拭きを行うという方法です。
次に“換気”です。
ダニは暖かく、湿度の高い場所で繁殖します。
そのため最低でも1日に1回は窓を開けて室内の空気を入れ替えましょう。
また、寝具の天日干しもダニ対策に有効です。

このようなことに注意する事で、気道の炎症を抑え、喘息発作の予防と病態の悪化を防ぐことに繋がります。

まとめ

気管支喘息の病態と悪化要因、対策についてご紹介しました。
喘息は一度発症した後に放っておくことがいかに危険であるかということは知って頂けたかと思います。
喘息と診断された方はそのことをきちんと知った上で、症状が収まっている時も治療を怠らないように注意しましょう。
日頃の体調にもくれぐれもお気をつけくださいね。