バセドウ病とその治療法について

「バセドウ病と診断された。治療はどのようにして行われるの?」
「バセドウ病の治療選択で悩んでいる。」
「症状によって治療方法は変わるの?」

バセドウ病は芸能人が病気を発表したことで名前が知られた病気です。
治療方法にはいくつかの種類があり、病状や年齢、社会的環境などを考慮して治療方法を選択していきます。
ここでは治療の方法とそれぞれの長所と短所をご紹介します。
治療の方法に悩んでいる、これからどうしていけば良いか分からない・・という方の参考になれば幸いです。

バセドウ病ってこんな病気

バセドウ病は甲状腺機能亢進症という病気で、女性に起こりやすいとされています。
名前の通り、甲状腺の機能が亢進して起こる症状なのですが、
甲状腺って何?
という事を簡単にご説明します。
甲状腺とは喉仏の下あたりにある組織です。
そこから分泌される甲状腺ホルモンは体の様々な組織や代謝の機能を調整してくれています。
本来であれば甲状腺ホルモンが血中に多くなると、低下させるように働かなければいけないのですが、それがうまくいっていかずに血中の甲状腺ホルモンが過剰になっている状態です。
症状としては体重減少・食欲旺盛・動悸・手足の震え・疲れやすさなどが現れます。
外見としては眼球突出や甲状腺の腫れも見られます。

治療方法は大きく3つ!

バセドウ病の治療目的は
主な治療方法としては
・薬物治療
・放射線治療
・外科的治療
このような3つから選んで治療が行われます。
以下に詳しい治療内容や適応をご紹介していきます。

薬物治療

 

抗甲状腺薬という甲状腺ホルモンの合成を抑える薬を服用する治療法です。
薬の種類はメルカゾールやチウラジールといった2種類であることが多いです。(チウラジールと同成分のプロパジールも使用されることがある。)
薬を服用して3ヶ月経てば症状は治まっていきます。
ただし、この期間は薬による副作用があります。
副作用にはかゆみ程度のものから肝機能の異常や白血球の数値の低下などすぐに薬を中止して検査を行わなければいけないものもありますので、気になった場合には早めに主治医に相談しましょう。
内科治療の場合には症状が落ち着いてからも甲状腺ホルモンの数値を測定し、薬の量を調整しながら1〜3年ほどは服用を続けることが必要となります。

放射線治療

アイソトープ治療とも呼ばれる治療で、放射性ヨウ素のカプセルを服用して行います。
放射性ヨウ素は甲状腺に集まる性質があり、集まった放射性ヨウ素が甲状腺の細胞を減らすことで甲状腺ホルモンを減らす効果が期待されます。
この治療法では甲状腺ホルモンの数値の変化が大きいため、しばらくは継続した通院が必要となります。
副作用としては甲状腺が破壊されすぎることで反対に「甲状腺機能低下症(橋本病)」になってしまうということが挙げられます。
そうなった場合、甲状腺ホルモン剤をずっと飲み続けることとなります。
また、放射線を使った治療法なので、18歳未満や妊娠中・授乳中などの方には行うことが出来ないという制限もある治療法です。

外科的治療

外科的治療とは甲状腺自体を摘出する手術です。
手術では甲状腺を少しだけ残す方法と全摘出する場合があります。
近年では再発の可能性を考慮して、全摘出で行われることが主流になりつつあります。
全摘出する利点は何より再発が少ないことです。
手術後は甲状腺機能低下症となるため、甲状腺ホルモンの服用が必要となります。

それぞれの長所と短所

内科治療

長所

薬を飲むだけで良いので、あらゆる年齢の方に行うことが出来る。
通院しながら治療を行うことも出来、診断を受けてからすぐに治療を始めることが出来る。

短所

薬を使用するため、副作用の発生が考えられる。
治療期間が長期に渡り、再発の可能性がある。

放射線治療

長所

薬物治療に比べて短期間で治療出来ることが多い。
甲状腺腫が大きく、薬物治療が出来ない場合にも適応できて再発や副作用のリスクが少ない。

短所

治療を受けることが出来る施設が限られている。
甲状腺機能低下症になりやすく、抗甲状腺薬を1年ほど飲み続けなければいけない場合がある。

外科治療

長所

治療効果が早期に現れる。
手術の翌日から抗甲状腺薬を中止出来、再発も少ない。

短所

手術の傷跡が残る
入院が必要となり、甲状腺機能低下症を発症する。

まとめ

いかがでしょうか?
バセドウ病の治療にはどれも長所と短所があり、その時の病気の状態やご自身の生活環境から治療方法を選択していくこととなります。
もちろん医師と相談しながら決めるものですが、これから行う・もしくは今行なっている治療がどのようなものなのかを知っておくことは重要です。
きちんと知った上で治療を勧められるようご自身でも情報を集めてみてくださいね!