腰痛の原因となる婦人科疾患にはどのようなものがある??

「腰痛があって病院に行きたいが、整形外科か婦人科どちらに行けば良いか悩んでいる。」
「腰痛の原因が子宮の病気だったらどうなるの?」
「どのような婦人科疾患が腰痛の原因になるのか知りたい。」

腰痛にお困りの女性であれば腰痛と婦人科疾患の関係性について一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
単なる腰痛であれば良いのですが、もしも婦人科の病気が潜んでいたら・・と思うと不安になりますよね。
インターネットを見るとたくさんの情報が載っていて調べるほどに不安が募っていくという方も多くいらっしゃいます。
この記事ではそのような腰痛と婦人科に関する正しい情報をご紹介していきます。
お困りの方は参考にしてみてください。 

女性の腰痛の4つの原因

女性の腰痛の原因は大きく4つに区分されており、

1・筋肉の衰え
2・背骨や椎間板の変形(腰椎椎間板ヘルニアなど)
3・ホルモンバランスの変化
4・婦人科疾患

このようになっています。
また、腰痛を発症する男女比は4:6で女性の方が多くなっています。
この要因に女性ならではのホルモンバランスや病気が関係していると言われています。
もちろん単なる疲労からくる腰痛であることもありますが、そうではない場合に関しては症状を正しく理解して適切な処置を行うことが大切となってきます。 

婦人科トラブルの特徴

日頃から腰痛があるからといって放っておいてはいけません。
腰痛以外にも以下のような症状があればもしかするとあなたの腰痛の原因は婦人科疾患かもしれません。

・じっとしていても腰痛がある
・月経の期間が長い、量が多い
・性交痛がある
・トイレが近い、尿が出にくい時がある
・下腹部痛がある

このような症状があるという場合には要注意です。 

腰痛と不正出血は特に注意が必要

婦人科トラブルに伴って不正出血が起こる場合もあります。
腰痛が婦人科疾患と関係しているのかな?と思った際にひとつの基準に出来る部分ですので、これに関しては少し詳しく説明しておきます。

・不正出血とは

不正出血とは生理ではない時になんらかの原因で出血することを指します。
不正出血の原因には

婦人科疾患・ストレス・着床時出血・ピルの使用

このようなことが挙げられます。
色は赤黒い色や茶色い織物のようになることが多く、出血からの時間が短いほど鮮やかな色となっています。

・不正出血があれば婦人科疾患がある?

不正出血と聞くと何だか怖いイメージがあるかと思います。
もちろん、婦人科疾患があってその関係で不正出血が起こっている場合もありますが、そればかりではありません。
例えばピルを使用した場合やまだ10代の場合には無排卵出血と言って心配のない不正出血が見られる場合があります。
ですので、不正出血があり、腰痛も併発している場合でも必ずしも婦人科疾患が影響しているという訳ではありません。

・このような不正出血を伴う腰痛の場合は病院へ!

基本的には上記に当てはまらない場合で腰痛と不正出血があるという場合には早期に産婦人科で診察を受けた方が良いでしょう。
婦人科の病気は若年層に多く発生するものもあり、進行が早いものもあります。
早期の発見が重要となりますので、早めの受診をおすすめします。
腰痛以外にも疾患によって伴う症状が変わりますので、以下に疾患について詳しくご紹介していきます。 

腰痛を伴う婦人科疾患と治療法

・子宮筋腫

子宮筋腫は30〜40代の女性に多いとされています。
良性の腫瘍が子宮の筋肉の一部に出来てしまうものですが、大きくても必ずしも症状が出るという訳ではありません。
腰痛以外の自覚症状としては

月経過多・不正出血・頻尿・下腹部痛・習慣流産

などが見られます。

(治療法)

良性の腫瘍なので、基本的には経過観察で十分です。
ですが、腰痛や他の症状が重く、日曜生活に支障を来たす場合には治療が必要です。
治療方法には鎮痛剤・漢方や低用量のピルを使用する場合などがあります。
この方法で効果が出ないという場合には手術となる可能性もあります。
手術には筋腫のみ摘出する方法から子宮を丸ごと摘出してしまう方法まであります。
しかし、近年では体に負担の少ない新しい手術の方法もあります。
症状と状態によって治療方法は変わりますので、医師とよく相談しましょう。

・子宮内膜症

子宮内膜は子宮体部の内側を覆っている膜のことです。
月経はこの子宮内膜が剥がれて体外に出てくる状態です。
子宮内膜症はこの子宮内膜に似た組織が子宮内腔以外の組織にも出来てしまう病気のことです。
出来る部分は子宮筋層・卵巣・ダグラス窩・腹膜・卵管と様々です。
このような部分に出来てしまうと月経の度にその部分で剥がれ落ち、本来体外に排出されるはずだった血液はどんどん溜まっていきます。
その血液によって炎症癒着が起こってひきつりやねじれが起こることで腰痛を引き起こすのです。
子宮内膜が出来る部位にもよりますが、腰痛以外の症状としては
月経痛・性交痛・不妊・排便痛・下血などが起こります。
悪化すると月経が終わってからもこれらの症状が続くようになります。

(治療法)

まずは鎮痛薬やホルモン療法が行われます。
手術になる場合には病巣のみを取り除く方法から子宮や卵巣を全て取ってしまう方法まで様々あります。
治療法に関しては患者さんの症状や年齢・治療歴・出産の希望なども考慮して決定することが多いようです。

・子宮体がん、子宮頸がん

子宮体がんは子宮内膜の表面にできる悪性の腫瘍で子宮頸がんは子宮頸部にできる悪性の腫瘍を指します。
特に子宮頸がんは若年者にも多い病気とされており、進行も早くなっています。
子宮頸がんの自覚症状は不正出血やおりものなどの異変が出て、その後に腰痛や血尿など他の症状が出ることが多いとされています。
子宮体がんの腰痛の特徴はお腹が重苦しい・張っている・スッキリしないというように表現されることが多いです。
また、がんが子宮の奥に入り込むことで腰に痛みを感じることもあるようです。

(治療法)

基本的には手術で行われることが多くなっています。
摘出する部分についてはがんの浸潤や部位によって変化します。
今後妊娠を希望する方や進行が進んでいない場合にはホルモン療法が行われる場合もありますが、リスクもありますので、医師とよく相談して決めましょう。
手術の後には放射線治療抗がん剤治療が行われる場合もあるようです。

・性感染症

性行為によって感染する病気を性感染症と呼びます。
腰痛を引き起こす元となる感染症はたくさんありますが、代表的なものは性器クラミジアです。
これは初期に発見されれば問題はありませんが、女性の70〜80%は無症状であるとされています。
悪化すると子宮内膜炎・卵管炎・腹膜炎と症状が悪化していきます。
腰痛の他にも腹痛や不妊症に陥る場合がありますので注意が必要です。

(治療法)

基本的には抗生剤の服用によって行われます。
妊婦の場合、胎児が新生児結膜炎や肺炎に罹患する可能性もあります。
妊娠中でも治療が可能な為、不安がある場合には病院で相談して見ましょう。

子宮や卵巣の疲労でも腰痛は起こる

婦人科に関係する腰痛は病気になっていなくても起こる場合があります。
病院で調べても異常が見当たらなかった・・という場合には
子宮や卵巣の疲労
が原因となっていることも考えられます。

子宮や卵巣の疲労には

・骨盤の歪み
・ホルモンバランスの乱れ
・冷え

このようなことが関係してきます。
それぞれ生理痛がひどくなる、排卵痛が悪化する、血流不足のために子宮や卵巣に痛みを感じ、そこから関連痛をして腰痛を感じるということになります。
このような疲労も含め、婦人科疾患と関係する腰痛を防ぐために出来ることを以下にご紹介します。

婦人科疾患からくる腰痛を防ぐために出来ること

今は大丈夫だった、でもやっぱり不安・・という方は何か異常があった時に気付けるように日頃から注意しておきましょう。

1・月経周期を管理する

周期が定まっている、いない関係なく、毎月の月経の開始日と終了日をつけておくことは非常に良いことです。
月経不順が起こった際にすぐに気づくことができ、早期に異変に気づくことが出来るだけではなく、婦人科で診察を受ける際の手助けにもなります。

2・定期検診を受けておく

婦人科疾患の場合、腰痛などの自覚症状が出る前に症状が進行してしまうケースが多々あります。
定期検診を受けておくことで、子宮がんや子宮頸がん、その他の疾患についても早期に発見出来る可能性が高くなります。
自治体によってはがんなど特定の婦人科疾患の定期検診に対して助成金が出る場合もありますので、そのような機会があれば活用しましょう。

3・ストレスを溜め込まない

ライフスタイルの変化によるホルモンバランスの変化精神的なストレスが腰痛を伴う婦人科系の病気や月経トラブルの原因となる場合があります。
月経前のPMS(月経前症候群)による症状もストレスが多いほど強くなると言われています。
どんなに忙しくても1日のうち少しでも自分の時間を作る、好きなものを食べるなど上手にストレスを解消させる方法を見つけておきましょう。

まとめ

いかがでしょうか?
腰痛と婦人科疾患の関係性について知って頂けましたでしょうか?
女性の腰痛の原因は様々あり、原因が分からないという場合も多々あります。
ですが、婦人科疾患原因と分かり、きちんと治療を行うことが出来れば腰痛の症状は改善します。
放っておけばそのまま治るかな?や、なんとなく婦人科って行きにくい・・と思っている方も症状が進行する前に早めに病院で相談するようにしてみて下さいね。
また、女性の腰痛に関しては整体でも改善させることが出来るものもあります。
ご興味のある方はお気軽に当院までお問い合わせくださいね。