パニック障害を引き起こすきっかけは?

「パニック障害はどのようなきっかけで起こる?」
「どうしてパニック障害が起こったのか知りたい。」
「パニック障害を起こすようなきっかけが見当たらない・・」

最近、耳にする機会が増えてきた「パニック障害」
これまではこころの病気であるとされていましたが、最近では“脳の機能障害”という認識が一般的になってきています。
この事からもお分かり頂けますように、パニック障害は誰でもなり得る可能性のある病気です。
1度発症すると、徐々に症状が重くなり、日常生活に支障を来すほどになるという方も少なくありません。
この記事ではパニック障害を引き起こすきっかけとなる事柄や起こった際の注意点などをご紹介していきます。
ご自身が悩んでいる、周りに困っている方がいるという方は参考にしてみてください。

パニック障害ってどのような病気?

まずは“パニック障害”という病気についてご説明します。
パニック障害は突然、動悸や呼吸困難・吐き気などのパニック発作を引き起こす病気です。
パニック障害の特徴は大きく分けて先ほどの「パニック発作」、他に「予期不安」「広場恐怖症」これら3つがあります。
以下に説明をしていきます。

パニック発作

パニック発作は、強烈な恐怖心や不安感を感じる症状。
また、この発作が起きている最中に「このままだと死んでしまう」「誰も助けてくれない・・」という更なる恐怖を感じます。
発作自体は5~20分ほどでおさまり、検査を行なっても身体的異常は見つかりません。

予期不安

発作が起きていない間に「いつまたあの発作が起こるのだろう・・」と恐怖を感じる症状。
パニック障害に悩んでいる方は発作が起きていない間もこの予期不安に悩んでいます。

広場恐怖症

パニック発作の経験から予期不安が起こり、「もしここでパニック発作が出たらどうしよう」「電車の中だったら降りられない」などと考えることで、外出が困難になってくる症状。
この症状が出ると日常生活に大きな支障が出ることが多いです。

パニック障害の発症はおよそ100人に1人とされており、決して珍しい病気ではありません。
心当たりがある方は1度きちんと検査を受けて治療をしてもらいましょう。
また、周りにパニック障害に悩んでいる方がいらっしゃるという場合には、その方が上記の3つのどれかまたはほとんどを持っている方が多いので、知っておくと慌てずに対処が出来るでしょう。

パニック発作があるからと言ってパニック障害という訳ではない

少しややこしいお話ですが、パニック発作がある方が必ずしもパニック障害であるかと言うとそうではないのです。
パニック障害診断基準には

・2回以上の“予期しない”パニック発作があるということ
・少なくとも1ヶ月、予期不安があること
・他に疾患や薬の服用によるものではないということ

重要な診断基準としては上記のようなものが挙げられます。
ですので、パニック発作が起きる=パニック障害ではなく、パニック発作があり、発作による生活上の支障が発生して初めてパニック障害と診断されるのです。
パニック発作がきっかけとなってパニック障害を引き起こすということもありません。

パニック発作を引き起こすきっかけ

パニック障害の症状が進行すると、パニック発作の頻度が増えてきます。
また、最初のころは何の前触れもなく発作が起こっていたのが、ある一定の状況下やきっかけがあって起こるようにもなります。
以下にパニック障害をお持ちの方がパニック発作を引き起こしやすい場面をご紹介していきます。

・精神的なストレス

仕事が忙しい・家事に追われて時間がない・強くストレスのかかることがあるなどのように、精神的に追い詰められた状態が続くと発症することがあります。
精神的な重圧から息が出来ないような感覚に陥り、そこからパニック障害を引き起こします。

タバコやアルコール、カフェイン

これらの共通点は摂取することで不安を和らげるような特徴があるということです。
中でもタバコは吸っていない場合と比べると13倍以上も発症率が増加するという研究結果もあります。
これらは瞬間的に抗不安効果が得られますが、その反動で不安を引き起こしてパニック発作が起こるのです。
少しであれば問題のない場合もありますが、パニック障害をすでに持っているという方は注意しましょう。

肉体疲労

体に溜まる疲労物質の影響でパニック発作が起こる場合があります。
今のところ、肉体疲労がパニック発作の引き金となるということに関して明確な研究等はありませんが、実際にパニック障害に悩んでいる方の実感としては肉体疲労がきっかけとなって起こる場合も多いようです。

家庭や職場での人間関係のストレス

パニック発作はストレスが最高潮に達した際に起こることが多いことが特徴です。
家庭内の人間関係や職場での人間関係といった身近な環境でのストレスに対して追い詰められ、強い不安が起こるとパニック発作が起こります。

気温がきっかけとなって発症する場合も・・

パニック発作はもともと、気温の上昇によっても引き起こされやすいとされています。
実際にパニック発作は気温の上がる5月~7月にかけての発症が多くなっています。
気温の上昇は満員電車や人ごみの中でパニック発作を発症しやすいことにも関係しているのではないかと考えられています。
このような場合には冷たい水を用意しておくなどの対策をしておくと良いでしょう。

どのようにして発作を防げば良い?

パニック障害の発作を起こすきっかけについては知って頂けたかと思います。
では、そのきっかけを防ぐことは出来るのか?というお話です。
実は、きっかけはある程度分かっているものの、パニック障害の原因自体はまだ解明されていない部分が多くあります。
先ほどもご紹介しましたように、パニック障害によるパニック発作は脳の機能異常によるものという説が有力ではありますが、まだはっきりとは分かっていません。
ですので、発作を防ぐためにきっかけを作らないように注意するということが重要となってきます。
まずはご自身がどのようなきっかけで発作を起こしやすいのかを知った上で、肉体疲労を防ぐ、カフェイン摂取を控える、睡眠不足に注意するといった生活習慣を見直してみましょう

まとめ

いかがでしょうか?
パニック障害を引き起こすきっかけは日常生活の中にいかにたくさん潜んでいるかという事がお分かり頂けたかと思います。
もちろん、ここにご紹介した以外にも人によってきっかけとなる事は様々あり、分かっていない事も多い病気です。
不安がある方はまずはご自身の体と向き合って、どのようなきっかけで発作を起こしやすいのかという事を知っておきましょう。
もしも、周りにパニック障害の方がいらっしゃるのであれば、発作が起きないように注意してどのようなきっかけで発作を引き起こしやすのかを把握しておく、本人が気付いていないようであれば教えてあげるというようにしましょう。
パニック障害はきちんと治療を行えば治る病気です。
まずは今の状況を正確に知ることから始めてみましょう。