起立性調整障害でお悩みの高校生や周囲の方に知っておいてほしいこと

「起立性調節障害で高校に行けなくて悩んでいる。」
「周りからは気のせいだと言われて理解してもらえない。」
「子どもが起立性調節障害で悩んでいる。」

このように起立性調節障害でお悩みの高校生や悩んでいるお子様をお持ちの保護者の方もいらっしゃるのではないでしょうか?
起立性調節障害は主に10代の思春期の頃に発症する症状で、症状自体の予後は良好とされています。
しかし、症状が出ている間の日常生活の支障は著しいもので、長期の不登校などによってその後の社会生活には大きな支障が出る場合があります。
この記事では高校生を始めとする若い世代に多い起立性調節障害についてご紹介します。
ご自身が悩んでいる、身近に悩んでいる人がいるという方は正しい理解をした上で、うまく症状と向き合ってみてください。

どのような症状が出る?

起立性調節障害は思春期に発症しやすい症状です。
自律神経のバランスが悪くなることで脳への血流量が低下して様々な症状を引き起こします。
具体的には
・横になると起き上がることが出来ない。
・朝や午前中は調子が悪いことが多い。
・長時間立っているような集会などで立ちくらみやめまいが起きやすい。
・顔色が青白い。
・疲れやすい。
・頭痛がする。

上記のような症状が現れます。
ここに挙げたものは一例で、実際には他にも現れる症状はたくさんあります。
朝が起き辛いために学校へ行きにくくなるのですが、「学校へ行かないのは怠けているから」や「夜更かしするからだ」という風に誤解されてしまうこともあります。
しかし、起立性調節障害の場合はそうではありません。
なぜそのような状態になるのかということを次に詳しく説明していきます。

起立性調節障害は気の持ちようではない

起立性調節障害になると生活のリズムが5〜6時間後ろにずれてしまいます。
そのため怠けていると捉えられて理解されにくかったりします。
ですが、起立性調節障害は自律神経系の異常で循環器系の調節がうまくいかなくなる疾患なので、頑張って何とかなるというものではありません。
起立性調節障害で悩む高校生で適切な治療や自分の体調に合わせた登校が出来る通信制の学校へ転校することで症状が落ち着いたという声もよく耳にします。
症状が完璧に消えないとしても、体調に合わせた生活を送りながら治療を行うことで日常生活のレベルは上がることがしばしばあるのです。
初めは周りから誤解されることもあるかと思いますが、悲観しすぎずにきちんと治療を行うようにしましょう。
起立性調節障害の症状を持つお子様がいらっしゃるという保護者の方も初めは一緒に病院へ行くなどして、誤解がないように力になってあげてください。

どのような人がなりやすい?

起立性調節障害は先ほどもお伝えしましたように、思春期の中高生など若い世代に多く発症します。
そして、男子より女子の方が発症率が高いということも特徴のひとつです。
ちょうど心や体が急激に成長するこの時期に肉体的・精神的ストレスによって自律神経の働きに支障を来すことからこの年代に多いとされています。
また、性格的にストレスを溜め込みやすいタイプの方も起立性調節障害を発症しやすいとの報告もあります。
性格的には
“周囲に合わせがち”“自己主張が苦手”“頑張りすぎる”

このような性格の方が発症しやすいのではないかと報告されています。
しかし、起立性調節障害は誰でもなり得る病気です。
病気ということに気付かず苦しまないように異変があれば本人はもちろん、周囲も注意しておいてあげましょう。

学校とも相談しましょう

起立性調節障害は朝起きることが出来ないなどの要因で不登校になりがちです。
そのため、授業での配慮など学校側に必要なこともあります。
起立性調節障害の高校生のための対応指針や診断を受けるための医療機関の紹介が出来るように医療と連携を始めている自治体もあります。
周囲の教員が正しい理解をして必要な支援が出来るようになれば、その後の社会生活への影響も最小限に出来ると考えられています。

治療はどこで受けられる?

起立性調節障害は小児専門医以外では病気の認知度が低い傾向があります。
一般の診療科では起立性調節障害の症状は血液検査などの一般的な検査では異常が出ないために、よく不定愁訴として扱われがちです。
ですが、きちんとした診断ポイントがありますので、例え高校生であっても診察は小児専門医のいる病院で行ってもらう方が良いでしょう。

日常生活で症状を緩和させるポイント

起立性調節障害の症状は軽症であれば日常生活を工夫することで症状を緩和させることが可能です。
・水分を1日2ℓ、塩分を10gとる
・日中は寝転がらない
・長時間の起立を避ける

特に水分や塩分は循環血液量を増やして体の正常な機能を保つために非常に重要です。
塩分に関しても同じことが言えます。
食事が不規則になると塩分は少なくなりがちなので、生活リズムが乱れているという場合には意識的に摂るようにしましょう。

まとめ

いかがでしょうか?
起立性調節障害は症状もさることながら、周りから理解してもらえない誤解されているという点で高校生のような多感な時期には辛い思いをしている事も多いです。
病気であるということを認識し、きちんとした治療を受けられるようにしましょう。
また、起立性調節障害と付き合っていくには周囲の理解と協力が不可欠となります。
頑張っていることを理解して、学校や家庭の環境づくりに協力してあげるようにしてあげてください。
起立性調節障害の症状を改善するために自律神経のバランスを整えたい!家族の症状を改善するために診てほしい!という方はぜひ1度当院までご相談くださいね。