「月経前になるとイライラしてしまう。」
「何となくいつも月経前に体調が悪くなる気がする。」
「PMS漢方がいいと聞くが、使ったことがなく本当に効果があるのか不安。」
現在、PMSに関しては病気であるか、女性特有の生理現象であるかという問題は研究者の間で議論されていますが、どちらにせよ女性にとって辛い症状であることに間違いはありません。
このような症状に対して現在行われている治療は投薬治療となります。
薬の中でもPMSの治療には漢方が多く使用されており、興味を持っている方も多くいらっしゃいます。
この記事では一般的な病気に使用される西洋医学の薬と漢方の違いや実際に使用する薬についてご紹介します。
PMSの投薬治療について知りたいという方は参考にして頂ければと思います。
PMSとは?
PMSは排卵〜月経開始までの期間に現れる身体的・精神的不快症状の総称です。
具体的な症状としては「イライラする」「気分が沈んでしまう」「体の具合が悪くなる」というような症状で、女性の約80%がこのような状態を経験するとされています。
普段はおとなしい女性が、突然人が変わったようになるのを見た人から、「情緒不安定」や「気まぐれな性質」として片付けてしまわれた方も少なくはないと思います。
しかし、月経が終わればそのような症状はなくなることがほとんどです。
症状の出方は個人によって様々で、気にならない程度の方もいれば、日常生活が困難になるほどの方もいらっしゃいます。
PMSの薬・・薬と漢方どう違う?
PMSの薬には現代医学の中心となっている西洋医学の薬と東洋医学で用いられる漢方という2種類があります。
西洋医学の薬の方が良く効くの?漢方の方が体の負担は少ない?などいろいろと悩む方も多いかと思います。
まずはどのような違いがあるのかということを知っておきましょう。
西洋医学では薬でホルモンバランスを整える!
西洋医学ではPMSが起こっているのは月経前に女性ホルモンの大きな変動がある為とされています。
また、脳内のホルモンや神経伝達物質がストレスを受けるためということも考えられており、女性ホルモンだけが問題となっている訳ではないとも考えられています。
薬は変動した女性ホルモンや
東洋医学では漢方で体の中のバランスを整える!
東洋医学では気・血・水という3つの要素がバランスよくスムーズになっている状態が健康であると考えます。
PMSの場合には子宮内の「血」が滞っていると考えます。
そこにホルモンバランスの乱れによる「水」の乱れ、「気」の異常が関係しています。
特にPMSの症状の中でもイライラが強い方は「気」に関係する【肝】にも異常があると考えます。
このように体全体を見て、それを整えるために漢方が処方されます。
西洋医学で処方される薬
西洋医学では“対症療法”といって、今現在起きている症状を抑えることを目的に薬が処方されます。
例えば
・鎮痛剤→頭痛や下腹部などの痛み
・利尿剤や抗アルドステロン療法→むくみ
・精神安定剤・選択的セロトニン取り込み阻害薬→不安感やイライラなどの精神神経症状や自律神経症状
・低用量ピル→排卵を抑制することでホルモンの変動を穏やかにする
このような薬が使用されます。
精神的な症状が強い場合にはメンタルクリニックや心療内科での診察を受けて薬を処方してもらうのも良いでしょう。
東洋医学で処方される漢方
東洋医学での漢方は体全体のバランスや体質を見て問題がある部分を改善させるために処方されます。
また、漢方の場合には同じ症状であっても処方される漢方の種類が異なる場合も多くあります。
PMSに対して使用される漢方は体質によって必要なことが変わってきますが、
・五苓散→体内の水分代謝機能を正常に戻す
・桂枝茯苓丸→血液をさらさらにして綺麗な血液循環を促す
・加味逍遙散→虚弱体質の改善
・当帰芍薬散→体を温めて冷えを改善する
・桃核承気湯→血液循環の改善やホルモンバランスを整える
・半夏厚朴湯→気分をリラックスさせて抑うつ気分や情緒不安定の改善
一般的にこのような漢方が使用されることが多いです。
まとめ
冒頭でご紹介しましたように、PMSは女性であればほとんどの方が経験しているといっても過言ではない体の不調です。
ですが、だからといって仕方がないし我慢しなければいけない・・ということはありません。
きちんと治療を行えばPMSの症状が和らげることが出来ます。
ご自身にとっても周囲の方にとってもその方が良いこともたくさんあります。
みんなもあるんだから薬に頼らずに頑張らないと。と思わずに症状が辛い場合には薬に頼ってみましょう。
また、PMSを始めとする女性のお悩みは整体でも症状を緩和させることが可能です。
お悩みの方はお気軽に御相談くださいね。