生理痛と薬について

「生理痛で薬を服用しているが、効き目が弱い気がする。」
「薬ってどのタイミングで飲むのが正解?」
「生理のたびに毎回薬を飲んでもいいの・・?」

個人差はあるものの、生理痛に悩んでいる女性は7~8割いるとされています。
ですが、薬を飲んで対処しているという方は意外と少ないのです。
飲まない理由は様々ですが、薬の使用方法の間違いや薬に対する誤った認識も含まれています。
生理の時、体には様々な不調が生じますが、今回は痛みに特化し、その中でも生理痛の時に服用する薬に対する正しい知識をつけて頂けるようにお話をしていきます。
生理痛に悩んでいる方にお役立て頂ければと思います。

どうして生理痛は起こるの?

まずは生理が起こる仕組みをお話していきます。
生理の際にはまず、卵巣内でエストロゲンという卵胞を育てるホルモンが働いて排卵の準備が行われます。
排卵が行われ、卵子が子宮に到達すると次は卵子が着床するために子宮内膜を分厚くするためのホルモンが分泌されます。
これはプロゲステロンというホルモンの働きによるものです。
卵子が受精し、子宮内膜に着床すると妊娠となるのですが、着床しなければ分厚くなっていた子宮内膜は剥がれ落ちて体外へ排出されます。
これが一連の生理の流れです。
生理痛は最後の子宮内膜が剥がれ落ちる際に出る痛みです。
子宮内膜を排出する際に子宮が収縮するのですが、その際にプロスタグランジンという痛みのもととなる物質が関係してくるのです。
プロスタグランジンは子宮を収縮させて子宮内の血流を低下させます。
血流が低下することによって子宮内の神経も敏感になり、痛みを感じるのです。
これが生理痛の正体です。
ちなみに、プロスタグランジンは痛み以外にも免疫やアレルギー、睡眠にも関与します。

生理痛に効果のある薬はどんな薬?

一般的に使用される薬は鎮痛薬となります。
鎮痛薬はご存知の通り、「痛み」を抑えるために有効であるとされています。
他にも女性ホルモン剤漢方薬が使用される場合もあります。
女性ホルモン剤は排卵を抑えることで子宮内膜が分厚くならないようにします。
子宮内膜が分厚くならなければ剥がれ落ちる子宮内膜の量も変化しますので、痛みの元となるプロスタグランジンは産生されません。
よって、生理痛もコントロールをすることが出来ます。
漢方薬は体のバランスを中から整えることで体質改善を行なうことを目的としています。
漢方薬と聞くと時間がかかるイメージがあるかも知れませんが、実は即効性のあるものもありますので、医師と相談してみてください。

1番効果的な生理痛の薬の飲み方は?

生理痛に悩んでいる皆さんは痛み止めをどのタイミングで服用していますか?
痛くてどうしようもなくなってから飲んでいるという方がいらっしゃれば、飲むタイミングを工夫することでもっと楽に過ごせるようになります。
生理痛の時に服用する鎮痛薬には「プロスタグランジン」という痛みの元となる物質の産生を抑える働きがあります。
なので、痛みが強くなる前に服用し、プロスタグランジンの産生を抑えることが出来ればひどくなる前に症状を緩和させることが可能となります。
よって、
「もうすぐ痛くなりそうだな〜」
「ちょっと痛くなってきたかも・・」
というタイミングで服用することがベストです。

ずっと飲み続けていても大丈夫?

生理の度に痛み止めを飲むことに抵抗があるという方もいらっしゃるかと思います。
確かに薬によっては長期に渡って服用を続けることで薬剤耐性といって、飲んでいる薬が効かなくなったり、薬物依存になってしまい、飲んでいないと不安で仕方がないということになる場合もあります。
ですが、生理痛の痛み止めは基本的には用法・容量を正しく守っていれば問題はありません
痛みを我慢していると余計に体にストレスがかかり、症状が悪化することも考えられます。
生理痛が辛い時には記載の用法・容量の範囲内で正しく服用するようにしましょう。

まとめ

今回は生理痛の薬についてご紹介しました。
1番よくみなさんが心配されている「クセになる・効きにくくなる」という点に関しては正しく服用すれば心配は要らないということがお分かりいただけたかと思います。
ただし、そのペースでは痛みが和らがない・生理痛の症状が悪化している、という場合には他の疾患が隠れている場合がありますので、一度婦人科を受診するようにしましょう。
また、正しく薬を使うことも重要ですが、体を冷やさない・ストレスを溜めないなど生理痛を緩和させる日常生活での工夫も同時に行うようにしてみてくださいね。