「授乳していると腰が痛くなる」
「授乳が終わって立ち上がると腰がつらい」
「夜中の授乳で腰がどんどん痛くなってきた」
「ソファで授乳すると腰が重くなる」
産後は、一日に何度も授乳する生活が始まります。
一回の授乳時間はそれほど長くなくても、同じ姿勢を何度も繰り返すことで、腰や骨盤まわりへ負担が積み重なることがあります。
そのため、授乳で腰が痛くなると、
「猫背だから?」
「骨盤が歪んでいるから?」
「授乳姿勢が悪いから?」
と考える方も多いかもしれません。
しかし、授乳による産後腰痛は、姿勢の形だけではなく、長時間の座位、前かがみ、身体の左右差、授乳環境などが重なって起きていることがあります。
この記事では、授乳で産後腰痛が悪化する背景、授乳中に確認したいポイント、負担を減らすための工夫、医療機関へ相談した方がよい症状について解説します。
授乳で産後の腰が痛くなりやすい理由
授乳では、赤ちゃんの位置や授乳方法に合わせて身体を動かします。
その中で、
- 前かがみになる
- 片側へ身体を傾ける
- 腰を丸めたまま座る
- 同じ姿勢を長時間続ける
- 夜中に眠い状態で授乳する
といった状態が繰り返されることがあります。
問題は、単に「姿勢が悪い」ことではありません。
毎日何度も、同じ場所へ負担が集中していないかを見ることが重要です。
赤ちゃんへ身体を近づけるために前かがみになっている
授乳中は、赤ちゃんの口元や様子を見るために、無意識に身体が前へ近づくことがあります。
その状態が長く続くと、腰や背中まわりへ負担がかかりやすくなります。
大切なのは「前かがみ=悪い」と考えることではありません。
同じ前かがみ姿勢を長時間続けていないかを確認することです。
片側へ身体を傾けて授乳している
授乳中、赤ちゃんを支えやすい側が決まっていると、身体もいつも同じ方向へ傾くことがあります。
例えば、
- いつも同じ腕で赤ちゃんを支える
- 片側の骨盤へ体重をかける
- 片方の肩だけ下がる
- 身体をひねったまま授乳する
といった状態です。
一度だけでは大きな問題にならなくても、毎日繰り返すことで左右差が大きくなる場合があります。
授乳時間が長く、姿勢が固定されている
授乳では、赤ちゃんが飲み終わるまで同じ姿勢を続けることがあります。
そのため、腰痛対策では「正しい授乳姿勢」を探すだけでなく、
同じ姿勢が何分続いているのか
を確認することが重要です。
夜中の授乳で腰痛が悪化することもあります
産後は夜間授乳によって、まとまった睡眠を取りにくい時期があります。
眠い状態では、昼間より姿勢を細かく調整する余裕がないこともあります。
例えば、
- ベッドの端で不安定に座る
- 背中を丸めたまま授乳する
- 赤ちゃんを支えるため身体をひねる
- 授乳後すぐに横になる
などです。
夜間は休息不足も重なるため、授乳姿勢だけでなく、身体全体の疲労も無視できません。
授乳後に立ち上がると腰が痛いのはなぜ?
授乳中は長時間座った状態になります。
そのあと急に立ち上がると、
座る
↓
長時間同じ姿勢
↓
立ち上がる
↓
腰が痛い
という流れになることがあります。
この場合、授乳中の姿勢だけでなく、座位から立位へ切り替わるときに身体全体を使えているかも確認したいポイントです。
授乳中に腰が痛い人が確認したいポイント
授乳中の状態を一度確認してみてください。
- 授乳開始から何分で腰が痛くなるか
- 左右どちらかだけ痛いか
- 授乳後に立つと痛いか
- ソファと椅子で症状が違うか
- 夜中の方がつらいか
- 授乳中に身体が前へ倒れていないか
- いつも同じ側で赤ちゃんを支えていないか
原因を自己診断するためではなく、どの条件で腰へ負担が集まっているのかを整理するための情報として活用してください。
授乳時の腰への負担を減らすポイント
赤ちゃんへ身体を近づけすぎない
自分の身体を赤ちゃんへ近づけるのではなく、可能な範囲で赤ちゃんの位置を自分の身体へ近づけます。
授乳クッションや枕などを使い、高さを調整する方法もあります。
背中を支えられる環境を作る
椅子やソファへ深く座り、背中を支えられる環境を作ることで楽になる場合があります。
ただし、「深く座れば正解」と一律には言えません。
症状が強くならない姿勢を探してください。
足元を安定させる
足が床につかず不安定な状態では、身体を支えるために腰や骨盤周辺へ負担が集まりやすくなる場合があります。
必要に応じて足台などを使うことも一つです。
左右の支え方を変えられるか確認する
いつも同じ側へ身体が傾いている場合は、赤ちゃんの支え方やクッションの位置を調整できないか確認してみてください。
無理に左右均等にする必要はありませんが、同じ偏りが長時間続いていないかを見ることが大切です。
授乳姿勢は「正しい形」に固定しなくていい
授乳時の腰痛を調べると、理想的な姿勢の図を目にすることがあります。
参考にはなりますが、その姿勢を我慢して維持する必要はありません。
重要なのは、
- 痛みが強くならない
- 赤ちゃんを安定して支えられる
- 身体の一部分へ負担が集中しない
- 必要に応じて姿勢を変えられる
ことです。
一つの正解姿勢を作るより、状況に応じて姿勢を変えられることを重視します。
授乳クッションを使えば腰痛は楽になる?
授乳クッションによって赤ちゃんの位置を調整しやすくなり、身体への負担を減らしやすくなる場合があります。
ただし、クッションを使えば必ず腰痛がなくなるわけではありません。
確認したいのは、
- 高さが合っているか
- 身体が前へ倒れすぎていないか
- クッションを使っても左右へ偏っていないか
などです。
道具だけでなく、授乳環境全体を見直すことが重要です。
授乳で腰が痛いときにストレッチをしてもいい?
授乳後に腰が固まった感じがすると、腰を強く伸ばしたくなるかもしれません。
軽く身体を動かして楽になる場合はありますが、痛みを我慢して強く伸ばす必要はありません。
特に、
- 腰痛が強くなる
- 脚にしびれが出る
- しびれが広がる
- 脚に力が入りにくくなる
場合には中止してください。
産後腰痛のセルフケアについてはこちらで詳しく解説します。
抱っこでも腰が痛い場合
授乳だけでなく、赤ちゃんを抱き上げたり長時間抱いたりすることで腰が痛くなる場合は、抱っこ動作での負担も確認する必要があります。
授乳で腰痛を繰り返す場合は腰だけを見ない
例えば、
授乳すると腰が痛い
↓
ストレッチをする
↓
少し楽になる
↓
数時間後にまた授乳する
↓
同じ姿勢が続く
↓
再び腰が痛くなる
という状態です。
この場合、ストレッチ自体が悪いとは限りません。
しかし、腰へ負担が集中する授乳条件がそのまま残っている可能性があります。
そのため、腰だけではなく、身体全体の支え方や授乳環境まで確認することが重要です。
みゅう整骨院では授乳姿勢だけを見ません
みゅう整骨院では、慢性的な産後腰痛について、授乳姿勢を「良い・悪い」で判断するだけではなく、
重力身体学 → 姿勢循環整体 → FJA → 生活改善
という流れで身体を確認します。
重力身体学|授乳中にどこへ負担が集中しているかを見る
授乳中に、
- 腰へ負担が集まっていないか
- 片側へ身体を預け続けていないか
- 足元が不安定になっていないか
などを確認します。
「猫背だから腰痛」という見方ではなく、「なぜその姿勢で腰へ負担が集中するのか」を整理します。
姿勢循環整体|足・骨盤・体幹までの連動を見る
座って授乳しているときも、身体は腰だけで支えているわけではありません。
足、股関節、骨盤、体幹まで含めて、身体全体で安定して支えられているかを確認します。
左右差や、座位から立位へ移るときの動きなども確認します。
FJA|動きを妨げている部分を細かく確認する
全身の状態を確認したうえで、関連する関節や筋膜周辺に動きを妨げている部分がないか評価します。
FJAは、腰を強く揉むことを目的にするものではありません。
動かなくなっている部分を探し、身体全体が連動しやすい状態を目指すという考え方です。
そして、
評価
↓
施術
↓
再評価
という流れで、身体の動きや使いやすさの変化を確認します。
生活改善|授乳を続けながら環境を変える
授乳中の方に「授乳しないでください」という対策は現実的ではありません。
そのため、
- 授乳する場所
- 椅子やソファ
- 授乳クッション
- 赤ちゃんの高さ
- 足元
- 夜間授乳の環境
など、育児を続けながら変更できる条件を探します。
一日中腰が痛い場合
授乳中だけではなく、起床時、抱っこ、立ち上がり、歩行などでも腰が痛い場合は、授乳動作だけの問題ではない可能性があります。
産後腰痛全体についてはこちらをご覧ください。
授乳中の腰痛で医療機関へ相談した方がよい症状
産後だからといって、すべての腰痛を授乳姿勢や育児疲れと考えることはできません。
特に、
- 腰痛が急激に強くなった
- 脚に強いしびれがある
- 脚に力が入りにくい
- しびれが広がっている
- 発熱を伴う
- 転倒などの外傷後に痛みが出た
- 排尿・排便に異常がある
- 症状が急速に悪化している
場合には、セルフケアや整骨院で様子を見るより医療機関への相談を優先してください。
みゅう整骨院ではMRI・レントゲンによる画像診断や病名の確定は行いません。
必要な場合には、医療機関で適切な検査・診断を受けることが重要です。
まとめ|授乳による産後腰痛は「姿勢」だけでなく授乳環境を見る
授乳で腰が痛くなると、
「猫背だから」
「骨盤が歪んでいるから」
「授乳姿勢が悪いから」
と考えてしまうかもしれません。
しかし、確認したいのは、
- 授乳開始から何分で腰が痛くなるか
- 身体が片側へ偏っていないか
- 赤ちゃんの高さが合っているか
- 足元が安定しているか
- 授乳後の立ち上がりで痛むか
- 夜間授乳で症状が強くなっていないか
という点です。
授乳中の姿勢だけではなく、「なぜ授乳をすると腰へ負担が集中するのか」という視点から、足・股関節・骨盤・体幹、そして授乳環境まで確認することが重要です。
産後腰痛全般についてはこちらをご覧ください。
授乳と産後腰痛についてよくある質問
授乳すると腰が痛くなるのはなぜですか?
長時間同じ姿勢が続くことや、身体が前や左右へ偏ることで腰へ負担が集中する場合があります。ただし、原因を授乳姿勢だけに限定することはできません。
授乳中は背筋を伸ばした方がいいですか?
無理に背筋を伸ばした姿勢へ固定する必要はありません。痛みが強くならず、赤ちゃんを安定して支えられ、必要に応じて姿勢を変えられることが重要です。
授乳クッションは使った方がいいですか?
赤ちゃんの高さを調整しやすくなるため、身体への負担を減らしやすい場合があります。ただし、高さや身体との相性によっては使いにくいこともあります。
授乳後に腰を伸ばすと痛いのは問題ですか?
長時間座ったあとに動き始める際、腰に痛みを感じる場合があります。症状が続く、強くなる、脚のしびれを伴う場合には専門家や医療機関への相談を検討してください。
横になって授乳すれば腰痛は減りますか?
姿勢を変えることで楽に感じる方はいますが、すべての方に適しているとは限りません。安全に授乳できることを優先し、身体の状態に合わせて方法を選んでください。
授乳中の腰痛は骨盤矯正をすればよくなりますか?
骨盤周辺の状態を確認することはありますが、腰痛を骨盤だけで説明することはできません。身体全体の連動や授乳時の支え方、生活環境まで含めて確認することが重要です。
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この記事の監修・執筆者:平井 大樹(箕面市の整体 みゅう整骨院 代表)
平井大樹(TAIKI HIRAI)
箕面市の整体 みゅう整骨院の代表
柔道整復師・スポーツトレーナー。臨床歴20年・10万人以上の施術実績。治療家のための平井塾主宰。
臨床歴20年・10万人の施術実績を持つ「身体の専門家」
私は、これまで20年間、延べ10万人を超える患者様と向き合ってきました。その中で最も大切にしてきたのは、「痛みを取る」ことだけではなく、「患者様が心から安心して過ごせる毎日を取り戻す」ことです。
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- 店舗名:みゅう整骨院
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- 公式サイト:https://myuseikotsu.com/
ご注意ください
本記事は、施術歴20年以上・延べ10万回以上の臨床経験と、現在の医学的知見をもとに作成しておりますが、すべての方に当てはまるものではありません。
症状の原因や身体の状態は一人ひとり異なります。特に、強い痛みやしびれ、急激な症状の悪化、発熱や腫れを伴う場合は、重大な疾患が隠れている可能性もあるため、自己判断せず医療機関を受診してください。
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